アビスパのJ1昇格の戦いは続く | Purely Belter

アビスパのJ1昇格の戦いは続く

今日はJ2とJ3の最終節が各地で行われました。J3ではレノファ山口とFC町田ゼルビアの優勝争い、J2ではジュビロ磐田とアビスパ福岡の自動昇格争いが注目でした。

勝点79で並ぶ磐田とアビスパは、得失点差で磐田が有利。アビスパは奇跡を信じてFC岐阜のホーム、長良川競技場に乗り込みました。結果は1-4と快勝しましたが、磐田も大分トリニータに1-2で競り勝ったため順位の変動はなし。磐田が自動昇格となりました。


■同点に追いつかれるも圧巻のゴールラッシュ
アビスパはMF鈴木惇選手とFW金森健志選手を負傷で欠くものの、前節と同じベストメンバーを揃えて試合に臨みました。試合が動いたのは前半13分、MF末吉隼也選手の右サイドからのクロスをFW酒井宣福選手が折り返し、最後はキャプテンのMF城後寿選手が頭で押し込んでゴール。アビスパが先制しました。

早めに追加点を奪いたかったアビスパですが、その後は苦しい時間もありました。FWレオミネイロ選手の個人技に手を焼き、ヒヤリとする場面もありました。しかし、ここ4試合を完封しているアビスパDF陣が踏ん張り、ゴールを割らせませんでした。前半は0-1で終了。一方、同時刻キックオフの磐田と大分は両チームスコアレスで前半を終えました。このまま終了すれば、アビスパが逆転で自動昇格となります。

後半は立ち上がりから岐阜がペースを握りました。危ない場面こそ作らせませんでしたが、後半15分に一瞬の隙を突かれます。リスタートからMF風間宏矢選手がボールを受け、レオミネイロ選手へスルーパス。これを受けたレオミネイロ選手が冷静に流し込み、1-1となりました。そして、ちょうどこのタイミングで磐田が先制。アビスパとしては苦しい展開となってしまいました。

同点に追いつかれたアビスパでしたが、26分にウェリントン選手がゴールを決めて再びリードを奪うと、その2分後にはMF中村北斗選手のクロスを城後選手がヘッドで合わせて3点目。32分にはウェリントン選手が再びゴールを決め、1-4としました。6分間で3ゴールを奪ったアビスパは、攻撃的なカードを切ります。37分には中村(北)選手に代えてFW平井将生選手を入れ、5点目を目指しました。しかし、その後はゴールならず。試合は1-4で終了し、あとは磐田の結果を待つのみとなりました。

■磐田が劇的なゴールで自動昇格を勝ち取る
試合終了間際、大分が同点ゴールを決めます。途中出場のFWパウリーニョ選手が豪快なシュートを決め、これで1-1としました。このまま終了すれば、アビスパが自動昇格となります。

しかし、その直後、再び磐田がリード。左サイドからのクロスを、MF小林祐希選手がワントラップからシュート。これが決まり、1-2で磐田がリードを奪いました。5分のロスタイムも耐えた磐田が1-2で勝利。この結果、磐田が2位の座を死守し、J1自動昇格を決めました。

エースのFWジェイ・ボスロイド選手を強行出場させたものの、前半にゴールを奪えなかった磐田。しかし、最後の最後まで粘り強い戦いで自動昇格を決めました。アビスパファンとしては、同点のまま終わってほしかったですが、同点に追いつかれた後も諦めずに攻めた姿勢は見事でした。本当におめでとうございます。

■喜びも束の間、弱さを露呈した大分
大分の戦いは非常にお粗末でした。前半はチャンスがありながらも逃して無得点。試合終盤に同点ゴールを決めてアビスパのファンを一瞬期待させたものの、その直後に再び失望させてくれました。

2失点目の場面は、中央にDFの枚数は揃っていたものの、小林選手のトラップからのシュートに対応することが出来ませんでした。また、シュートは決して強いものではありませんでしたが、GK武田洋平選手は反応するのがやっと。J2の平均レベルのGKであればセーブすることが出来たと思いますが、残念ながら武田選手はそのレベルに達していませんでした。

前節の大宮アルディージャ戦でもそうですが、試合終盤での集中力の欠如が目立ちました。DFラインは相手の攻撃に対応できず、その後わずかな残り時間でロングボールを送るものの、前線では誰も競り勝てない。経営が苦しい大分ですが、限られた資金でリーグ戦を戦っているクラブは他にも多くあります。今季の大分は、とてもJ1を戦った経験があるクラブとは思えませんでした。

リーグ21位となった大分は、J2・J3入れ替え戦で町田と対戦することとなりました。町田は攻守にハードワークを怠らないチームです。リ・ハンジェ選手と森村昂太選手の両ボランチは、守備面ではDFをサポートし、攻撃面でも頻繁に顔を出します。J2残留のチャンスがある大分ですが、町田との対戦は非常に厳しいものになるでしょう。個人的には、一度J3に落ちるのもアリだと思いますが。

■アビスパのチャレンジはあと2試合続く…
惜しくも自動昇格を逃したアビスパですが、8連勝でリーグ戦を締めくくりました。開幕当初は厳しい戦いが続きましたが、井原正巳監督の下、チーム一丸となって戦いました。今季は関東での試合を観戦することが出来ましたが、日程を重ねるごとに強くなる姿がとても印象的でした。

アビスパが来季J1で戦うためには、昇格プレーオフを制覇することが必要です。準決勝の相手は6位のV・ファーレン長崎となりました。リーグ戦では2試合ともドローだったため、この試合も厳しい試合となるでしょう。しかし、ホームで戦うことが出来ますし、サポーターの後押しも期待できます。そして、決勝にコマを進めれば、セレッソ大阪(4位)vs愛媛FC(5位)の勝者と長居スタジアムで対戦します。

試合後の井原監督のインタビューで、「勝ったけれど、落ち込んでいる選手もいる」と話していました。しかし、戦いは終わったわけではありません。今のアビスパの強さなら、どこが相手でも勝利することが出来ると信じています。J1昇格を喜ぶ日が少し先になっただけ…そう思って残り2試合を全力で戦ってほしいです。


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