時代はモータードライブだよ、ハニー。弾いたよ、という言い訳が立つ程度でわが屋敷に秘蔵するREBECCAの楽譜は全部制覇したで御座る。通して弾けるようになったら細かいところは適当で、直ぐに次の曲へ、という方式で御座るが、パンパンパンと今年のギター鍛錬の目標の半分は終わったで候。では覚えているかどうか、というとまったく自信が御座らん。拙者に記憶に関してお尋ね申すな、でよしなに。
さて。
エレクラは本来、というかその原初は音楽ユニットですし、今は片や穀潰し、片や日本死ね婦人、とまったくその片鱗も見えていませんが、一応音楽作ってます(笑)。ずっと以前に今に至る鬼畜な歴史を振り返ったときもありましたが、パソコンで何でも、という前にはでっかいシンセやレコーダーやビデオ・ザ・ワールドを取りそろえた、まさしく音楽スタジオ、的なところでアクセクしていたのね。
その頃に覚えたひとつのセオリーがあって、それは今まで秘密にしていたけど、結構参考になる方も多いと思うので、今更エレクラだけのとっておきっていうわけでもないし、というのでドヒャッと公開します。
それは、曲を元気に聞かせるには、スネアを大きく出せ、です。単純といえば単純ですが、案外効果大。
ただし、ここにひとつの盲点があり、スネアの音が聞こえても、それがしょぼかったら効果は台無し、逆に笑われる、これ諸刃の剣。上手く使うとボーカルが多少へなちょこでも、曲全体が締まって聞こえるし、上手くは聞こえないけど、CDみたい、という風には思ってもらえる。まぁ、最近はそうでもないけど。
ちなみに私がいちばん気に入っているドラムの音は、これ。
スネアの音だけで持っている曲、といっても過言ではない。エレクラ瓦解前の私のスキルの最頂点。これ以降、めんどくさがっているのもあって、ここまで音を詰めていない。ちなみにこれはSONARで製作しています。
私が最初に手にしたSONARはバージョンが2.1XLというヤツで、EDIROLのソフト音源がバンドルしてあった。それで、私が持っていたスタジオの音源が全部パソコンの中に入ってしまって驚いた(笑)。斯様に、今までつまみをグリグリ、ケーブルバチバチで繋いでいたものを、クリックでゴロゴロやるのにはなかなか慣れなくて、本当を云うと未だに慣れない。おそらくそれは、数値が出てくるせいではないか、と今回気がついたのだが、余計な情報が、惑わすというか先入観に囚われるというか。
それはさておき、次にバージョンアップしたのが4で、これは長く使い続けた。お金がなかったというのも大きいけど、一応そのバージョンで満足したし、後はハードの問題だったから、ソフト的にはもう十分だったのよ。
いちばん嬉しかったのが、Gateというソフトが付いてきたこと。今までCompressorは標準装備されていたけど、それだけでは物足りなかったのね。というのも、今までドラムの音は、必ずハードのコンプレッサーとEQを通して作っていたのね。これがそうで、私のfacebookのカバー写真にもしているほど、音作りの要。
コンプレッサーの標準的な機能は、過大入力を押さえ込んで音圧を上げる、というものだけど、要はスレッショルドを回して音の厚みを調節、リリースでアタック感を調節、という感じでグリグリやって、音を作るのね。作ると云っても大きな音色変化があるわけではなく、どちらかというとエンベロープ、つまり音の減衰を好みにする、というものなのね。
ただ、ドラムのようなアタック重視の音には案外このエンベロープ、という考え方が重要で、相反するようで実は非常に大切なものなのね。
私も感覚なんだけど、さっき云ったスレッショルドはスネアなら胴の太さとか、径を演出する。リリースは打面の皮の感じ。ほぼ毎回音源はひとつで、つまりエレクラの長い歴史で、スネアはほぼ一台しか使っていないようなもので、それを曲によって馴染む音というのを演出してやると、あたかも違うスネアを選んだような効果が出るのよ。
今のDAWは音作りというよりも、たくさんある音源から好きな音を選んでそのまま出せばちょうど好い、というスタイルに移行している。メーカーの違い、部屋の違い、反響の違いで差別化した膨大な音の中からひとつを選ぶ方式で、使いやすさはその選択方法にシフトしている。
