多分、人はマネしない方がいい(埼玉県内某所) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

どうやら上がオス、下がメスらしい。

 

毎年4月に撮影に行っている

埼玉県某所の荒川河川敷のキバネツノトンボです。

ドンピシャのタイミングで訪問することができ、

やたらと交尾個体に多くエンカウントしました。

当方のような者にとっては願ったり叶ったりですが

その体位があまりに印象深かったので

いくつか写真をアップさせていただきます。

 

 

 

 

 

腹部の先端に「U」みたいな形の

突起があるのがオスで、ないのがメスです。

トップの写真だとわかりにくかったので

別の交尾個体の写真をどうぞ。

上から「∩」みたいな形で伸びた突起が

下の個体(メス)の腹部を掴んでいるのがわかりますね。

 

明らかにメスの身体の反り方が凄まじく

相当体に負担がかかっているように見えますが

他のどの個体を見ても同じポーズィングだったので

これが一番適しているということなのでしょう。

当たり前ですがいくら女性の体がしなやかでも

人がマネするのは背骨に負荷がかかるのでご注意ください

 

 

 

 

 

キバネryがいるのは大抵こういう開けた場所。

個体数の増減についてはわかりませんが

一応今年も探すのに苦労はしないレベルでした。

 

ただ、朝早くに行ってもほとんど動かないので

大体正午過ぎ辺りの暖かく(場合によっては暑く)

なったタイミングを狙うようにしています。

上記のように元気に子づくり交尾をするのも

それくらいの時間が主となります。

 

 

 

 

 

もういっちょ

もちろん右がメス

 

 

 

 

 

いつものように手に乗せてみました。

まだ羽化直後の個体と思われますので、翅に触れるのは禁物。

しばらく私の手の上で翅を乾かした後

力強く羽ばたいて飛んでいきました。

 

 

 

 

 

ここからは、その他の生きものを紹介します。

 

こちらも恋の季節ということなのか

それとも単に喧嘩しているだけなのか

菜の花に群がるニッポンヒゲナガハナバチです。

 

 

 

 

 

春を実感する一方で、冬の名残というか

まだツグミが何羽か残っていました。

さすがに5月中旬の今は

もう北国に帰ったかと思われますが……。

 

 

 

 

 

たまに見かける、赤い翅のこの甲虫。

これまで結構長いことスルーしてしまっており

新顔登録していなかったようなので

よい機会なのでここで登録してしまいましょう。

見た目通り、アカハネムシというそうです。

 

遭遇率・・・3 (郊外の公園では割とよく見る)

インパクト・・・1 (サイズは小さく見落としがち)

美しさ・・・3 (鮮やかな赤い翅が目を惹く)

俊敏性・・・4 (よく飛ぶし、歩く速度も速い)

知名度・・・2 (まあ、覚えやすい名前かと……)

 

ベニボタルと見間違える人が多そうですね。

本種は胸部と腹部の間が深くくびれているので

その辺りの細部をチェックする必要があります。

 

 

 

 

 

これが何なのかちょっと不明です。キョロキョロあせる

ヤガ科の仲間と思われますが、種類が多過ぎて

手持ちの図鑑や昆虫エクスプローラーでは

識別できませんでした。もしわかる方いらっしゃいましたら

後でコメント等でそっと教えてください。<(_ _)>

 ▼

読者の方よりアドバイスをいただきまして

すでに撮影していたオオウンモンクチバではないかと

考えました。確かに特徴は合致していますが

色が異なっていたのでイマイチ自信がありませんでした。

ご指摘くださいました方、誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

ホソオビヒゲナガ(左)やクロハナムグリ(右)など

ここではオーソドックスな昆虫も見られました。

ハナムグリについては、ノイバラが咲き出すと

見られる数がグンと多くなるのですが

今年は開花期が遅れていたため、見られたのは1匹だけ。

今くらいの時期がちょうどいいのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

春の風物詩であるツマキチョウ(左)にも何度か遭遇し

ヨツボシトンボ(右)もいつもの池で確認できました。

 

そういえばヨツボシトンボですが

昭和記念公園にも出現するという話を聞きました。

(公式Web(?)でも紹介されている代表種みたいです)

あの公園でトンボを探すのは大抵真夏

その時期にはもう成虫は消えていますので(汗)

友人からその件を聞いてちょっと驚きました。

 

私も四季を通じて生きものの出現状況を

網羅しているわけではありませんので

もしかしたら他にも「この時期ならこんな奴がいる」みたいな

目からウロコな話があるかもしれません。キョロキョロ

 

 

 

 

 

ショカッサイで吸蜜するギンイチモンジセセリ

キバネryより若干早めに出現する昆虫ですが

今年はバッティングしていたようでした。

そこそこの数が確認でき、嬉しく思います。

 

 

 

 

 

最後に、最寄り駅周辺の電線に

ビンズイがとまっているのを確認しました。

この界隈ではそれなりに出現率が高い鳥ですが

確実にエンカウントできるような鳥でもないため

見かけたらその都度確実に写真に収めています。

 

新顔登録こそ1種類だったものの

なかなかに満足いく成果がありました。

えらく先の話ですが、来年もまた4月になったら

キバネryに会うため、訪問したいところです。

 

 

 

 

 

【4/26 埼玉県内某所で撮影した生きもの】

鳥類・・・コガモ、シジュウカラ、ダイサギ、ツグミ、ツバメ、ハクセキレイ、ビンズイ、ムクドリ

昆虫類・・・アカハネムシ、オオウンモンクチバ、キタキチョウ、キタテハ、キバネツノトンボ、ギンイチモンジセセリ、クロハナムグリ、クロボシツツハムシ、コアシナガバチ、コミスジ、シオカラトンボ、ジガバチ、セイヨウミツバチ、ダイミョウキマダラハナバチ、ダイミョウセセリ、ツチイナゴ、ナミテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、バラルリツツハムシ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ、ホソオビヒゲナガ、モモブトカミキリモドキ、モンシロチョウ、ヤツボシツツハムシ、ヤマトシジミ、ヨツボシトンボ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年5月19日(日)に開催いたします。

 行先は「目黒川緑道~中目黒公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。