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台所へ、ゆさぎ達、かもちゃん、いずうさ、美紅、真壁センパイ、 僕の順番で行く。 かすんでゆく、 はにかんでゆく朝の色。 モーニング・グローリー morning glory... 一応真壁センパイに、改めて、 さっきの楽しかったです、ありがとうございます、と言った。 、、、、、、 眼をまんまるにして、天然一番うなぎ・・・。 「美紅のおっぱい揉むの?」 、、、、 チゲエェ!!! それは違エエ! (日本語は確かに難しいところがある、確かに、それも楽しかったけど、) フツー、女の子に、胸揉んでるの楽しかった、とか言わない。 つーか、言わねえ!!! 言えねええ! 、、、、、 、、、、、、、、 チガイマス、あの踊りと歌の方。 眼を伏せて、思い出し笑いする、真壁センパイ。 、、、、、、、、、、 というところを見ると、やっぱり、 ゆさぎやかもちゃんやいずうさとワイワイ楽しんだ練習風景が想像された。 「魔王に電話したあとに、みんなで練習した。」 どうしてそんなことを本気でやるのかと思うけど、 それが、真壁センパイだったり、 ゆさぎ達、かもちゃん、いずうさ、なのだろう。 でも『人を楽しませようとする彼女』が、 もう『僕を必要としている』のかという気もふっとした。 古新聞や、カレンダーや、医者の予約表・・。 「魔王が拍手した瞬間、頑張ってよかったなと思った。」 そんな笑顔を見ていたら悪い考えは何処かへ吹き飛んでしまって、 朝だっていうのに、胸がジーンとした・・。 一秒ごとに押し出される窓の向こう側の弱々しい、けれど強い、 その動きに合わせて―――たくましく、乱暴な気持ちで、操縦席に座る一日。 「でも、今日は魔王のスペシャル・サンクス・デイだから。」 そう真壁センパイが言いながら台所へ入ると、 「さあ、センパイも食べてクダサイ。」と、カレンの声。 そして声の側溝にながれはじめる、よく見聞きした人物。 「美紅ちゃんには、わさびたっぷりのお寿司。」とおりえ。 ふっと見ると、椅子に座った美紅の前に、 『わさびてんこもり』で膨れ上がりすぎた『サーモンの握り』 >>>え、何その物体X? 緑いろのウチュージン? >>>君ねえ、ほうれん草は好きだよ。ポパイ? >>>え、それ、嫌がらせ? それとも大好物? >>>もちろん、後者だよ、嘘だけどね! ―――座り方が非常に立場をよくあらわしていて、 今頃になって、抜け駆けはよくないな、と彼女にも思われたかも知れない。 「おりえ君、これはさすがにひどすぎるよ。」 そう言ってから、 「それにお寿司にだって悪いと思うよ・・思わないけど、思うよ。」 、、、、、、 なんでこいつ、こんなにおりえに弱いんだろう、不思議だ。 おりえ、ニコニコして、 「もっと、美紅ちゃん、わさび増やす?」 ―――鬼である。 寿司セットのように皿にならべられた、 まぐろ、サーモン、はまち、あじ、マグロ、エビ、イカ、ネギトロ、 青ネギと半分にカットした大葉、玉子焼き、 そして、いくらの醤油漬け・・・。 、、、、、 豪華なものだ・・、どうして朝の食卓に―――。 「これ、真壁センパイが?」 、、、 なんか、―――『人間キャッシュカード』みたいな扱いをしたくない、 そんなの、お金持ってるからOKとかじゃないよ、 と思ってしまう、僕。 でもそうじゃなくて、彼女たちはまた、心の明るい連中で、 隠せない気持ちと、 伝わらない想いが、 変わらないものと変わってゆくものの狭間で、揺れている・・。 「違いマスよ、これはみんなのアルバイトのお金で。」とカレン。 、、 あー、と後頭部をぽりぽりする。 でもそれはまたそれで。 、、 クル、というか・・。 そんな『大事なお金』を、 『旅行以外の目的』で使わせて申し訳ないな、と思う。 「なんかすまないな。」 と、僕が言ったら、藤崎が笑って言った。 「でも、はじめのためだけじゃないよ、明日あたり、 旅行に行くお祝いも兼ねて、」 というか、もう明日に決まりましたか、と思う。 おりえが、言う。 