ドロシーと祖母と水兵たち ★★★☆☆
入港した艦隊を見に出かけた若い娘たち。祖母と母は彼女らに「水兵たちには近づかないように」と強く釘をさし・・・という話。
この物語の時代では、港に寄った水兵たちが地元の女と一夜の火遊びを楽しむ・・・なんてこともよくあっただろうということで、母や祖母たちが水兵を異常に警戒する気持ちもわからないわけではない。しかし、何をされたわけでもない、また何もする気もないだろう水兵たちを必要以上にビクビクと恐れることの滑稽さをこの物語は描いている。
そういうところで後味悪いな、と。
対話 ★★★☆☆
精神科医とある婦人との会話。
夫と新聞のいきさつはちょっとおもしろかったけど、なんかいまいち話のツボがよくわからない作品だったな。
周囲がなんだか難しい言葉を使って会話してくることに、自分と世間との剥離を感じている、途方にくれているといった感じの内容なのだろうか。
伝統あるりっぱな事務所 ★★★☆☆
これもいまいち話のツボがよくわからない・・・。
それぞれの息子が友人同士の間柄で、お互いのことは息子からの手紙でしか知らない母親たちの会話です。
ていうか、チャールズはチャールズ ( 同名 ) っていう人の事務所に入る予定なのか。このチャールズは「チャールズ」に出てきたチャールズとは何か関係あるのだろうか?
ちょっとややこしいな。
人形と腹話術師 ★★★★☆
最後、そっちかーい!ってなった。(笑)
沈黙からの首直してやるところが笑えるわ。
ていうか、これテーブルでの娘と腹話術師の会話も、芸の延長っていうかパフォーマンスとしてやってるのかなと思ったんだけど。
曖昧の七つの型 ★★★★★
これ、二通りの解釈ができるかな。
ひとつは、ちょっとひねくれた読み方をして、少年がさくらで、男の前でわざと店主と本について会話することで男の興味を搔き立て、高価な本を買わせた。
もうひとつは、そのまま素直に読んで、男は自分に親切にしてくれた少年が欲しがっていた本を買ってしまった。
どっちも後味悪いけど、たぶんこの作品的には後者が正解なのかなぁ。
でも、この男もまじめでピュアそうで、実は悪い人ではなさそうなんだよね。だから後者の場合の後味悪さが引き立つんだけど。
本好きとしてはなんか「ああ~」ってなる感じの、よくわかる気がするモヤモヤ感で好きですね。