順天堂大学が筑波大学を破りアミノ杯制覇!!(その1) | Purely Belter

順天堂大学が筑波大学を破りアミノ杯制覇!!(その1)

「アミノバイタル」カップ2017 第6回関東大学サッカートーナメント大会も今日が最終日。昨日、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントに出場する7校が決まり、3位決定戦と決勝戦を残すのみとなりました。

昨日の準決勝に敗れた法政大学体育会サッカー部と神奈川大学体育会サッカー部が3位決定戦を、勝利した筑波大学蹴球部と順天堂大学蹴球部が決勝戦を戦いました。決勝へコマを進めた筑波大学と順天堂大学は、いずれも「アミノバイタル」カップ初制覇を目指します。


■2年ぶりの総理大臣杯出場を決めた法政大学

解説者としてもお馴染みの元日本代表MF水沼貴史さんや川勝良一さんを輩出した法政大学。2010年に関東大学サッカーリーグ2部へ降格しましたが、2015年から再び1部の舞台に返り咲いています。昨季は5位、今季も前期終了時点で5位とまずまずの成績です。

2013年から3年連続で「アミノバイタル」カップを勝ち上がり総理大臣杯出場を果たしていた法政大学ですが、昨年は1回戦敗退。今年は初戦から僅差のゲームを制し、2年ぶりの総理大臣杯出場を決めました。昨日行われた準決勝は、筑波大学相手に粘りを見せましたが、試合終盤にゴールを許し0-1で敗戦。3位決定戦を制し、関東第3代表として全国の舞台に臨みたいところです。

法政大学のスタメンは以下の通り。GKは吉田舜、DFは関口正大、鳥居俊、加藤威吹樹、川崎雅哉。MFは紺野和也、末木裕也、大西遼太郎、長谷川元希。FWはディサロ燦シルヴァーノと上田綺世の2トップとなりました。ベンチにはGK関口亮助、DF黒崎隼人、橋本陸、林遼大、MF土橋優樹、服部剛大、渡辺淳揮、FW青柳燎汰、平山駿が入りました。

法政大学は昨日の準決勝からスタメン全員を入れ替えて試合に臨みました。GK吉田選手は2015年の日本高校選抜のメンバー、末木選手は元U-18日本代表候補、長谷川選手は元U-16日本代表候補の選手です。長谷川選手は1年生ながらリーグ戦でも出場機会を得ています。

■神奈川大学は格上を下して9年ぶりの総理大臣杯出場
神奈川大学は2015年に降格以降、2部での戦いが続いています。昨季は3位と、あと一歩のところで1部復帰を逃しました。今季は前期終了時点で8位、喫した黒星は2つのみですが、引き分けが多く勝ち切れていない印象です。

近年はリーグ戦でも昇格や降格を繰り返すシーズンが続いていますが、決して弱いわけではありません。昨年は、天皇杯でJ2の町田ゼルビアを下し、J1のジュビロ磐田を苦しめました。町田戦は、粘り強い守備で町田の攻撃を封じ、後半にセットプレーで挙げたゴールを守っての勝利でした。今回の「アミノバイタル」カップでも3回戦までは無失点。昨日の準決勝では6失点を喫しましたが、堅い守備で勝利を掴んでいます。

神奈川大学のスタメンは以下の通り。GKは山川卓己、DFは岩浩平、白井達也、寺前光太、石渡旭。MFは野澤祐弥、河村知侑、金子大毅、鳥島佑紀。FWは定本佳樹と吉田蓮の2トップとなりました。ベンチにはGK坂口璃久、DF阿部航、小池雄大、後藤祐哉、MF鵜澤恵太、佐野達也、大塚一輝、長澤翔太、FW櫻井敬正が入りました。

神奈川大学も昨日からメンバーを大幅に変更。鳥島選手を除く10人が入れ替わりました。白井選手は2015年の日本高校選抜のメンバー、昨年は天皇杯でも活躍しました。金子選手は1年生で唯一のメンバー入り。昨年は船橋市立船橋高校でインターハイ制覇を経験しています。

■お互いの持ち味が出るも前半はスコアレス

立ち上がりは神奈川大学が積極的な攻撃を見せました。河村選手が左サイドからクロスを上げると、鳥島選手がヘッド。しかし、これはGK吉田選手が好セーブを見せました。左サイドで多くの選手が絡んでの素晴らしい攻撃でしたが、惜しくもゴールはなりませんでした。

14分には縦パスを受けた定本選手がシュートを狙いますが、わずかに枠外。神奈川大学は、中盤から前線へ、相手DFの裏を狙うボールを積極的に出していました。このシーンはこれが見事にハマりましたが、ゴールに結びつけることはできませんでした。

