ロシアW杯の組み合わせが決定…日本代表は難敵揃いの組に!! | Purely Belter

ロシアW杯の組み合わせが決定…日本代表は難敵揃いの組に!!

いよいよ来年6月に開幕する「2018 FIFAワールドカップ・ロシア大会」。その組み合わせ抽選会がロシアの首都モスクワで行われました。6大会連続6回目の出場となる日本代表はグループHに入りました。2010年大会以来のベスト16入りなるか。今回のブログでは、対戦する3チームを紹介していきます。


■どこが勝ち進んでもおかしくない"難敵揃いのグループ"

日本代表と共にグループHに入ったのは、ポーランド代表(3大会ぶり8回目)、セネガル代表(4大会ぶり2回目)、コロンビア代表(2大会連続6回目)。いずれもW杯出場経験のあるチームです。このグループを一言で表現するならば、"難敵揃いのグループ"でしょう。

いずれも大会優勝候補とまでは言えませんが、ベスト16に進出する力を持ったチーム。他のグループA~Gは勝ち進むチームがある程度読めますが、グループHは本当に予想が難しいです。具体的な予想は大会が近づいてからにしますが、日本代表にもグループリーグを突破するチャンスは大いにあると思います。

おそらく、グループHに入った4チーム全ての国民が「このグループは勝ち進めるだろう」と思ったに違いありません。イラン国民はアジアの中でランキング1位になったことを後悔しているでしょうし、韓国国民も厳しいグループに入ったと思っているはずです。初出場に湧くパナマ国民もW杯のスゴさを肌で感じているはずです。そんな中、グループ分けで絶望感を感じなかったことは幸いなのでしょう。

■世界屈指のストライカー擁する"白い鷲"
3大会ぶりのW杯となるポーランド代表は、現在FIFAランク7位。予選では攻撃陣が爆発し、グループEを首位で突破して本戦出場を決めました。

ポーランド代表で最も有名な選手と言えば、バイエルン・ミュンヘンでゴールを量産するFWロベルト・レヴァンドフスキでしょう。ブンデスリーガで7シーズン連続二桁得点を記録しており、昨季は30ゴールを挙げて得点王に輝きました。頭でも足でもネットを揺らすことができ、エリア外からは強烈なミドルもあります。恵まれた体格を活かしたプレーは勿論ですが、足元の技術も非常に高い。まさに"万能型ストライカー"です。

世界屈指のエースストライカーに注目が集まりますが、他にも素晴らしい選手が揃っています。GKヴォイチェフ・シチェスニーは27歳ながら多くのビッグマッチでゴールマウスを守ってきましたし、DFカミル・グリクは、昨季ASモナコのフランス・リーグ1制覇に大きく貢献しました。MFグジェゴシュ・クリホヴィアクは中盤で攻守のバランスを取ることができる選手です。

昨年開催されたUEFAユーロ2016では、粘り強い戦いでベスト8まで進出しました。久々のW杯ですが、現在チームはピークを迎えているといえるでしょう。ポーランド代表の最高成績は1974年大会と1982年大会の3位。グループリーグで波に乗ることができれば、この成績に並ぶことも夢ではないと思います。

■セネガル代表は奇跡を起こした日韓大会以来のW杯
初出場で王者を撃破…2002年大会のセネガル代表は世界に旋風を巻き起こしました。FWエル=ハッジ・ディウフやアンリ・カマラをはじめ、爆発的なスピードを武器とする選手がピッチを走り回りました。あれから16年、セネガル代表がW杯の舞台に帰ってきました。率いるのは、2002年大会でキャプテンとしてピッチに立っていたアリウ・シセ監督です。

衝撃的な世界デビューを果たしたセネガル代表でしたが、その後は苦しい時代が続きました。デンバ・バやパピス・シセなど世界で活躍する選手はいましたが、チームとしては上手くまとまらず結果が出ませんでした。W杯予選では3大会連続で敗退。アフリカ王者を決めるアフリカ・ネーションズカップでも優勝争いに絡むことはありませんでした。

2015年1月にシセ監督が就任すると、チーム状態は徐々に上向きに。今年のアフリカ・ネーションズカップでは久々のベスト8入りを果たし、今大会の予選では南アフリカ代表らを抑えて本戦出場を決めました。メンバーの殆どはイングランドやフランスなどのリーグでプレー。その中でも、リヴァプールで活躍するFWサディオ・マネ、ビッグクラブから注目を集めるDFカリドゥ・クリバリは注目すべき選手です。

■2大会連続で日本と同組となったコロンビア代表
前回の2014年大会、日本代表の希望を打ち砕いたのはコロンビア代表でした。グループリーグ最終戦でGK川島詠嗣選手の守るゴールを4度破り、チームはベスト8までコマを進めました。大会得点王となったMFハメス・ロドリゲスはレアル・マドリードへと羽ばたきました。

