「河野太郎」は「紅の傭兵」とは違う | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安定志向が極めて強かった今回の組閣で一番のサプライズは河野太郎外務大臣だ。しかもネットでは「『紅の傭兵』の息子がよりによって外務大臣か」とのネガティブな反応が目立っていた。しかし、その評価は実際の言動によりかなり変わってきている。


河野太郎外相、徴用工で韓国外相に直接抗議 8月上旬 訪韓招待も見送り対応見極めへ
産経 2017.8.25 05:00

 河野太郎外相が今月7日にフィリピン・マニラで韓国の康京和(カンギョンファ)外相と会談した際、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工に絡む韓国側の対応について抗議していたことが24日、分かった。その後も韓国側の改善は見られず、河野氏は今月下旬から韓国で開かれる国際会議への出席も見送る方針を固めた。会議への出席は韓国政府が招待していた。

 複数の日本政府関係者によると、河野氏は康氏との会談で自ら徴用工の問題に言及し「適切な対応」を求めた。ソウルでの「徴用工の像」設置の動きなどが念頭にあったとみられる。日本側は会談後、徴用工が議題に上ったことを明らかにしていなかった。


(以下略)
http://www.sankei.com/politics/news/170825/plt1708250005-n1.html


河野外相は就任直後から「日韓合意の遵守」を口にし、韓国に合意の履行を迫った。それならといまさらのように持ち出してきた徴用工にも、会議への招待を蹴るという実に明快な意思表示を行ったのである。

岸田外相時代には考えられないことだ。

また、財政再建派の河野氏が外相に就任するとODAを大きく削減するのではないかとの懸念があったが、それも杞憂だったようだ。


河野太郎外相「反対」だったのに…ODA予算増額へ 外務省の来年度予算概算要求案
産経 2017.8.24 21:43

 外務省の平成30年度予算の概算要求案で、政府開発援助(ODA)の総額が29年度当初予算比で554億円増加し、4897億円に上ることが24日、判明した。河野太郎外相は就任前、ODAの半減を訴えていたが、積極的平和主義を掲げる安倍晋三政権はODA予算を増額してきており、政府方針に沿った内容となった。

 河野氏は以前、自身のブログで「外務省の能力ではODA予算をこなしきれない」「ODA予算は大幅に減額しなければならない」と主張してきた。

 自民党行政改革推進本部長時には外務省の無駄を撲滅するとして、在外公館の人数を減らす定員4人の「ミニマムマイナス公館」の導入なども打ち出していた。しかし、就任後は「人数を必要なところに整備する必要がある」などとして持論を封印していた。

 概算要求案では「足腰予算」と名付けた人件費や出張旅費の拡充を打ち出したほか、職員の154人増や在ベラルーシ大使館新設も盛り込んだ。

 概算要求案の総額は7675億円で、29年度当初比で11%増となる。24日の自民党外交部会・外交再生戦略会議合同会議で了承された。

http://www.sankei.com/politics/news/170824/plt1708240021-n1.html


この記事の書き方ではODAに積極的な安倍総理や外務官僚に迎合して持論を曲げたようになっているが、それはちょっと違うと思う。
記事にあるブログでの主張とは、おそらく以下のものだろう。


消費税法案の裏側で(ごまめの歯ぎしり)より
2012.06.27

https://www.taro.org/2012/06/post_1224.php


中身の説明は省くが、この中で彼が問題にしているのは外務省の仕事のやり方だ。ODAの進捗や成果の把握が十分ではなく、ろくな実情調査もせずに債権放棄してしまうような今のようなやり方を続けるなら財政の無駄遣いだから改善すべきだと言っているのである。

しかも、この記事は鳩山、菅政権が目的がはっきりしないばら撒きをやっていた民主党政権時代に書いたものだ。ODAを外遊のお土産くらいにしか考えていないアホ政権とODAの役割を十分に理解している安倍政権を同列に論じるのはおかしい。

今回は、積極的平和主義を掲げ、途上国の自主的な成長を促すODAを重視する安倍政権の外相になったのである。これまでの援助の内容を見直し徹底的に無駄を削減することと、そのうえで効果的な援助を積極的に進めていくことに矛盾はない。

河野氏は第3次安倍内閣の国家公安委員会委員長、内閣府特命担当大臣(規制改革、防災、消費者及び食品安全)として、わずか10カ月ほどの短い期間、熊本地震の対応をはじめ多くの実績を残している。

具体的にどんな取り組みを進めていたのかどんな成果があったのか興味のある方は、下記の退任会見の記録をご覧いただきたい。


河野内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見要旨(速記版)
(平成28年8月3日(水)

https://www.taro.org/2016/08/%E9%80%80%E4%BB%BB%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B.php


