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2024.06.01
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カテゴリ:カテゴリ未分類
手書きハート 賀寿恵、小埜瀬に頭をペコリと。そしてにこやかに、
「ありがとうございます。」

そんな賀寿恵に小埜瀬もニコリと。
「いえ…。…どういたしまして。…って…。」
可笑しがりながら、
「どうして…、ありがとうございます…???」
僅かに両眉を上に。

賀寿恵、
「だって…、今、小埜瀬さん、私を見て、奇麗で素敵なのに。って。」

「あ~~。」
そして、
「実に奇麗で素敵です。」

「でも…。そんな…、奇麗で素敵な私を、小埜瀬さん、今、振っちゃいましたから。」

瞬間、小埜瀬、目を見開いて、
「えっ…???」

賀寿恵、口を真一文字にして、僅かに両肩をチョコンと。
「ショックでした。」

小埜瀬、賀寿恵のその声に思わず、
「ショック。」
眉間に皺を寄せて。

賀寿恵、ニッコリと、
「えぇ。ショックでした。」
そして、ワインを一口。そして周りを見て、
「私。」
今度は小埜瀬を見て、
「小埜瀬さんにお付き合いしてもらいたくって、お誘いしたんです。」

小埜瀬、いきなりビールをゴクリ。そして口を窄めて。目を丸く。

賀寿恵、僅かに顔を赤らませて、そして照れたように、
「…でも…。…やっぱり、ダメでした。おばさんからは、しっかり。…って言われて、背中を押されたんですけど…。」

「えっ…???」
小埜瀬、
「麗子さん…???」

賀寿恵、照れながらも、顔をコクリと。
「えぇ。」

小埜瀬、目をパチクリとさせて、
「…って…。それは…。…どうして…???」

賀寿恵、僅かに視線を下に。そして右手で髪を耳に。
「元々、おばさん、アトランタのホテルで偶然小埜瀬さんとバッタリ会って、あるインスピレーション、湧いたらしいんです。」

「インスピレーション。」
「面白い事になるかも…って。」

小埜瀬、また眉間に皺を。
「面白い事。」

「えぇ。」
「おばさん、あぁいう人ですから。咄嗟に、頭の中に閃きが湧くんです。…もしかしてって。…で、それが実に…、何故かは分からないんですけど、実に、ほぼ確立的に、その通りになるんです。…と、言うか、その為にはとにかく突進しますけど…。」

小埜瀬、
「うんうん。確かに。それはある。僕の時もそう。まっ。じゃあなければ、今の僕はいないんですけど…。」

賀寿恵、頷いて、
「えぇ。…で、アトランタのあのホテル。偶然にも小埜瀬さんに会って、すぐに私と小埜瀬さんを結ばせようと。」

すぐさま小埜瀬、
「わお。」

「だったら会社に入れちゃおうって。」
「何と。」

「それからは、じっくりと時間を掛けて。」
「な~~るほどね~~。」

「でも…。私自身…。まっ。今もそうですけど…。」
恥ずかしそうに賀寿恵、
「男性には…、全く…。」
舌をチロリと出して、
「子供の頃からそうなんです。中学の時もそうですけど…。空手で、男性からお付き合いって言われて…。…でも、友達がその男性の事…。私にはとてもとても…。まっ。その後は、女性ばかりの学校で…。その延長、延長で…、男性と一緒って言うのには…。中々…。」

小埜瀬、話を聞きながらに、
「そうでしたか~~。」

賀寿恵、小埜瀬を見て、
「えぇ。…で、つまりは…、自分をようやく、曝け出して…、こんな風に一緒に食事できるのって…。しかも…、プライベートで…。…小埜瀬さんが、初めてなんです。」

小埜瀬、数回頷いて。
「うんうん。分かりました。」

賀寿恵、途端に、
「へっ…???」

「あ、いえ。」
小埜瀬、思わず左手をヒラヒラと。
「僕の場合…。ここ、日本に来て、知り合い…。ん~~。友達って、まぁ…。結局のところ、会社の、トラディショナル事業部の人たちに限られます。まだ、期間も3か月程度。」

賀寿恵、瞬きしながらも、
「え、えぇ。」

「弓さんにも、素敵な人が、いますよ、きっと。」

賀寿恵、僅かに残念そうな顔をしても、笑顔が混じった顔で…、
「だと、いいんですけど…。」




店から出てふたり…、駅へと…。
賀寿恵とは、そこで別々のホームに。

そして…。

賀寿恵、麗子に電話。

スマホに麗子の声、
「えっ…???…駄目だったの…???…うそ。」

賀寿恵、
「えぇ。振られました。もぅ…、傍にいてくれる女性、いるようです。」

「あらまぁ~~。あの子ったら、いつの間に。」

小埜瀬は小埜瀬で、スマホに、
「Hey Robert.」



そして15分後…。
「あ、優維香さん。これから帰ります。」

優維香、
「あん。うん。弓さん、どうだったの…???…何だったの…???」

そして隆英、優維香にそのまま…。

「はぁ~~ぁあ…???」
ベッドの上で横になっていたのが体を起こして胡坐に。
「いやいやいや。分かりましたって、どうすんのよ。」
そして、
「うんうん。うんうんうん。…わお。」







賀寿恵、シャワーを浴びながら…。裸の体全身に熱いシャワーを…。
そして…、壁に体を…。そして…、俯いた顔。両手で覆いながら…。
…けれども、ふと…。頭の中で、
「…でも…。あの時、分かりました…って…。」







某レストランの前。

優維香、
「ふ~~ん~~。おかあさん、誰かと待ち合わせ…???」









好きになれない。   vol,275.    「奇麗で素敵な私を、小埜瀬さん、今、振っちゃいましたから。」

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最終更新日  2024.06.01 05:19:12
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