金沢ミステリ倶楽部

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6月例会『ウサギ料理は殺しの味』読書会

2024年06月01日 18時34分52秒 | 例会
6月15日(土)に県立図書館で6月例会『ウサギ料理は殺しの味』(ピエール・シニアック/藤田宜永訳)読書会を開催します。

レストランのメニューにウサギ料理が載ると若い女が殺される! 女占い師と彼女にほどこしを受けるホームレス、ウサギ料理が好きな男、金ではなく高級商店の新入荷品で上客を取る娼婦。絡み合う人間関係。ある日、「ウサギ料理をメニューに載せるな」という脅迫状がレストランに届く。この町に何が起きているのか? とてつもないブラック・ユーモアが横溢する仏ミステリの傑作。
(東京創元社HPより https://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488284022)

参加したい方はお知らせください。今回はZOOMでの参加も募集します。



第17回例会金沢ミステリ紀行&ミステリツアー

2024年05月31日 18時16分38秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第17回例会は2009年10月3日と4日に開催されました。戸川安宣氏をお迎えして県立図書館で開催された金沢ミステリ紀行+金沢ミステリツアーに参加しました。

10月3日( 土) 東京創元社相談役の戸川安宣氏による『金沢ミステリ紀行』が県立図書館で開 催されました。
金沢や能登などを舞台にしたミステリの紹介と戸川さんのコメントで進みました。
 まずは松本清張さん生誕百周年ということで、 『ゼロの焦点』戸川さんが連載された雑誌「宝石」の書影の印刷をご持参くださり、連載の話をされました。『ゼロの焦点』は休載も 含みながらだらだらと連載され、同時期に鮎川哲也さんの『黒い白鳥』はきっちりと連載されたそうで、両作品はなぜ か似た展開になったのがミステリファンの話題になったそうです。 また清張さんが多忙のため編集者が取材に行ったのですが、その写真が出ていて、時代を感じさせるものでした。『ゼ ロの焦点』は最後断崖で決着がつきますが、2時間サスペンスの原点だという話に納得の声と笑いが起きました。戸川 さんは取材旅行に行くこともあったそうですが、その時は作家と一緒に行ったとのことでした。
 『金沢殺人事件』… 内田康夫さんが『死者の木霊』を自費出版した時に戸川さんが書評で大きく取り上げてそれで注目を浴びたという因縁を話されました。内田さんはその書評のおかげだとよく書かれているけれど本は送られてきませ ん、と笑わせていました。
 『ユージニア』… 恩田陸さんが成巽閣の「群青書見の間」からインスピレーションを受けて書いたということで取り 上げました。文庫あとがきで「気持ちが悪い」と書いている「群青の間」を是非見てほしいです。 
兼六園は殺人現場によく使われていそうですが、意外と探すのがたいへんでした。 木谷恭介さんの『加賀金沢殺人事件』ではことじ灯籠の前で、津村秀介さんの『加賀兼六園の死線』では栄螺山で人が殺されています。 
泉鏡花の『義血侠血』では兼六園で盗難が描かれています。
『銀杏坂』松尾由美さんは金沢出身で、この作品で市民文学賞を受賞しました。この作品は香坂市を舞台にしてい ますが、兼六園のヤマトタケルの像が出てきます。その場面が泉鏡花の「凱旋祭」にも出てきます。また辰巳公園とい う兼六園らしき庭園が出てきますが、栄螺山という実名が使われ、そこは幽霊と対面するのにふさわしい場所だと書か れています。 
『金沢W坂の殺人』… W坂の4つの角で4人の大学生が同時に殺された、という信じられない設定の話。ちなみにW 坂は旧四高の生徒たちがつけた名前らしいです。 
『乱れからくり』… からくりづくしの本格ミステリ。大野弁吉について一章さいて書いています。 戸川さんから泡坂さんについて最近亡くなられたが、紋章師であり、ほとんど本職といっていいマジシャンでもあっ た。乱歩賞とかのパーティで人が集まっていると泡坂さんが手品をしていた。 
『死のある風景』… 内灘海岸で人が殺されていますが、主に作家ノートを取り上げました。 取材旅行で金沢へ来たが、宿で出されたジブ煮は偽物だったとか、編集者は内灘砂丘の夕日に感動していたが、自分 は鳥取砂丘で見たからそれほどではないとか、夜キャバレイとか行かないですぐ寝たとか書かれていて鮎川さんの人柄 が伺えました。戸川さんによれば鮎川さんは人が悪いとのことで別の本のあとがきでやはり編集者をおちょくって書い ていたとのことでした。 
『ボトルネック』… 米澤穂信さんは金大文学部出身なので金沢駅はもちろん、杜の里、浅野川などがこの作品には出 てきます。 
『追憶の夜』… 「がきデカ」で一世を風靡した山上たつひこさんが書いたハードボイルドミステリ。 金沢を舞台にしていて、県立図書館が登場します。駐車場が狭いことと、閲覧室内の雰囲気が良いことが書かれています。 

