田園酔狂曲

テレ朝の人気ドラマ　“科捜研の女” ２００回記念。
『　火の気の無い所から出火！　』　が見出し。
それと、つい最近、“福岡で起きたうどん屋の謎の出火事件”（実話）から、
ヒゲのシナリオが湧き上がるので御座います。
毎度の懲りないヒゲ作を、お笑いください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
人気うどん店で火事が起き、現場で遺体が見つかった。
例によって、榊マリコら科捜研のメンバーが呼ばれた。
しかし、出火原因が分からない。
火の気の無い所だからです。
当然、放火犯の可能性があり、近所の防犯カメラがチェックされた。
が、怪しい人物は見当たらなかった。
　　　　　　　　　　　　　　　　
困り果てたマリコと土門警部たちは、気分転換にと天ぷら屋を訪れた。
田園のカウンターで、ひとしきり酒と天ぷらを堪能している時でした。
普通（？）、江戸前の天ぷら屋では、油鍋にはドーム型の覆いがあり、
揚げる過程をのぞき見ることは出来ません。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
しかし、この田園のカウンターには、申し訳程度の高さのガラスが在るだけです。
だから、天ぷらネタも揚げてるプロセスも、みんな丸見えで楽しめます。

最後の天ぷらが終了して、カウンターの浪ちゃんが天かすをすくっていました。
ヒゲが、浪ちゃんに注意を促します。
「　浪ヤン！　今日は天かすが多いから、水を掛けて殺してから、ホカしてね。　」
捜査一課の土門の耳は、そんなヒゲのセリフ（殺す！）を、聞き逃すことは無かった。
「　マスター！　今言った『水を掛けて殺してホカす。』　聞き捨てならぬ言葉だが？　」
土門の脳裏には、　“死体遺棄？”　の言葉がよぎる。
その時、マリコの目が光った。
「　分かったワ！　土門さん！！　放火犯の正体が。
　　あのうどん屋の人気メニューは、タヌキうどんよ。
　　天かすを、沢山必要とするでしょう。
　　天かすは、揚げた後は１６０度になるの。
　　それが大量に集まると温度が下がらず、自然発火する可能性が高くなるわ。
　　つまり、たまたま沢山残った天かすから自然発火したのよ。
　　だから、この田園では、水を掛けて天かすの温度を下げて棄ててるのね。
　　そうでしょう？　マスター！　」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「　ハイ、その通りです。
　　我々の時代には常識だったのですが　・・・　。
　　最近は人手不足だから、バイトさんが多くて、なかなかそんな当たり前を
　　伝達する余裕がなくなりましたモンね～。　」
　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　
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