余分なものを表す「余計」はもとは「余慶（よけい）」だったそうだ。「積善（せきぜん）の家に余慶あり」のそれで、こちらは善行を積めばそのおかげで子孫に吉事があるという意味である。やがて「慶」に「計」の字が当てられ、めでたい話でなくなった

▲「余慶」や「余徳」のように、「余」は本体が消えた後に残った部分が時をおいて何らかの効果を発揮するさまをも示す。それが吉事ならばいうことはないが、本体が途方もない惨禍であればその「余」もまがまがしい。震災の後の「余震」はその最たるものだろう

▲ネパールの震災の余震で新たな犠牲者が出たとの報に胸を痛めていたら、きのうは宮城県沖を震源とする地震で岩手県花巻（はなまき）市が震度５強の揺れに見舞われた。東日本大震災と同じプレート（岩板）の境界付近で起きていることから、気象庁は４年前の余震と見ている

▲４年もたつのに……と思うのは人情だが、震度５強の余震は今年２月にも起きている。余震の回数は減る傾向にはあるが、マグニチュード９・０という巨大本震の影響はなおも当分続くと思わねばならないようだ。震災の被災地にはなんともうらめしい「余」である

▲そればかりか昨秋の御嶽山（おんたけさん）噴火をはじめ列島各地の火山活動の活発化も巨大地震の影響という説が有力視されている。近年の世界各地の巨大地震では数年内に近隣の火山の噴火が起こり、両者の密接な関係がうかがえる。その通りならば、とんでもない「余」である

▲この震災の「余」は時には生業や暮らしを脅かす風評被害も生み出す。ここはリスクを正しくふまえた防災・減災対策を積み上げ、その余慶にあずかりたい。

ソース ： http://mainichi.jp/opinion/news/20150514k0000m070178000c.html　　　

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   つぶやき

　この「余禄」の執筆者はなんと博学な方だろうといつも感心している。　並みの読書家ではない。余計は常に余慶でありたい。　余震は厭ですね。　未だに東日本震災の余震が続いていると言う。　この大地震は本州全土に広がっている感じである。　

また台風 ７ 号 の影響で関東地方も風雨が強くなってきた。カミさんの今朝の話に昨夜は風が強く家がガタ・ガタと言っていたらしい。私は補聴器を外して寝るので全く分からない。時にはツンボも いいことがあるようだ。