いよいよ大詰め?TPP | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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TPP交渉がいよいよ大詰めに近付いてきた。まだ、決裂の可能性もあるがここにきて何度も延長しているということは、決着が近いと各国も考えているからだ。それにしても、TPPが突然浮上してからの経過をふり返ると、最初のころのあの騒ぎはいったい何だったのだろうか。

とにかくTPP亡国論を掲げた中野剛志氏の登場は衝撃的だった。彼が挙げた反対理由はなるほどと思われるものばかりだったし、何より民主党政権が国内での議論を全くせずに交渉参加を急いでいたことが大きな不安だったからすんなり入ってきた。

何でもアメリカの言いなりだとか、交渉の会合には一回しか参加できないとかいうのは本当かなあとは思った。しかし、賛成派の言うことは対中国の戦略として必要という抽象的なもので、具体的な数値メリットはほとんど示されなかったから、反対論の方に説得力を感じた。

いまから考えれば、通商交渉、それもこの様な幅広い分野での交渉で金額的なメリットを明言できるはずがない。それに外交的な価値はお金では測れない。
一方、デメリットというか不安材料は次々と提示された。例えば、次のようなものだ。

TPPに加盟すると
・加盟国の労働者の移動が基本的に自由化される
・アメリカの法律サービスが、一切の障壁なしで日本に流れ込んでくる
・世界金融危機の元凶となったアメリカの投資・金融サービスが日本に流れこんでくる

そして、後から交渉に参加する日本はほとんど意見を言う機会はなく、アメリカのグローバル企業の意向を受けたアメリカの交渉団の言いなりになるに違いないというのである。だから、安倍総理(菅政権当時は元首相)も当然反対だろうと思っていたが、実際にはちょっと微妙だった。

当時の安倍総理は「自分は自由貿易論者だが、交渉力のない民主党政権下での交渉参加には反対だ」と述べている。それだけなら「安倍政権が進める集団的自衛権は反対」の岡田代表と同じみたいだが、政権を取り戻した後の対応は党の方針にも自身の信条にも合致している。

2012年総選挙で安倍自民党が掲げたTPP交渉参加の判断基準は次のようなものだった。


TPPに関しては、政府が国民の知らないところで、交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さぬよう、わが党として判断基準を政府に示しています。
①政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
②自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
③国民皆保険制度を守る。
④食の安全安心の基準を守る。
⑤国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
⑥政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
(J - ファイル2012自民党総合政策集 http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/j_file2012.pdf )から


この段階の「政府」とは民主党政権だが、政権を取り戻した安倍政権は国民との約束である公約を守ることを求める決議、さらには国会での決議を踏まえて交渉参加を決断した。

ISD条項を過大に恐れているなど上記の公約もずいぶん中野式の反対論の影響を受けている。しかし、これが国会決議にまでなったことはその後の交渉にはずいぶん役に立ったのではないか。日本が絶対に譲れないことを明確にしたことは、交渉の戦略として正しかった。

結果的には中野氏の煽りで反対論が広がったことはよかったわけで、私もある時期には彼はそういう狙いで大げさに反対を煽っていると思っていた。その後のトンデモぶりからそれは考えすぎだとも思うが、彼の反対論が日本の交渉を後押ししたことは間違いないだろう。

それにしても、二元論に批判的なつもりの自分自身がずいぶん彼の二元論を信じ込んでいたものだと思う。実際のTPP交渉は実に細かい利害の突合せのようで、当時言われたように一度や二度の交渉でまとまるような簡単なものではない。

それを反対論は、様々なミクロ政策の集合である成長戦略に「新自由主義」というレッテルを貼るのと同じく、「アメリカのポチ」「グローバリズム」という言葉のイメージで否定してきた。自分自身がそれをほとんど鵜呑みにしてきたことも事実である。

反対論でもデメリットの金額は示されていなかったが、そんな矛盾には当時は目をつむっていた気がする。当時は無意識のうちに分かりやすい二元論に陥っていたのである。よく考えれば、通商交渉のような複雑な利害の絡む問題を素人が簡単に理解できるはずがない。

TPPの交渉に参加することが決まった時は大きな不安を感じたが、甘利大臣をはじめ日本の交渉陣はずいぶん頑張ってきた印象だ。ここまで交渉が大詰めに来ても、あの時反対の論陣を張った評論家や識者の声は少しも聞こえてこないこともそれを示している。

さて、いよいよ大詰めに来たTPP交渉だが、どんな形で決着するのか、あるいは、まだまだ紆余曲折があるのか。交渉陣の頑張りを見守りたい。

(以上)

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