成果を挙げ、様々な改革もこれからというときに退任となったのは無念だったと思う。安倍総理も変えたくなかったはずだが、党内の力学上そうはいかなかったのだろう。そういう配慮が結果的には反安倍勢力に材料を与えてしまったのだが・・・

それはともかく、河野氏の政治手法なのか性格なのか、とにかく目立つのが、これまでの慣習でなんとなくやってきたことに疑問を持ち、無駄を省いてその労力をやるべきことに回すという考え方だ。そして、なにより抽象論より現実を重視する。

そんなところがはっきり見えるのが「科研費のWord罫線問題」での行動である。
これは、氏が大臣を退任した少し後に科学研究費助成に関してツイートし、その申請書の様式がややこしすぎて研究者の時間を奪っているとの反響があったことが発端だ。




まとめはこちら→科研費のWord罫線問題に河野太郎議員が反応してくださった話
https://togetter.com/li/1039048


文科省が指定したワード形式のテンプレートが非常に使いづらく、研究者は申請書の作成に膨大な時間と労力がかかっていた。その訴えに河野氏が反応し、システム上できないとウソを言って先送りしようとした文科省を動かして改善させたのである。

この事例や退任会見で語られていることから分かるのは、彼がデータや事実関係を非常に大切にし、具体的な成果を挙げることを重視することだ。この事例は前大臣が取り上げるには細かすぎるとも言えるが、重要な外交案件でも手抜きの手法は同じようなものだ。

そういう河野氏から見れば、「最終的かつ不可逆的」な解決を確認し、国際的にも評価された日韓合意を見直すなどありえないことだろう。
まして、とっくの昔に解決している徴用工を問題視することなど論外なのだ。

物事をあいまいにしない彼のやり方は、あいまいな対応で慰安婦を問題にしてしまった父洋平氏とは対照的である。持って生まれた彼の性格なのか政治家として父親を反面教師にしているのか知らないが、「河野洋平の息子だからこうに違いない」は思い込みでしかない。

彼の原発政策、移民や財政への考え方など賛同できない部分もあるが、ウソや印象論を嫌い、事実を元に議論ができる人物だと思う。真面目に政策を考えてきた官僚の説明に耳を傾け、それが良ければ全力で実現を目指すタイプなのではないか。

ところで、2015年の組閣で彼を初めて大臣に抜擢した安倍総理は文芸春秋への寄稿で次のように述べている。


 もう一人、河野太郎行革担当大臣にも期待しています。自民党に対する一般的なイメージからはかけ離れた人かもしれませんが、そういう人物こそ、私は必要としています。既存の自民党の考え方に当てはまらない発想が、新たな時代を切り開いていける。彼にはその発想を実際にやってのける豪胆さもガッツもあると思います。

 これまで公務員制度改革や原発政策などで思い切った意見を発信し、党内で論争を巻き起こしてきた人物ではありますが、「暴れ馬」を置いた方が上手くいくこともよくあります。河野氏自身「おとなしい河野太郎なら、入閣の必要はない」と言っているようですから、期待に応えてくれると思います。

(文芸春秋 2015年12月号)より


また、菅官房長官も夕刊フジのインタビューで河野氏を次のように評している。


 「安倍首相は、河野氏を党行政改革本部長に起用して、その仕事ぶりを注視していた首相は、党で汗をかいている人かどうかを、よく見ている意見が異なるのは原発だけだ。首相は彼の突破力に期待している」
(菅官房長官インタビュー 「組閣」舞台裏を激白 河野太郎氏起用の真意 )より
2015.10.14
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20151014/plt1510141140003-n1.htm


安倍総理は。彼がその後、大臣として短い間に成果を挙げたことはもちろん分かっているし、退任後の活動もしっかり見てきたはずだ。その上で外務大臣という極めて重要な役割を託した。そして、その狙いはいまのところ当たっているのである。

事実より印象操作や感情で世論が動き政治がその影響を強く受けている現在、彼のような政治家は貴重な存在だ。
また、気になる憲法9条についても現実的な考え方を持っている。


憲法九条のこれから(ごまめの歯ぎしり)より
2017.06.23

https://www.taro.org/2017/06/%E6%86%B2%E6%B3%95%E4%B9%9D%E6%9D%A1%E3%81%AE%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89.php


安倍総理は今回の内閣を「仕事人内閣」と称したが、彼はその名にふさわしい活躍を見せ始めている。彼が将来総理を目指すとなるとハードルは高いと思うが、これからの政権運営に欠かせない人物になりつつあるのではないか。

(以上)

 

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