ホセ・ぺケルマン監督は、2012年に就任して以降攻守に安定したチームを作ってきました。守備は大崩れせず、奪ってから素早い攻撃で相手ゴールを襲います。頻繁にサイドチェンジを繰り返しながらチャンスをうかがい、相手のセットプレーの際は前線にスピードのある選手を残してカウンターのチャンスを狙っています。

メンバーを見ても、各ポジションにクオリティの高い選手が揃っています。GKダビド・オスピナは鋭い反射神経でピンチを防ぐGKです。DFサンティアゴ・アリアスとMFファン・クアドラードの右サイドはスピードを活かして崩すことができ、J.ロドリゲスは中央やサイドにポジションを入れ替えてボールを受けます。前線にはラダメル・ファルカオやテオフィロ・グティエレスなど決定力のある選手がいます。

前回大会の主力の多くが残っている上、DFダビンソン・サンチェスやMFエドウィン・カルドナなど若い選手も育っています。昨年のリオ五輪で日本五輪代表とも対戦したMFジェフェルソン・レルマやFWミゲル・ボルハも代表に定着しつつあります。前回大会以上の好成績を残す可能性は十分にあると思います。

■日本代表にもチャンスはある…大切なのは相手を分析すること!!
紹介した3チームはいずれも力のあるチーム。しかし、日本代表も6大会連続でW杯に出場しており、実力面では決して引けを取らないと思います。

W杯前の日本の報道を見ていると、日本代表の調子ばかりをクローズアップし、対戦相手の分析が欠けている印象があります。2010年大会前は、親善試合で結果が出ない岡田武史監督を批判する報道が多く、中には岡田監督の人格批判をするニュースもありました。対戦相手についてはうわべだけの報道ばかりで、しっかりとした分析は殆どありませんでした。

当時対戦したカメルーン代表は内部のゴタゴタがあり、ピッチ上でもDF陣が集中を切らす場面が多くありました。また、守備が堅いと報じられていたデンマーク代表も直前の試合でセットプレーで簡単にシュートを許す場面やミスで失点を重ねる場面がありました。こうした点には注目せず、日本代表の不安材料ばかりが取り上げられていました。

サッカーは相手よりもゴールを多く奪えば勝てるスポーツです。いくら日本代表の調子が良くても、相手がそれ以上に調子が良ければ勝つことが難しい。また、いくら長所だと思っている点があっても、相手の力が上回っていれば、それは一転して弱点になってしまいます。サッカーでは相手を分析することがとても大切なのです。

今回対戦する3チームにも懸念材料はあります。セネガル代表などブラックアフリカのチームは、驚異的な身体能力がある反面、集中力が切れるシーンがあります。守備面ではボール・ウォッチャーになったり、DFラインがガタガタになり簡単に失点を許す場面もあります。また、コロンビア代表は、守護神オスピナとエースのJ.ロドリゲスは所属クラブで出場機会が少なく、試合勘に不安があります。いずれも代表には不可欠な選手ですから、彼らの調子次第では全く別のチームになるかもしれません。

年が明けてからはテストマッチや国際親善試合が増えるでしょうから、3チームの状態を確認することができます。日本代表の分析は勿論大切ですが、対戦相手の3チームについても同じくらい(或いはそれ以上に)深い分析を行って報道してほしいところです。

■突破の大きなカギを握る初戦の結果
日本代表は、初戦でコロンビア代表と、2戦目でセネガル代表と、そして最終戦でポーランド代表と対戦します。いずれも重要な試合ですが、特に初戦の出来がグループリーグ突破を大きく左右すると思います。

初戦で勝利したチームの多くは、グループリーグ突破を決めています。前回大会は初戦を制した11チームのうち8チームがグループリーグを突破しました。日本代表の過去の大会を振り返っても、初戦を落とした1998年大会、2006年大会、2014年大会はいずれもグループリーグで姿を消しています。こうしたデータを見ると、初戦で敗れることだけは絶対に避けたいところです。

初戦の相手はコロンビア代表。日本代表はラテンアメリカのチームを苦手としていますし、コロンビア代表とは前回大会での敗戦も記憶に新しい。そのため、できれば他の2チームと当たりたかった…というのが正直なところです。とはいえ、コロンビア代表も完全無欠のチームではありませんし、大会前に大きな弱点を露呈するかもしれません。日本代表としては、まず初戦に照準を合わせて大会に臨みたいところです。

日本代表を率いるヴァヒド・ハリルホジッチ監督は、W杯ベスト8を目標として掲げています。日本代表選手はヨーロッパの舞台で活躍していますし、その目標は決して遠くはないと思います。ですが、先のヨーロッパ遠征を見ても分かる通り、世界の強豪国との差はまだあります。大会まで半年余り…個人&チーム両面で世界との差を詰めていきたいですね。


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