僕はプロ野球、パ・リーグの、オリックス・バファローズファンだ。

 元々は、近鉄バファローズのファンだった。忘れもしない1988年、僕が小学6年生の時──いわゆる「10.19」という試合があった。

 当時のパ・リーグは森祇晶率いる西武ライオンズが圧倒的な強さを誇っており、暫定首位で先に全日程を終えていた。僅差でそれを追っていた仰木彬率いる近鉄は、ロッテオリオンズ相手に残すところ2試合、しかもダブルヘッダー。近鉄が優勝するためには、この2試合を両方とも「勝つ」必要があった。

 結果は、1試合目、かろうじて近鉄勝利。2試合目、両者一歩も譲らぬ熱戦の末、引き分け。終盤ロッテ有藤監督の抗議が長引き、試合時間が狭まる不運も重なった。

 異例の超満員となり、周辺のビルの屋上にまで野次馬が押し寄せたオンボロ川崎球場。その模様をテレビ朝日系列が、22時からのニュースステーション内でその日の報道をぶっ飛ばして中継し続けた。久米宏もいささか興奮していたな。

 ──今、何か特別な光景を目にしている。それまで野球なんて全く興味がなかったのに、ブラウン管に見入らざるをえなかった。大の男が、それも殊更むさ苦しい顔をした奴らが泣いていた。人生とはかくも残酷なものか。かようにドラマのごとき出来事が現実に起こりえるものなのか。その時僕は決心した。このチームを一生、応援していく。

 

 

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