灯台

　草原も森も静かだった。
　海の方角から接近してくる水族館にいる鸚鵡のような存在感が来るまでは。
　激しい衝撃、振動への耐久。期限と、定期的なメンテナンス･･。
　（ぼ ん やり と 見 え て く る 。）
　（黒 い 枠 の よ う に 見 え て く る ―――。）
　＞＞＞オオワシの巣の話を思い出す。

　暗澹たる雲の加減からその色彩が―――。
　『迷彩色』のようにも思われたが、
　＞＞＞誤認。
　くすんだ『銀』と『黄色』に塗り分けられている。
　それは僕に何故か『パリの通り、雨』（ギュスターヴ・カイユボット）を、
　―――不思議と連想させた。
　
　「揚　力　」「抵　抗　」「推　力　」「重　力　」　
　―――ヘリコプターに働いている四つの力。
　、、、、、、、、、、、、、、
　これらの大きさを変えることで、
　「上昇」「前進」「降下」「後進」
　そして･･･「ホバリング」を可能にする。
　―――作用反作用の法則。
　･･コレクティブ ・レバー。
　サイクリック ・スティック。
　ラダー ・ペダル。
　灌木をへし折りながら強引に進捗するブルドーザーのような音。
　四方八方から自動小銃や機関銃の乱射音が聞こえてくるような、乗り物。
　ハイ・ピッチになってゆく。

　脈搏、血圧、体 温 の 変 化
―――。
　位置、ピッチ/ロール姿勢などの慣性や位置情報をはじめとする、
　大量のフ-ラ-イ-ト･データを収集、解析し、
　計器パネルや飛行制御モニターなどに音響データやコックピット映像を表示する。
　***興味深い昆虫の標本を探すみたいに。
　
　、、、、、、、、、、、、
　上空にヘリが接近している。
　ヘリコプターが、鯨の子供でも見つけたような、建物に。
　音は際限なく大きくなって―――空 気 が 震 え る の を 皮 膚 の さ わ り と し て 感 じ ら れ る 。
　私設飛行場付近。
　（上空千フィート、五百フィートと高度は下がっていく。）
　眼と鼻の先でホバリングしているヘリコプター。
　スピードをおとしてゆるく旋回しはじめる。
　狭い操縦席の人影がはっきりと浮かんだ。
　そして飛行する巨大な物体の表情もはっきりと見えてきた。
　ヘリコプターはその大きな図体の横腹を見せて近づいてくる。
　―――新幹線を、電車を、想像する･･。
　空から一台のヘリコプターがゆうゆうと下りて来る、
　胴体の下からワイア・ロープをまっすぐに垂らしているみたいに、正確に。