都会に舞う、春の里山の風物詩?(東京散策後編:目黒川緑道~中目黒公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今回ご紹介するのは

次の講座「首都圏生きものめぐり」

ご案内する目黒川緑道から中目黒公園にかけてのエリア。

前回の代々木公園の撮影の後、

昼食を済ませて足を運んでまいりました。

 

昨年の秋に本ブログでも紹介しておりますが

四季折々に花が咲き、昆虫の数も意外と多いので

ここ数年は毎年何度か小川沿いを歩いています。

この日は既に花期が終わってしまっていましたが

春の早い時期であればサクラも多数開花しますので

花見散策にもピッタリです。夏はケ●シにご注意ください

 

 

 

 

 

 

左は、緑道入り口付近の植え込みに

なぜか咲いていたオドリコソウ(踊子草)です。

色からすると日本在来のものだと思われますが

誰かが意図的に植えたのか?

それとも何かのきっかけで勝手に生えてきたのか?

いずれにしても最近あまり見ていなかったので

アスファルトに膝をついて撮影してまいりました。

 

右は緑道内で撮影したもので

「イチハツ(一初)」というアヤメの仲間のようです。

帰化植物ですが、日本に来たのは室町時代頃と古く、

名前の通り春の早い時期に、他のアヤメの仲間より

先に咲くという特徴があります。

パッと見ただけでは普通のアヤメと区別がつきにくいですが

緑道ではちゃんと案内板付きで植栽されているので

すぐにわかって便利です。

 

 

 

 

 

この緑道、非常に水がきれいで

カルガモやコサギなんかもよく来るのですが

実はこの水、元々は下水だったりします。

新宿区にある下水処理施設で極限まで浄化した下水を

「再生水」として流しているものであり

それ故に嫌な臭いや汚れなどは一切なく

それこそ本物の「春の小川」のようです。

 

水中にはメダカらしき魚の姿もあり

よくアメンボも浮かんでいます。

正直、自然公園の小川と比べても遜色ないどころか

小川沿いに多数花が咲くので、一般的な公園よりも

美しいスポットになっていると言っても過言ではありません。

 

ちなみに上の写真、カルガモの左手前に

白いものが飛んでいますが、実はこれは

偶然撮れてしまったツマキチョウ

ブレていますが、翅の形でなんとなくわかるかも?↓

 

 

 

 

 

止まるまで待って撮影したものです。

(モンシロチョウより止まる頻度が低いので苦労しました)

春限定のチョウであることは承知していましたが

多くの図鑑等では「里山の昆虫」と紹介されており

こんな高速道路横の都会の真っ只中に

(しかも渋谷駅から歩いてせいぜい30分)

出てくるなんて思わなかったので、正直驚きました。

 

まあ、食草は菜の花やカラシナ、ナズナなど、

その辺に生えている植物らしいので

公園・緑地が意外と多い東京であれば

いたとしても実は不思議ではないみたいです。

さすがに講座実施日まで見れる可能性は低いですが

もし会えたらラッキーですね。

 

 

 

 

 

遊歩道のすぐ近くにカルガモが。

珍しい鳥ではなくても、こんな近くに来ると

誰もが一度は目を向けてしまうものです。

 

 

 

 

 

地元の花愛好家の方がお手入れし

プロムナードを美しく設えています。

(所有者は世田谷区です)

 

 

 

 

 

多分、これはホソハリカメムシ

小型なので、花の上などわかりやすい場所に

乗っていないと見落としてしまいがちです。

 

 

 

 

 

おっと、季節外れのオオスカシバです。

急に暖かくなった日だったからでしょうか?

もう羽化してしまったようです(汗)

さすがにいたのはこの1匹だけでしたが

まあ……繁殖は難しそうですね……orz

 

 

 

 

 

 

緑道を散策した後は、目黒川の本流へ。

ちなみに先に紹介した目黒川緑道は

この川の上流部で暗渠化された部分の

上に位置しています。

 

有名な桜並木ですが、今はもちろん花期も終わり

高い護岸に挟まれた都会らしい川となっています。

ただ、ここにも水鳥の類はよく姿を現し

特にコサギの数は多いようです。

 

 

 

 

 

数個体固まっているのも見かけました。

 

 

 

 

 

こちらは、まだ旅立っていなかったらしいコガモ

4月下旬の時点でこんなに残っているのは驚きですが

元々カモ類の中では春の旅立ちが遅い方なんだとか。

こちらも講座の日まで残っているかどうか?

さすがに5月は厳しいような気もしますが……(汗)

 

 

 

 

 

 

歩くこと30分、中目黒公園に到着です。

入口周辺にも多数花が咲いていますが

公園内にも花壇が多く設えられており

珍種ではないものの色々な昆虫が見られます。

(右写真:ダイミョウキマダラハナバチ

 

 

 

 

 

草原を覗いてみても、やはり色々な昆虫が。

これはホオズキカメムシのようです。

 

 

 

 

 

フキの葉の裏には、昨年新顔登録した

エグリグンバイの姿がありました。

 

なお、新顔登録した時には

コイツの遭遇率を「2」にしていましたが

その後色々な公園等で観察しておりますので

恐らくは「3」にしても問題ないかなと思っているところです。

 

 

 

 

 

 

花壇も色々。堆肥づくりなどもしているようです。

化学肥料や農薬に頼らないスタイルの花壇らしく

こちらもまた地域ボランティアさんの手で支えられています。

 

 

 

 

 

バッタなどの棲み処になるような場所も。

ただ、この辺がにぎわってくるのは

もう1~2ヶ月先になるかな?

 

 

 

 

 

 

そして、中目黒公園でもツマキチョウに遭遇しました。

左の菜の花で吸蜜している個体がオス、

右のカラスノエンドウに来ているのがメスです。

(トップの目黒川緑道にいたのもメス)

 

春の風物詩の一つとして名高いツマキチョウ。

今後もコンスタントに観察できることを願っています。

 

 

 

 

 

【4/25 代々木公園&目黒川緑道~中目黒公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・カルガモ、カワウ、コガモ、コサギ、ハクセキレイ、ムクドリ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、エグリグンバイ、オオスカシバ、クマバチ、セイヨウミツバチ、ダイミョウキマダラハナバチ、ツマキチョウ、ツマグロヒョウモン、ナガメ、ナナホシテントウ、ナミアゲハ、ナミテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ヒメマルカツオブシムシ、ホオズキカメムシ、ホソハリカメムシ、ヤマトシジミ

その他・・・アオダイショウ、アカミミガメ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年5月19日(日)に開催いたします。

 行先は「目黒川緑道~中目黒公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。