財政出動と消費増税 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍総理が先日3人の経済学者と昼食を共にして懇談しているが、そのメンバーや話の内容が実に興味深い。首相周辺が話の内容をわざわざロイター通信に漏らしているということは、今後の経済運営に対する官邸の強い意志を示す狙いがありそうだ。

まずは、そのロイターの記事を。
尚、太字強調はブログ主による。

安倍首相が3経済学者と懇談、反緊縮財政や貧困対策など議論
[東京 27日 ロイター]
- 安倍晋三首相は26日正午、官邸で元日銀審議委員の中原伸之氏と共に専修大学の野口旭教授と、中央大学の浅田統一郎教授、早稲田大学の若田部昌澄教授と懇談した。経済政策運営で安倍首相がどのような識者を重視しているかという観点から注目されそうだ。

関係者によると、野口教授は、先進国は低成長が続くなかで金融緩和と財政出動を並行して継続する「ケインズ2.0」政策が必要との持論を説明。財政政策を緊縮的にしないことの重要性を強調した。浅田教授は、基礎的財政収支(プライマリーバランス)が均衡している状況で、名目成長率が国債金利を上回っていれば財政赤字は発散しないという「ドーマーの定理」などについて、若田部教授は貧困対策などについて話したという。

懇談は正午から午後1時過ぎまで。安倍政権がアベノミクスの第2段階として名目GDP600兆円との目標を掲げたことが、海外で物価目標政策に代わる名目成長率目標として注目されていることなども議論になったようだ。

(竹本能文 編集:内田慎一)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/27/abe-idJPKBN0TG0NU20151127


この短い記事の中に重要なポイントがいくつか入っている。おそらくこの懇談を企画したのは今井首席秘書官で、そこで話された内容を整理して漏らしたのも彼だろう。話の内容は人選の段階でほぼ決まっていたと思われる。

そして、実質ではなく名目GDPを目標値として掲げたことを強調し、ドーマーの定理について話し合い、金融緩和と財政出動を継続すること、特に財政政策を緊縮的にしないことを確認した。さらに、財政政策の対象となりそうな貧困対策についても話し合っている。

安倍総理は昨年の消費増税以降の景気足踏み状態から抜け出すには、第三の矢だけでは時間がかかりすぎると考えているのではないか。だから、財務省をはじめとする財成規律派に対して当面の財政より経済成長を優先する意志を示したのだ。

そして、一方ではこんなニュースが流れている。


軽減税率:「財源8000億円」官邸検討
毎日新聞 2015年11月28日 

 首相官邸は27日、2017年4月の消費増税と同時に導入する軽減税率の対象品目について、生鮮食品と加工食品(酒、外食、菓子、飲料は除く)とする調整に入った。必要とされる財源は8000億円規模になる。幅広い対象品目を確保するため、1兆3000億円の財源確保を求めてきた公明党も受け入れる見通しだ。しかし、自民党と財務省は対象を生鮮食品に限定し、財源の上限を4000億円と主張してきたため反発を強めており、調整は難航も予想される。
(以下略)


官邸は経済成長のための財政出動をより重視する姿勢を見せる一方で、軽減税率の対象を広げようとしている。これは、いつかは実行しなければならない消費増税を乗り切るために必要と考えているからだと思う。

たしかに消費税は問題点の多い税制であり、特にデフレマインドが残っている状態での増税がいかに景気に悪影響を及ぼすかは証明済みだ。だから、現状のような景気の状況で予定通りに10%とすることには反対だ。

とはいえ、自民党は麻生政権以来一貫して消費税を社会保障の財源とすることを訴え、最新の選挙でもリーマンショックのようなことがない限り予定通り引き上げると約束している。現実の問題としては、再延期はあっても凍結となると余程のことがないと難しい。

10%への税率引き上げは避けがたいが、そのためにGDP600兆円が遠のいては何にもならない。だから、軽減税率の対象を出来るだけ増やし、同時に低所得者への給付などの財政出動の規模も確保しようとしているのではないか。

官邸が来年の衆参同日選もちらつかせながら、それに抵抗する財務省や党内勢力と駆け引きをしているという話もある。だから我々国民はそれを後押しする意味でも、「消費税増税反対、むしろ5%に戻せ」と言い続けるべきなのである。

(以上)

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