時々、我が家に遊びにくる俳優がいます。
名前をカゲエ君といいます。

彼は舞台俳優なので、タイ人でも知る人ぞ知る、という感じです。
でも彼の舞台に行ってみると、その筋の有名な方とかいらしているらしく(その筋の有名な方も存じ上げていないので、見ても私にはわかりません・・)その世界では有名なようです。
家に遊びに来ているときは、ネコと刺身好きのただの酔っ払いなのですが・・・。

彼の舞台では、彼独自の世界観が見られます。
セリフはなく、大道具や小道具もほとんどなく、セットされた舞台で照明や音を組み合わせ、そこで数人の俳優たちが演じます。
絵でいえば抽象画です。

先日、彼の舞台を見に行きました。
今回もセリフはなく、舞台上にはドラム缶と木箱があるだけ。
そして出演はカゲエ君ひとり。



ドラム缶をたたいたり、転がしたり、自分が転がったり。
一見、頭のおかしいホームレスがゴミ集積所で遊んでいるのかと思うような場面が続きますが(笑)、彼は1時間半の演技の中で何を伝えたかったのか。
舞台の後、カゲエ君とお客さんでディスカッションが行われるのです。



でも彼ははっきりと演技の答えを出しません。
彼の舞台がいつもわけが分からないのは、見た人それぞれに課題を投げかけているためなのです。
このわけわかんない演技で、あなたは何を考える?と。
自由に発想させるのです。



でも彼自身が持っているテーマとしては、いつも社会の今を映し出そうとしているようです。
たとえば最近の彼が興味を持っているのは「センサー」
社会の中でセンサーがどう使われていて、それがどう影響しているのか。
彼が言うセンサーとは、真実を見せないセンサーだったり、色を変えさせるものだったり、人々の考えをコントロールするものだったり、要するにそういうことを言っています。



彼の演技は評価されていますが、決して儲けません。
でももし儲けたらまた、次の舞台のために使ってしまいます。

本当の芸術家だなあ、と思うカゲエ君です。

次の舞台は10月30、31日と11月1日の3日間だそうです。
ご興味のある方は是非!
詳細はこちら⇒https://www.facebook.com/events/766796310049940/


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