キャンプファイアーの『落とし』と呼んでいるスタンツがあります。キャンプファイアー終末の儀式前に、心と身体を落ち着かせる意味合いがあります。
「次は担任のM先生です。さんハイ!出ろ出ろ~~~」
担任が『鬼のパンツ』をしました。
それまで、応援の若い先生方が、
(これほどまでに踊るか~)
というほど、出し物で盛り上げてくれました。
踊り疲れているのに、まだ鬼のパンツでした。
(さあ、これでおとしやな)
と思ってたら、担任はその続きに話を始めました。
「実は皆さん、今日誕生日の友だちがいます」
「ちぃちゃんや」
友だちが言いました。
「当たりです」
誰からともなくHappyBirthdayを歌い始めました。
本人はその場に立って、はずかしそうにしていました。
歌い終わると担任が、
「今日お誕生日だった、ちいちゃん、来週から入院して手術をします」
と話し始めました。
以前から決まっていた日程なんだけど、子どもたちに話す機会を今日と考えていたようでした。
隣の県の病院に半年入院。
院内学級でお勉強。
命の危険のある手術ではない。
半年ぐらいで戻ってくる。
でも、そのお話を聞きながら、感性豊かな子がすすり泣きを始めました。
そのすすり泣きにつられてか、女子の殆どが泣き始めました。
男子も目を擦っていました。
みんなで
「手術、がんばりや~~」
と励ましました。
形式上の『落とし』は必要なくなりました。
キャンプファイアーが一つになりました。
子どもたちの気持ちも一つになりました。
「じゃあ、『あなたが夜明けをつげる子どもたち』を歌いましょう」
みんな精一杯、歌っていました。
ずっと歌い続けてくれている、私の大好きな歌です。
歌いながら、ウルウルとしてしまいました。
「営火長のお話を聞きます」
私も、すすり声になってしまいました。
営火長もちょっとすすり声で話されていました。
話も短めでした。
今まで何百回とキャンプファイアーをしたり、見たりしてきました。
でも、今回の感動と『落とし』は全く違ったものでした。
子どもたちの力に勇気と感動をもらいました。
最近のキャンプファイアーには、CDラジカセ、楽器、スマホのアプリ、その音声を拡大するやつ(名前を知らない)等々、使うことがあります。
でも、やっぱりキャンプファイアーの心は人と人との繋がりだよなあ。。。
なんて改めて確認できたキャンプファイアーだったのです