金沢ミステリ紀行の後、金沢ミステリツアーが始まりました。
本多の森公園から「美術の小径」をのぼり、 成巽閣に行きました。ウグイス張りの廊下やテ コの原理で作られた屋根などがありました。「群青の間」を見、金沢神社の金城霊沢で金沢の由来を知りました。
兼六園では根上松、ヤマトタケルの像、栄螺山、日本最古( と言われている) の噴水、ことじ灯籠、展望台ときちんとガイドしてくれました。ヤマトタケルの像の台が崩れない理由として蛇となめ くじと蛙の石が三すくみになっているのでということでした。
第2日目、10月4日( 日) も良い天気でまず天徳院に行きましたが、10時からからくり人形劇が始まります。その前の9時45分頃がとてもよい時間だそ うで住職から珠姫の話を聞いてからからくり人形劇を見ました。からくり人形劇は思ったより動きが少なかったのです が、住職の話を聞いていたので話はよくわかりました。天徳院の奥には巨大なカラス天狗と天狗とお稲荷さんの顔があ り、その巨大さにビックリしました。廊下の柱にもいくつか天狗の面があり、天狗の面をずらっと並べた斜め屋敷の部 屋はさぞかし気持ち悪かっただろうと思いました。
次に忍者寺こと妙立寺に行きましたが、ガイドさんがとても上手な女性で、 ところどころに落とし穴、隠し部屋、トリックがありツアーの皆さんは大喜びでした。 特に滑車には異常に反応を示していました。忍者寺で殺人事件が起きるという話で盛り上がりました。 
忍者寺を出てから、W坂を歩いて下りました。
金沢名物グリルオーツカのハントンライスを食べました。 これは本城英明さんの『金沢加賀友禅殺人事件』の中に出てきます。ハンガリーのハンに、マグロのトンで、白身の 魚のフライとエビのフライがオムライスの上にのっているものです。金沢で作られたと言われています。 普通でも多くて食べたらくっつりするので、少なめにしてもらいましたが、それでも食べたら皆さんしばらく動けな いようでした。
金石の道入寺には円山応挙が描いたと言われる飴買い幽霊の掛け軸があります。毎晩飴を買いに来る女性が墓地でい なくなるので調べたら新しい墓の中から赤ん坊の泣き声がして、幽霊が買ってきた飴を食べて生きていたという話です。 飴買い幽霊の絵はどこから見てもこちらを見ているようですが、怖いというより悲しいという感じです。
醤油の町大野のもろみ蔵で醤油アイスを食べました。まるでカラメルのアイスのようでおいしかったです。 
大野からくり記念館でお茶運び人形と逆立人形の実演を見ました。まさに『乱れからくり』です。その後各自記念館を見ました。入口に立方体が空に浮いていて横に動いた り、しゃがんだりすると動いて見えるものがありました。近づいていくとあっと驚く仕掛けでした。また回転して見え る絵もありました。中に入ると様々なからくり箱があって実際に触ることができました。そんな中、エレキテルがあり、 触るとビリッときました。

第16回例会『斜め屋敷の犯罪』読書会

2024年05月30日 18時11分15秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第16回例会は2009年9月23日で参加者は6名で、島田荘司さんの『斜め屋敷の犯罪』を合評しました。
Kさんが『占星術殺人事件』初版未開封サイン本を持ってきてみんなが驚いたところから始まりました。
また、Kさんは『斜め屋敷』の各種の出版(最初の講談社の新書版やハードカバー、文庫、全集など)された本を披露してくれました。形態が10種近くになることを考えると、『斜め屋敷』も島田先生の本格ミステリの傑作だということなんだと感じました。



第15回例会『秋期限定栗きんとん事件上』

2024年05月29日 18時05分07秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第15回例会は2009年8月22日で参加者は9名でした。
最近読んだ本は『黒いトランク』『ミレニアム3』『同期』『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、植草甚一再読中、『9の扉』、ドラマ「ルーキーズ」熱血教師、心優しいヤンキーたち、甲子園「夢にときめけ! 明日にきらめけ」ドラマも泣けましたが、映画の「卒業のシーン」にはボロボロと泣けました。
合評は、米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件上』創元推理文庫の終わり頃に挿入されている、日常ミステリを読みました。手掛かりがすべて提示されたところで一旦止めて、解答を推理。それぞれ微妙なところをつく推理が発表されました。



第14回例会ミステリ映画

2024年05月28日 18時00分25秒 | 例会
金沢ミステリ倶楽部の例会を振り返ります。

第14回例会は2009年7月18日で参加者は9名映画「オリエンタル探偵殺人事件」を観ました。
「ナイル殺人事件」等でポワロを演じた。ピーター・ユスチノフ主演のミステリ・コメディ。こんな機会がないとおそらく見ることもなかったという感想もあり、どこか懐かしい香りがして、おおむね好評でした。