私がドラム音源に関して注文を付けるとすれば、音色が豊富に欲しいのはシンバルの方で、それはかえって数が少ないまま、バラエティが乏しい。斯様に私はタムやスネアに関しては音作りするが、オーバートップ関係は部屋鳴りだけの処理で済ますことが多いのね。その辺メーカーも考え直して欲しいよ。
話が逸れたので元に戻すと、打面、胴の鳴り、と来たら後は響き。でも私の音作りはここが肝。
そこで登場するのがGateというソフト。ハードでもいちばん左端にあるツマミがそうで、コレは一定音量以下の音をすっぱり切ってしまう、という仕事をする。ドラムの音なら、ここで胴の響きそのものを調節する。スネアの短胴ならあまり長く響くことないので、かなり大きな音量ですぱっと切る。フロアタムのようなドーンと鳴るものは低めの設定で、何ならGateはOFFってしまう。斯様に、音の消えていく部分を調節できることで、ドラムの音作りは飛躍的にバラエティに富むことになるのね。
プラスして、特にタムなどには軽く色づけを行うのが、EQの仕事。上の画像はグラフィックイコライザーだけど、エレクラのハード時代には、タムなんかはMTRに付属のパラメトリックEQを多用していた。今でもソフトでは標準装備だし、例えばミキサーにはちゃんと着いている。
中音域というのはドラムの音源に関してはそのそれぞれのパーツのいちばん美味しいところが隠れている。それを、パラメトリックEQで引っ張り出してやるのね。具体的にはまず、ブーストかカットかいずれかを極限まで回す。そうやっておいてから音源をループさせて、Frequencyのツマミをグリグリやる。ブーストした場合はそこにいちばん美味しいところが顔を出すし、カットした場合は、痛い所が隠れて聞きやすくなるポイントが見つかる。
ちなみにこの方法を実践する場合は、必ずスピーカーやヘッドフォンの音量を絞っておくこと。音が鳴り始めてから聞きやすい音量に調節してやること。そうでないとスピーカーが壊れるか、最悪耳が壊れます。そうなっても私は一切責任持てませんので、自己責任でやってください。
結果、Frequencyのポイントによって、アタックの部分だったり、胴鳴りの部分だったりが聞こえてきますが、そこ!と思った部分が自分の音の好みである場合が多いので、そういう意味でもパラメトリックEQというのは使って面白い機材です。
最後に、ナチュラルな音が決まったのでそこに部屋鳴りを足してやります。いわゆる残響を添えてやるのです。もう一歩踏み込んで、ここで胴鳴りの処理もできます。例えばカッとか、カンとか、カーンなど、お好みで如何様にもできます。使うソフトは、Reverbで、プレートが好いと思います。トラックに直に繋いでやると、ちょうど良いです。
実際のドラムのレコーディングでは、ブースにセットを組んでそこでマイクを立てていきます。そうするとどうしてもマイクに狙った他の音も回り込んでいきます。それをRoomReverbで演出してやる。するとグッと生々しくなってきます。もちろん、打ち込みのやり方も重要になってきますが、ちゃんと音作りしてあげると、生々しさが全然違ってくるものなのね。
考えてみると、この音作りの方法は、実際のドラムのレコーディングの方法を踏襲していて、その時どんな音が鳴っているかを知ることで、自ずと打ち込み音源の音処理というのも分かってくるものです。私は幸いそういう機会に何度か立ち会っているし、長い間に幾らかスキルも持ち合わせているので、結局こういう形に落ち着いた、というところなのね。
それは元々私がドラマーである、というところからスタートしているおかげで、ならば打ち込みも、ドラマーである過去が活かせられればな、と思わなくもないですけど、それがなかなか上手くいかないのね(笑)。いろいろ方法は考えてはいますけど、やっぱりただの家、ではなかなかね。他から苦情が来るというより、自分の性かな。長く生ドラムも叩いていないし。
随分マニアックな話に終始した今日ですが、しかし、その話を覆すように、長いブランクを感じさせるイケてない音を纏った新作は、ブログでは明日公開です。お楽しみに。
なんてね、読書が進まないよ、って云ってみました。いよいよ本を読み出すと眠くなる癖が極まって参りまして、気がつくと眠気防止に立って本を読んでいるのね(笑)。何が悲しくて、家の中で立ち読みしなきゃいけないのよ、と思いつつも、これがもっと面白い本だったら眠気も吹き飛ぶだろうに、と戦争関係の学術書を読んでいる、ってコトで。
それでは今日はこの辺で、ごきげんよう。