神さま紹介59 八家将 | SVITATO

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【 八家将 】
<道教>

「極卒」と呼ばれる下級神あるいは鬼の役職のひとつ。
地獄の警邏隊として、罪人の捕縛や拷問、悪鬼の退治などを行う。人数は諸説ある。

 

 


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今回は中国から発祥した道教から。




道教とひと口に言っても、

実際はキチンとした神学教義としての道教をはじめとして、


儒教、仏教などの既存の宗教、



動物崇拝や先祖崇拝などの土着宗教その他諸々が入り混じった

 


独自の宗教観の上に成り立っている信仰のようです。

 


 


特に今回紹介する八家将は、



神学において重要な位置づけに居る神様とかでは全然なく、

 


一般の人々の間で信仰を集めた神様になります。






八家将(北京語:パァチャーチャン、台湾語:パァカチョン)


陰界、つまりあの世の役職の名前です。




チームで活動し罪人を捕まえたり、鬼を退治したりするのが主な仕事です。

 

 

 

元々は清の時代の警官が神格化したもの、と言われていて、


簡単にいえば地獄の警邏隊であり、いわゆる「 極卒 」です。



(イメージ画像)

 



先ほどから、神様神様と書いていますが

 


極卒は地獄の鬼のようなものなので、


厳密にいうと八家将のメンバーを全員「 神様 」と扱っていいのか微妙なところですが…。




冥界に関係した偉い神様の部下、という扱いのようですが


詳しいポディションはイマイチ分かってません。

 

 

 



どうやら都市の守護神である城皇神(チャンファンシン)に仕えている


という説が一番波及しているようです。





八家将は「 八 」と名前についてますが、

 


別に必ずしも八人構成という訳では無く人数には諸説あり、




八、九人から、十人、十三人、十六、


多い所だと三十六人の構成という説もあります。

 


恐らく「沢山の」みたいな意味合いで「八」とついているだけだと思われます。



別名で什家将(北京語:シェンチャーチャン)とも言いますが、


名称によって微妙に構成員が変わるようですね。

 




今回はそんな八家将の代表的なキャラクターを紹介します。

 

 

 

什役(シェンイー)

別名は刑具爺(シィンチーイェ) 


刑具とはどうやら拷問具というような意味のようで、

 

 


その通称の通り、八家将の使用する三十六種類もの拷問道具を持ち歩いています。



チームのリーダー格であり、基本的には彼が八家将の陣頭指揮をとります。

 


前進・待機の号令をかけたり、チームの行動を把握したりがお仕事です。

 

 

 

甘将軍(カンチャンチン)&柳将軍(リュウチャンチン)

別名は甘爺(カンイェ)と柳爺(リュウイェ)。


「将軍」や「爺」はいわゆる称号で、甘さんと柳さんという名前です。

 

 

 


彼らは前四班(チェンスーパン)と呼ばれる四人の内の二人組で、

 

 


実動部隊として罪人を直接捕まえに来るという最重要な仕事を任されています。

 


四人でフォーメーションを組み、罪人を確実に捕縛します。怖い




彼らはまた、

 


日遊神(リーユーシン)と夜遊神(ヤーユーシン)ともいい、

 


昼と夜交代で人間の善悪を監視している凶神であるとも言われています。

 

 

 



甘将軍は陰と陽を表す赤と黒の顔でアシュラ男爵のような姿で

 


左手に扇、右手に執戒棍と呼ばれるおそらく罪人を折檻する棍棒のような道具を持っています。

 



柳将軍は白塗りの顔に黒いタコの足型の模様があり、甘将軍と同じ者を逆の手に持っています。

 


二人とも黒か青色の肩を出すタイプの服を着ています。

 

 

 

 

 

【 謝爺(シェイイェ)と范爺(ファンイェ) 】

別名は七爺(チーイェ)&八爺(パーイェ)



この二人も前四班のメンバーで

 


役割としては甘柳コンビとさほど差は無いようです



が、



実はこの二人組、台湾で絶大な人気を誇る神様です。


そもそも私が八家将に興味を持って記事を書き始めたのはこの二人の所為だったりします。





とはいえ彼らの話を一緒にするとちょっと長くなりそうなので、

 

 


この二人は別の記事に纏めたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

【 後四季(ホンスーチー) 】 


季節に対応した四人組の神様で、

 


捕まえた罪人である死者の尋問…というか拷問担当です。

 

 

春大神(チュンダシェン)は春に対応。

 


青の装備と花の桶を持ち、龍の鱗のついた顔をしています。


主に罪人に水をかけ、気を失わせないようにする役目です。

 

 

夏の夏大神(シャダシェン)は夏に対応。

 


紅の装備と火の鉢を持ち、虫または鳥の顔をしています。


主に罪人に火を押し付けて熱傷を負わせる役目です。

 

 

秋大神(チュダシェン)は秋に対応。

 


白の装備と金瓜鎚を持ち、虎の顔を持っています。


主に罪人を殴打する役目です

 

 

冬大神(ドンダシェン)は冬に対応。

 


黒の装備と毒蛇杖を持ち、亀の顔をしています。


主に罪人に毒蛇をけしかけて脅すのが役目です。





怖い





服装や外見の組み合わせは諸説あり、




春大神の頭が蓮の花だったり夏大神が魚顔だったり、


春と夏、秋と冬の顔が逆だったりと、

 


文献や信仰されている地域によって色々あるそうです。

 

 

 

【 文差(ワェンチャー)&武差(ウーチャー) 】

別名は陳将軍(チンチャンチン)&劉将軍(リュウチャンチン)。

 



上司である主神(城皇神)への伝令役とされています。



二人とも虎柄の服に白塗りにコウモリのような模様が入った顔をしていますが、


文差は尺、武差は旗を持った姿で表されます。

 



お祭りなんかで彼らの扮装をする際は、子供が演じることが多いそうです。

 

 

 

 

【 文判(ウェンパン)&武判(ウーパン) 】


文判と武判をセットで「 文武判官(ウェンウーパングァン) 」と呼びます。



前四班や後四季が実動部隊なら、彼らは比較的裏方担当です。

 



文判は生死帳簿の管理人であり、人間の善悪を調べ、寿命の長さの決定権を持っています。

 


帳簿に記録するための筆を常に持っています。




武判は八家将達が捕まえて来た罪人の護送を担当しています。

 


金間金隹というムチ?のような武器を持っています。






実はこの二人、主神(城皇神)の直属の部下であり、


八家将で一番高い地位に就いているそうです。



什役はあくまで実戦部隊のリーダーであって身分が一番高い訳じゃ無いんですね


地味にややこしい…。




しかし、実際には文武判官は八家将のなかでの役割があんまり無いので、


お祭りとかではハブられたりするそうです。





他にも何人か所属しているようですが、有名どころは概ねこれくらいですかね。



チームみんなキャラが立ってて面白いんですが

 


日本語の書籍やサイトでの紹介が少ないのが難点ですね…