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賀寿恵、小埜瀬に頭をペコリと。そしてにこやかに、
「ありがとうございます。」 そんな賀寿恵に小埜瀬もニコリと。 「いえ…。…どういたしまして。…って…。」 可笑しがりながら、 「どうして…、ありがとうございます…???」 僅かに両眉を上に。 賀寿恵、 「だって…、今、小埜瀬さん、私を見て、奇麗で素敵なのに。って。」 「あ~~。」 そして、 「実に奇麗で素敵です。」 「でも…。そんな…、奇麗で素敵な私を、小埜瀬さん、今、振っちゃいましたから。」 瞬間、小埜瀬、目を見開いて、 「えっ…???」 賀寿恵、口を真一文字にして、僅かに両肩をチョコンと。 「ショックでした。」 小埜瀬、賀寿恵のその声に思わず、 「ショック。」 眉間に皺を寄せて。 賀寿恵、ニッコリと、 「えぇ。ショックでした。」 そして、ワインを一口。そして周りを見て、 「私。」 今度は小埜瀬を見て、 「小埜瀬さんにお付き合いしてもらいたくって、お誘いしたんです。」 小埜瀬、いきなりビールをゴクリ。そして口を窄めて。目を丸く。 賀寿恵、僅かに顔を赤らませて、そして照れたように、 「…でも…。…やっぱり、ダメでした。おばさんからは、しっかり。…って言われて、背中を押されたんですけど…。」 「えっ…???」 小埜瀬、 「麗子さん…???」 賀寿恵、照れながらも、顔をコクリと。 「えぇ。」 小埜瀬、目をパチクリとさせて、 「…って…。それは…。…どうして…???」 賀寿恵、僅かに視線を下に。そして右手で髪を耳に。 「元々、おばさん、アトランタのホテルで偶然小埜瀬さんとバッタリ会って、あるインスピレーション、湧いたらしいんです。」 「インスピレーション。」 「面白い事になるかも…って。」 小埜瀬、また眉間に皺を。 「面白い事。」 「えぇ。」 「おばさん、あぁいう人ですから。咄嗟に、頭の中に閃きが湧くんです。…もしかしてって。…で、それが実に…、何故かは分からないんですけど、実に、ほぼ確立的に、その通りになるんです。…と、言うか、その為にはとにかく突進しますけど…。」 小埜瀬、 「うんうん。確かに。それはある。僕の時もそう。まっ。じゃあなければ、今の僕はいないんですけど…。」 賀寿恵、頷いて、 「えぇ。…で、アトランタのあのホテル。偶然にも小埜瀬さんに会って、すぐに私と小埜瀬さんを結ばせようと。」 すぐさま小埜瀬、 「わお。」 「だったら会社に入れちゃおうって。」 「何と。」 「それからは、じっくりと時間を掛けて。」 「な~~るほどね~~。」 「でも…。私自身…。まっ。今もそうですけど…。」 恥ずかしそうに賀寿恵、 「男性には…、全く…。」 舌をチロリと出して、 「子供の頃からそうなんです。中学の時もそうですけど…。空手で、男性からお付き合いって言われて…。…でも、友達がその男性の事…。私にはとてもとても…。まっ。その後は、女性ばかりの学校で…。その延長、延長で…、男性と一緒って言うのには…。中々…。」 小埜瀬、話を聞きながらに、 「そうでしたか~~。」 賀寿恵、小埜瀬を見て、 「えぇ。…で、つまりは…、自分をようやく、曝け出して…、こんな風に一緒に食事できるのって…。しかも…、プライベートで…。…小埜瀬さんが、初めてなんです。」 小埜瀬、数回頷いて。 「うんうん。分かりました。」 賀寿恵、途端に、 「へっ…???」 「あ、いえ。」 小埜瀬、思わず左手をヒラヒラと。 「僕の場合…。ここ、日本に来て、知り合い…。ん~~。友達って、まぁ…。結局のところ、会社の、トラディショナル事業部の人たちに限られます。まだ、期間も3か月程度。」 賀寿恵、瞬きしながらも、 「え、えぇ。」 「弓さんにも、素敵な人が、いますよ、きっと。」 賀寿恵、僅かに残念そうな顔をしても、笑顔が混じった顔で…、 「だと、いいんですけど…。」 店から出てふたり…、駅へと…。 賀寿恵とは、そこで別々のホームに。 そして…。 賀寿恵、麗子に電話。 スマホに麗子の声、 「えっ…???…駄目だったの…???…うそ。」 賀寿恵、 「えぇ。振られました。もぅ…、傍にいてくれる女性、いるようです。」 「あらまぁ~~。あの子ったら、いつの間に。」 小埜瀬は小埜瀬で、スマホに、 「Hey Robert.」 そして15分後…。 「あ、優維香さん。これから帰ります。」 優維香、 「あん。うん。弓さん、どうだったの…???…何だったの…???」 そして隆英、優維香にそのまま…。 「はぁ~~ぁあ…???」 ベッドの上で横になっていたのが体を起こして胡坐に。 「いやいやいや。分かりましたって、どうすんのよ。」 そして、 「うんうん。うんうんうん。…わお。」 賀寿恵、シャワーを浴びながら…。裸の体全身に熱いシャワーを…。 そして…、壁に体を…。そして…、俯いた顔。両手で覆いながら…。 …けれども、ふと…。頭の中で、 「…でも…。あの時、分かりました…って…。」 某レストランの前。 優維香、 「ふ~~ん~~。おかあさん、誰かと待ち合わせ…???」 好きになれない。 vol,275. 「奇麗で素敵な私を、小埜瀬さん、今、振っちゃいましたから。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.01 05:19:12
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