法政大学は35分過ぎからチャンスを迎えます。37分には関口選手のフィードを受けた植田選手が相手DFに競り勝って抜け出してシュートを狙うも枠外。その1分後には、関口選手のパスをディサロ選手が右サイドで受け、中へ折り返すと長谷川選手がミドルを狙いましたが、これも枠を捉えることはできませんでした。立て続けに関口選手を基点とする攻撃を許した神奈川大学は、この後、関口選手にボールが入った際は厳しくチェックに行き、縦へのボールを上手く封じていました。

前半ロスタイムにも両チームにチャンスがありましたがゴールには至らず。スコアレスでハーフタイムを迎えました。ゴールこそありませんでしたが、両チームともに持ち味が出た45分だったといえるでしょう。

■膠着状態が続くも…後半ロスタイムの一撃で神奈川大学が勝利

後半は両チームとも中盤での攻防が激しく、なかなかシュートシーンは訪れませんでした。法政大学は26分にコーナーキックから鳥居選手がヘッドで合わせる場面がありましたが、ゴールならず。一方の神奈川大学も縦にボールを入れるシーンはありましたが、シュートには至りませんでした。

45分を経過しても両チームにゴールは生まれず、延長戦突入かと思われたロスタイムに試合は動きます。ロスタイム5分が経過した頃、セットプレーの混戦から最後は野澤選手が押し込み、神奈川大学が先制ゴールを奪いました。結局これが決勝点となり、3位決定戦は神奈川大学が制しました。

これにより、関東第3代表は神奈川大学に決定しました。5試合のうち4試合で無失点。過密日程の中、素晴らしい戦いで3位に輝きました。一方敗れた法政大学は、関東第4代表として総理大臣杯に臨みます。

■法政大学はサイドからのクロスを上手く活かすことができず

法政大学は、2試合連続で1点に泣く試合となりました。1回戦から僅差のゲームをモノにしてベスト4まで勝ち進みましたが、準々決勝からの3試合は攻撃陣が不発となってしまいました。昨日の準決勝、そして今日の3位決定戦でも守備陣が奮闘していただけに、悔やまれる結果です。

今大会の準決勝と3位決定戦では、法政大学はサイドからの崩しを幾つか見せました。DFラインからサイドへのボールや、パスを繋いでサイドを突破するシーンもありました。しかし、残念だったのは、中の枚数が少なく、クロスボールがシュートになかなか結び付かなかった点です。連戦の疲れもあり、90分ピッチを走り回ることは難しかったでしょうが、もう少し攻撃に人数を割くことができれば、ネットを揺らすことができたでしょう。

最後の2試合は残念な結果でしたが、それでもベスト4は見事な成績です。守備陣の奮闘は見事でしたし、とりわけ吉田選手と関口選手のGKはいずれも素晴らしいパフォーマンスでした。吉田選手のキックは攻撃の基点となりますし、関口選手のセービング、コーチングはチームの助けになります。9月の総理大臣杯、後期リーグでも良いプレーを観ることができそうです。

■クーリングブレイクはクォーター制導入のヒントになるか!?
炎天下での試合だったこともあり、今日の試合では前後半の20分過ぎたあたりから、3分間のクーリングブレイクが設けられました。中学生の試合などでは以前から給水タイムはありましたし、プロの試合でも簡単な給水タイムが設けられるようになりました。しかし、この試合のクーリングブレイクは、審判・選手・スタッフが一度ロッカールームに戻ってのもので、しっかりと3分間与えられました。

ところで、今年1月、FIFAが新ルール改正案を発表し話題となりました。その中には、現在の前後半制からクォーター制への移行も含まれていました。4つの時間に区切ることはサッカーらしさが減り、今後も多くの議論がなされることでしょう。しかし、今回のように、前後半を維持しつつも、20分過ぎあたりに5分程度のクーリングブレイクを設けるという形で試合を4つに区切る形であれば、これまでのサッカーらしさを維持することも可能だと思います。

Jリーグの試合などでは積極的に簡単な給水タイムが設けられていますが、FIFAは、気温が32度を超えた場合に主審の裁量で設けられることとしています。しかし、最近のサッカーは選手に攻守両面でのハードワークが求められていますし、試合数も多くなっています。そのため、気温に関わらず、20分過ぎ辺りから5分程度のクーリングブレイクを導入することを義務付けることは、選手の負担軽減にも繋がりますし、導入しても良いのではないかと思います。

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法政大学は僅差のゲームをモノにして「アミノバイタル」カップでベスト4に入った!!