MK5 | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

我が家の猫、

チェリー。

 

世の猫たちの

ご多分に漏れず。

 

ちゅ~るが大好き。

 

我が家では、ずっと

シーフドバラエティという

パッケージを購入していたのだが。

 

 

 

 

 

「たまには、違うものいいんじゃない?」

 

 

 

 

 

次男のこの言葉に、

それもそうだなと。

 

 

 

そこで今回は、

贅沢バラエティにしてみた。

 

40本入り。

 

 

 

 

 

 

もしチェリーが

気に入らなかったら...

 

 

 

 

 

びくびくしながらも、

4種類の中から最初に手にした

“とりささみ黒毛和牛” を

献上してみたところ。

 

 

 

 

 

おお!

両目がキラキラ。

 

まるで乙女。

 

 

 

 

よほど気に入ったのだろう。

 

 

その日の夜。

9時を過ぎた頃。

 

チェリーは、

ある行動に出た。

 

 

 

 

 

次男の前に行き、

きちんと前足を揃えて

かしこまってお座り。

 

次男の顔をじっと見て、

真剣な眼差しを送る。

 

 

 

そう。

これは紛れもなく。

 

おねだりのポーズだ。

 

 

 

 

 

 

「ねえ、母ちゃん。チェリーちゃん、

ちゅ~る欲しいんじゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

ええ。

そうでしょうとも。

 

 

チェリーさんは今日、

新世界に足を踏み入れたのよ。

 

 

 

 

 

 

「いや。今日はもうあげたから。

昼間食べた新しいちゅ~る、

よっぽど美味しかってんろね」

 

 

 

「そっか。ほんじゃ

今日はもうダメやね」

 

 

 

 

 

我が家では。

 

ちゅ~るは、

一日一本までと

決まっている。

 

 

 

 

申し訳ないが。

 

これが人間界の

報連相よ。

 

 

 

 

この会話の後、

ふとチェリーを見ると。

 

さっきまでの

お嬢様座りはどこへやら。

 

次男にお尻を向けて蹲り、

イカ耳になって不貞腐れているのが

よく分かる。

 

 

 

 

 

 

「ちっ。うまくいくと思ったのに」

 

 

 

 

 

顔には、はっきり

こう書いてある。

 

 

 

 

 

私からは、もうすでに

もらっているから無理。

 

しからば、次男からと

考えたのだろう。

 

 

 

 

 

策士よのう...

 

 

 

 

 

大失敗だが。

 

 

 

 

チェリーさん。

悪いよ。

 

 

 

 

 

でもね。

 

 

 

 

 

「今日はチェリーちゃんを

和風に呼んでみましょう。

はい、佐藤錦ちゃーん!」

 

 

 

 

 

こう呼ばれても、いつも通り

尻尾を振って返事をしてくれる。

 

 

 

うん。

 

とても可愛い

さくらんぼだ。

 

 

 

 

 

 

 

恐らく野良猫だったのであろう

チェリーと暮らし始めて、

今年で何年になるだろう。

 

もう8年くらいには

なるだろうか。

 

 

いつからか、私たちの会話を

理解するようになったらしい。

 

 

今回のこともそうだが。

 

一昨年だったか。

夏のこと。

 

 

毎晩、外から二階のベランダまで

器用に上がってきては

 

網戸に前足を引っかけて

ガタガタと揺らし、

部屋に入れてくれとねだる。

 

 

私はその都度、布団から出て

網戸を開けなければならない。

 

 

おまけに。

 

網戸を開けると、蚊まで

一緒に入ってくることがある。

 

 

 

毎晩毎晩。

眠いわ、痒いわ。

 

 

 

 

 

 

「あーあ。チェリーちゃん、

自分で網戸開けて入ってきてくれんかなー?」

 

 

「いや、それは無理やろ」

 

 

 

 

 

 

私がこう言うと、次男は

笑いながら返したのだが。

 

 

 

 

 

なんと。

まさにその晩。

 

チェリーさん。

 

見事に網戸を開けて

入ってきたのだ。

 

 

 

 

バーン!

 

 

 

 

という豪快な音と共に。

 

 

 

 

ええ。

全開。

 

 

 

 

チェリーが出入りしている寝室の窓は、

横長で120cm程ある。

 

もちろん網戸も

同じ長さだ。

 

 

 

それを難なく

開け放ったわけだ。

 

確かに、

あの網戸は軽いが。

 

 

それにしても、だ。

 

 

 

一体どうやって

開けたんだろう...

