「たけちゃん教頭先生!こんな感じでええか~?」
「全然問題ないと思います!」
「ちょっと失敗してるねんけどなあ~~」
「僕ら素人には分かりません」
「はははっ」
校区に住まわれてる退職された元校長先生との会話です。
以前、来校された折、
「校長室の前の松、剪定してあげるわ!」
っておっしゃっていました。
(松の剪定って難しいのに、無理とちゃうん)
なんて思っていました。
ところが先日、急に軽トラックに「それらしい梯子」と下に敷くシート等を積んで来校されました。
「教頭先生!これから作業するで~~」
「校長先生は出張で不在ですけど」
「校長みたいな、いなくても作業は出来るから」
私の勤務する小学校には、ボランティアで来校して下さる方々がたくさんおられます。
・学校園の手伝い
・花壇の整備
・登下校の安全見守り
等々…
退職校長先生。。。
こちらが事務仕事をしていても気になります。
だから時々、作業されてる横へ行って話し相手をしに行きます。
退職されてますが元校長ですから、業者さんの工事のように放ったらかしには出来ません
「実家の兄が植木屋でな~学生の頃、よく手伝っててん」
「そ~なんですか松は難しい。ってよく言いますやん」
「そ~やけど、分かったら簡単やねん教頭先生にも教えてあげようか」
「はい!できるなら」
「はははっ」
笑い飛ばされました。
で、ほぼ1日かかって作業を終えて下さいました。
子どもの頃住んでた家には、植木屋さんが来られていました。
年に1度、秋に来られていたように記憶しています。
松に登って作業をして下さっていました。
周りを剪定して、最後の作業が松でした。
10時と3時に休憩をしておられるところで、遊んでしました。
切った枝の片付けもお手伝いしました。
その家の庭も住人がいなくなり、松は枯れてしまいました。。。
「ほな!教頭先生!帰るわ」
「ありがとうございました!」
ご自身が住んでいる校区の小学校を、大切に思って下さるのは嬉しいことです。有り難いことです。校区の皆さんのお陰様で、学校は成り立っているのかもしれません。
松の剪定……。
本職の方に来てもらうと、日当2万円前後です。
学校長が出張からお帰りになりました。
「校長先生。松~~剪定して下さりました電話一本、入れてもらってもいいですか?」
「ほんまやお礼の電話するわ」
お礼をどうするか、今は校長と2人で悩んでいます。
(ボランティアだからしなくてもいいんだろうけど、2人の気持ちが収まらないしね)