「・・・・・・真壁センパイが夏休みの間中、 一緒に遊んでもらった魔王に何かお返しをしたいな、 と言い出したので、便乗した次第。」 「でも、わさびの便乗はいらないよね。」 と、この期に及んでも言う美紅。 「そんな美紅ちゃんに、わさび便乗。」 ネタのうえにわさびチューブでねりゅっ、と追加される、 もはや寿司じゃなくてワサビなシロモノ! 観念したのか、美紅、 (手で触れると頭が動く、・・南無三!) ラズベリーパンプキンシャムロック! あむっ、と口に放り込んで涙目になりながら、 んん―――っ、と悶絶する美紅。 でもそのあと、けほけほして、はい、お茶デスよ、カレン。 ごくごく飲んでから、 「・・・でも、私もそれなら呼んでほしかったな。」 「美紅ちゃん、疲れてると思えたから。」と、おりえ。 本音はもちろん、そうだったのだろう。 でも彼女たちは別に、無敵のリーダーシップを誇る美紅がいなくても、 それぞれ、自分の考えで動けるのだ。 今回は珍しいけれど、そういうのを示した一例。 「疲れてると思ったら、抜け駆けして、 センパイとよろしくしてマシタが。」 と、何故か毒い発言をするポイズン・カレン氏。 小悪魔モードで、さらに追い打ち。 「しかも、コアラのように胸を押し付けてマシタが。」 毒消し草を探せ美紅、と言ってあげたい気がした。 まあ、冗談だろ―――う・・。 (と、何故かこんな時、正直に言う、堂々とした二枚目の女性が一人・・) 、、、、、、、、、 、、、、、、 エナメル青い宝石に、ミツバチ農場・・。 「私も昨日、抜け駆けして、はじめと神社に行ったよ。」と藤崎。 、、、、、、、、、、、、、 それで、かたつむりみたいな手をする、おりえ。 「藤崎さんはいいんです。」とおりえ。 おりえの中で、藤崎はいいらしかった。でも、そこにいる、 真壁センパイや、おりえ、カレン、岬ちゃんも同意見だという気がした。 まあ確かに、僕が仮に女でも、『藤崎は何かいい』ような気がする。 (仁徳のなせるわざなのか―――やっぱりキャラなのか・・) 「でも、俺もアルバイトして、みんなに何かしたかったなあ。」 と、ボソリと言うと、 真壁センパイが、 「魔王はいつもよくしてくれてる。」と言った。 いや、そういうことじゃなくて。 それはそうかもしれないけど。 いや、そういうことじゃなくて―――。 でも美紅に言われて、こう、男として情けないというか、 こう真壁センパイと遊びまくっていただけの自分より、 (カメラの代金だよとか、それだって仕事に変わらないじゃないか、とかは別にして、) ・・・・もちろん、真壁センパイと遊ぶのが楽しいだけの僕は別として、 やっぱり、一生懸命働いていたみんなに気後れする。 意識する代償、それは、『浮ついてる』ということかも知れない、 今 日 を 生 き て ゆ く 僕 等 の 段 階 、 奇 妙 に 中 断 の 多 い 、 人 間 の 玄 関 。 「・・・貢がれる辛さ、知ってクダサイ。」と、カレンが冗談ごかして言った。 「でもみんなで、買い物に行って、あれしようこれしようと話してたら、 それもいい時間だったな。」と、おりえ。 、、、、、、、、、、 いつかの夢みたいな光・・。 カコフェニー 消える、不協和音・・。 くだらないひらめきのなかのおもいだしわらい・・。 それがあるから、行こうって言いたくなる前へずっと遠くまで、 行こうよ前その先にあるずっと遠くの何処かまで・・。 (素晴らしい朝の記憶の一ページ・・) 僕は夢を見てる、夢を見てる、夢を見てる・・。 暑くて、けだるくて、扇風機がまわっている部屋で・・。 ―――僕はいまここに、こうしていていいんだな、と思う。 ここが、『居場所』なんだな、と思う。 と、岬ちゃんが、言って、なんだか、涙が出そうになったな。 「篠塚センパイに喜んでほしかったから。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年02月19日 02時06分36秒
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