 

この目で

見たかった。

 

 

 

 

 

「お望み通り開けてやったぜ!

どうだ!参ったか!

まだ何か文句あんのか!」

 

 

 

 

 

あの、網戸と窓のサッシが

激しくぶつかり合う音の中には、

間違いなくチェリーの女の意地が

こだましていた。

 

 

 

 

 

 

いえいえ。

チェリーさん。

 

あなた様に文句など、

滅相もないことでございます。

 

 

ただですね。

 

開けた網戸を

閉めていただけると

助かります。

 

 

 

 

こう思ったが、

口にはできなかった。

 

 

 

 

 

 

「なーにー!

開けた網戸を今度は閉めろだ!?

上等だ、この野郎!これでも食らえ!」

 

 

 

 

 

 

バーン!

 

 

 

 

 

こんな展開なら、

網戸壊れるかも。

 

 

 

 

言わぬが花よ。

 

 

 

 

私たちと暮らす中で、

言葉を理解すると同時に、

 

人間に対する忍耐も

培ってきたのであろう

チェリーさん。

 

 

いや。

 

私たちのあしらい方を

身につけたと言うべきか。

 

 

日々。

 

次男や娘、私から繰り出される

極めて一方的で身勝手な、

愛という名の迷惑行為に

果敢に立ち向かっている。

 

 

 

 

湯婆婆が坊にするような、

ぶちゅーっと音を立てた

キスを私にされても。

 

 

何回かは我慢する。

 

 

ただ黙って禍が

過ぎ去るのを待つ。

 

辛抱あるのみ。

 

止まない雨はない。

 

 

 

 

だが。

 

時には止まない

雨もある。

 

 

そして。

 

我慢にも

限界が訪れる。

 

 

 

 

その瞬間。

 

我が家では、粛々と

MK5が発動される。

 

 

 

 

お猫の顔も三度まで

 

 

 

 

MK5とは。

すなわち。

 

 

 

マジ狩り5秒前

 

 

 

 

 

♪マジで狩られちゃいそうな

瞬間の5秒前~

 

 

 

 

 

このメロディー。

 

アラフィフ世代の皆様には、

ご理解いただけるやもしれません。

 

 

 

 

いや。

 

実際には、5秒も

待ってはくれない。

 

 

狩るとなったら、

次の瞬間には猫パンチが

繰り出される始末。

 

 

その上。

 

時にはパンチで

済まないことも。

 

 

よほど腹に

据えかねるのだろう。

 

 

そんな時は、

猫ジャブをも超えて

もはや猫殴り。

 

 

 

嫌なものは嫌。

鉄球制裁。

 

 

親しき仲にも

仁義なし。

 

 

 

 

ああ。

 

なんという羨ましい

生き様だろう。

 

 

 

 

人間の社会では

こうはいかない。

 

 

気に入らないからと、

その都度誰かを

ぶん殴っていては、

 

いずれ娑婆では

暮らせなくなってしまう。

 

 

 

 

 

 

しかし。

 

このキジトラ

スケバン娘。

 

 

スケバンが何か分からない

良い子は検索エンジンへ

 

 

いや、あの。

 

歩くたびに右へ左へ

むちむちと揺れ合うお尻。

 

 

私と同じく、すでに

立派なおばさんであろう。


 

 

 

 

 

箸にも棒にもかからない

揶揄の類は華麗にスルーするという、

大変高度な処世術も身につけている。

 

 

 

 

 

 

「やーい、この。でか腹バーコードたぬき。

コンビニに並べておいてくれるわ!」

 

 

 

 

 

こう吹っかけられても。

 

 

 

 

 

「ピッ。お客さん、このたぬき温めますか?」

 

「いえ。もうすでに生温かいんで、

このまま羽交い絞めにして連れて帰ります。

ひひひひひひひひひひ」

 

 

 

 

 

50歳近いおばさんのものとは

到底思えない、

品性と人格を疑わざるを得ない

下劣でくだらない一人芝居が

さらに続いても。

 

 

 

 

我関せず。

 

 

 

 

馬鹿と同じ土俵には

立たない。

 

こんな阿呆と

相撲は取れない。

 

 

 

 

 

 

これ。

 

人間には、なかなか

できないと思いません?

 

 

 

 

 

さすがね。

チェリー姐さん。

 

いい女。

大人ね。

 

惚れ惚れするわ。

 

 

 

 

 

 

でもね。

 

ちゅ~るは

一日一本よ。

 

 

 

 

 

 

網戸なんて、ちょろいわ

お茶の子さいさいよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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