2016年に入り復調の兆しを見せるニューカッスル | Purely Belter

2016年に入り復調の兆しを見せるニューカッスル

ニューカッスル・ユナイテッドは今節、ホームでマンチェスター・ユナイテッドと対戦し3-3の引き分け。前半に2ゴールを許す展開となったものの、素晴らしい粘りで勝点1を獲得しました。順位は暫定18位のままですが、内容は上向きとなっております。


■Pavel is a Geordie

年末年始にかけて試合が行われたプレミアリーグですが、今月2日に行われたアウェーでのアーセナル戦は悲しい雰囲気の中行われました。先月29日に、嘗てニューカッスルのゴールマウスを守ったパベル・スルニチェクが死去。47歳の若さでした。

ケヴィン・キーガン監督時代にニューカッスルを最後尾から支え、リーグ2位に貢献。グレン・ローダー監督がチームを率いていた06/07シーズンにもチームに復帰し2試合に出場しました。また、チェコ代表としてはUEFAユーロ96でメンバー入りすると、大会後から正GKの座に。1997年のFIFAコンフェデレーションズカップ、ユーロ2000でも全試合に出場しました。現役引退後は、チェコの強豪スパルタ・プラハでGKコーチを務めていました。

スルニチェクは12月に自伝『Pavel is a Geordie』のプロモーションのためニューカッスルを訪れ、帰国後、20日にジョギングをしている最中に心停止となり、9日間の闘病の末亡くなりました。アーセナル戦の前には1分間の拍手が行われ、マンU戦のマッチデイ・プログラムの表紙にはスルニチェクの写真が掲載されました。非常にショッキングなニュースでしたが、スルニチェクは今後もファンの心の中で生き続けます。

■攻撃の形が見えた2試合
2日のアーセナル戦、そして今日のマンU戦は内容面で満足できるものでした。アーセナル戦はアウェーで1-0で敗れたものの、縦へのボールがしっかりと収まり、そこから攻撃を組み立てることが出来ました。また、マンU戦でも前線へのボールを基点に素早い攻撃をすることで3ゴールが生まれました。

これまでのニューカッスルは、縦へのボールが上手く収まらず、簡単に相手にボールが渡ってしまう展開が多くありました。DFがクリアしても相手にボールが渡り、再び守備に回る時間が続く…相手の波状攻撃を許してしまい、失点が重なりました。しかし、ここ2試合はFWアレクサンダル・ミトロヴィッチへボールが入り、そこからMFムサ・シッソコ、ジョルジニオ・ヴァイナルドゥム、アジョゼ・ペレスといったスピード溢れる選手が動き出して攻撃のリズムを作りました。

これまでは守備陣形が整う前に崩されて失点をしていましたが、縦へのボールが機能してからはDFラインが破られるシーンは少なくなっているように思えます。また、中盤のジャック・コルバック、シェイク・ティオテもボールをカットできるようになり、最終ラインの負担も軽減されました。リーグ戦では5試合勝利から遠ざかっていますが、調子は上向きと言ってよいでしょう。

■心強い新戦力の加入
マンU戦の前、ニューカッスルに2選手が加わりました。フランスのジロンダン・ボルドーからMFアンリ・セヴェ、スウォンジー・シティからMFジョンジョ・シェルヴィーが加入。共に契約期間は5年半となっております。

セネガル代表のセヴェは、ウィングが本職ながら、中央でもプレーすることが出来ます。シッソコやヴァイナルドゥムは、守備での貢献も求められるサイドよりも1.5列目でのプレーを期待したいところですし、中盤ではフルノン・アニータが怪我で離脱中、コルバックとティオテも怪我や累積警告の心配があるため、台所事情が苦しい。そんな中、セヴェの加入は大きなプラスとなります。

また、イングランド代表のシェルヴィーは激しいプレーとパンチのあるシュートが魅力の選手です。個人的には、嘗てニューカッスルでプレーしたリー・ボウヤーを連想します。中盤を忙しく動き回り、チャンスがあれば前線へ飛び出してゴールを狙います。今季はスワンズで14試合に出場して1ゴール。例年に比べてプレー時間が短い印象がありますが、その分ニューカッスルでは大暴れしてくれることでしょう。

既に頼もしい選手が加入しましたが、他にもトッテナム・ホットスパー所属のMFアンドロス・タウンセンド、チェルシー所属のFWロイク・レミーといった選手に加入の噂があります。いずれも素晴らしい選手ではありますが、新戦力獲得よりも現有戦力を維持させることが大切でしょう。ティオテが上海緑地申花足球倶楽部へ移籍するとの情報もありますが、ここ最近の守備面での貢献を考えると今後も不可欠な選手。残ってくれることを信じます。

■あとは勝点3を積み重ねるのみ

内容面で復調の兆しが見えますが、まだ降格圏に沈んでいることを忘れてはなりません。最下位のアストンヴィラも勝点を二桁に載せましたし、19位のAFCサンダーランドも2016年の初戦を白星で飾りました。残留を争うライバルも調子を上げているのです。

アーセナル、マンUという難敵との試合を終え、次節はホームでウェストハム・ユナイテッドと対戦します。暫定5位のウェストハムは、年末年始にかけてリーグ戦3連勝中。今節もAFCボーンマス相手に1-3と逆転勝利しました。今季よりチームを率いるスラヴェン・ビリッチ監督の下、攻守両面で安定している印象です。

相手の勢いを考えると、マンU戦よりも難しい試合となりそうです。しかし、ニューカッスルも攻守両面で向上しており、チーム状態は悪くありません。あとは勝点を積み重ねて順位を上げていくだけ。ここ2試合で見せたようなアグレッシブな姿勢を貫き、6試合ぶりの勝ち星を期待したいところです。


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