池袋囲碁サロン | 碁会所探偵シホ&クニ

碁会所探偵シホ&クニ

初段を目指すシホ&クニです。
碁会所で打つのが大好きな私たちが,
お世話になっている碁会所、
初めて行ってみた碁会所をご紹介します。

今回紹介する「池袋囲碁サロン」。

まずはこの写真を見てください。





どうです?

碁会所とは思えないでしょう?





木製の大きなドアを開けて店内に入ると、

そこに広がるのは、壁、床の木目、

すべて白を基調に統一された

美しく清潔感のある室内。



ドレープたっぷりのレースのカーテン。

ガレ風のランプ。









そして壁や窓には、繊細な手描きの花模様。

その中心にはアルフォンス・ミュシャの絵が飾られています。









シホ「えーとこれって、ロココだっけ?」

クニ「そうそう、ロココ調ってやつじゃない?」


いいえ、正解はアールヌーヴォー様式ですね。



今まで取材してきた碁会所の中で

もっともお洒落な店だといって過言ではないでしょう。




実はこの「池袋囲碁サロン」。

今年の11月1日にオープンしたばかり。


その直前まで、サロンはサロンでも

「ネイルサロン」でした。



居抜きで引き継いだため

このような碁会所が誕生したというわけ。


壁際にさりげなく置かれた

ライティングビューローや飾り棚、

アンティーク風のロッカーもステキです。










いっそ、女性専用の囲碁サロンなんてのもいいのでは?
などと勝手に妄想したくなりますね。






ありがたいのはトイレがきれいなこと。


大きな鏡もあって、

碁会所のトイレで苦労することの多い女性には

うれしい限りです。





さてさて、

そんな碁会所ですから、

席亭はもしかして上品なマダム?


なんて、これまた妄想しそうですが、

出迎えてくれたのはジェントルな男性の

菅原光生さん(71)でした。





菅原さんとお手伝いの小河原さん




ここからは第2章と言いましょうか、

菅原さんのお話を伺って、

アールヌーヴォーとはまったく違う

この碁会所のあり方を知ることになります。



菅原さんは、昨年閉店した池袋の碁会所

「富士」の常連でした。


店を閉めるときに

オーナーから引き継がないかと声をかけられ

そのつもりで物件を探していたのですが、

なかなかいいところが見つかりません。



そうこうしているうちに、

「富士」の常連さんは、ほかの碁会所に流れ、

集まっていたグループも解散してしまいます。


これはいよいよ何とかしなければと思っていたところ

今の店が空くという情報を受け、

駅から近く、

広さなどの条件もぴったりだったことから

すぐに契約をしたのです。



池袋には

閉店した「富士」以外にも

碁会所が3軒あり、

「碁会所激戦区」になっています。


「サンシャイン囲碁サロン」

「石心」

「西池袋囲碁サロン」


どこの店も長く続いているのは、

それぞれ碁会所の個性が違うからかもしれません。


そんな中でオープンした「池袋囲碁サロン」。


まだひと月ということもあり、

お客さんは「ぼちぼち」というところ。







でも菅原さんは慌てていません。


「もともと、ここで儲けようとは思っていないんですよ」


もちろん赤字では困りますが、

商売としてよりも

囲碁普及、

いやもっと大きく

文化交流の拠点としての役割を果たせたら…


そんな思いを持っているからです。



というのも、実は菅原さん、

池袋ではちょっと名の知れた(?)

「七つの顔を持つ男」(大袈裟かな)だったのです。



菅原さんの本業は、

雑誌や書籍の企画を請け負う編集プロダクションの社長さん。


早稲田大学を卒業後、

一旦は商社に勤めますが、30代で独立。

出版業界に飛び込みます。


そして、サンシャインシティのすぐそばに事務所を構え、

ここから「豊島区」との長い付き合いがスタートするのです。


池袋を中心に人でにぎわうイメージの豊島区ですが、

財政的には厳しく、

悪化率ワースト1という不名誉も経験しているのだそう。


この状況を何とかしなけれなと立ち上がったのが

豊島区長の高野之夫さん。



豊島区を

「芸術」と「文化」のまちとして再生させようと

施設づくりやイベントの実行に

取り組み始めます。



このプロジェクトの一環として発足したのが

「豊島芸術文化振興会」。



菅原さんはこの会の会長を務めています。



会では、

音楽や美術など、様々な文化活動を支援しており、

その中に囲碁・将棋も含まれているのです。



そして、6年前に始まったのが、

「豊島区民囲碁大会」。


「としま未来文化財団」との協賛で

毎年10月に開催しています。



これがまた、

たかが区民大会と侮れない盛況ぶり。



地元のマスコミや教育委員会、産業協会など

様々な分野を応援団に巻き込んで、

参加者100名を超える一大イベントに

成長させたのです。



区民大会はクラス分けもユニークで、


「小学生の部」

「棋学位の部」(5~9級)

「棋楽位の部」(1~4級)

「棋道位の部」(初段)

「棋王位の部」(2~3段)

「棋聖位の部」(4~5段)

「本因坊戦」(無差別)


と細かく分かれています。

ネーミング、洒落ていますよね。


優勝者は9人の団体で

東京23区対抗の囲碁大会に参加します。

4年前の第1回大会では、見事優勝したといいますから、

豊島区、本気ですね。



このほかにも

目白で開催された「囲碁フェスティバル」と

交流を持ったり、


「子供囲碁教室運営委員会」を立ち上げ、

学校の教室で囲碁を教えたり。


菅原さんの精力的すぎる活動は

とどまるところを知りません。


そんなベースがあって、

碁会所のあり方についても、

常連さんが来て、打って楽しめる場所。

というだけでなく、

活動の拠点として機能させることができたら


という思いを持っているのです。


とくに、

囲碁がこのまま廃れてしまわないためにも

「子供の囲碁人口を増やしたい」

という思いは強いそう。


碁会所で

春休みの短期子供囲碁教室を

開催できたらいいなと考えています。



碁会所のあり方について、

また、新しい発想を持つ方に出会ったな。


そう感じる取材になりました。


アールヌーヴォーなインテリアからは想像できない

骨太な碁会所が、

また1軒オープンしましたよ!






店についても

少しご紹介しておきましょう。


ゆったリと配置された碁盤は20面。




テーブルとイスは、菅原さんが用意したものですが、

この椅子がまた

可愛らしくてセンスがいいのです。

(アールヌーヴォーではありませんが)。


テレビを見ながら

くつろげるスペースもあり、

居心地は抜群。





コーヒーは100円です。






          byクニ



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池袋囲碁サロン


住所   豊島区南池袋2-23-4

      富沢ビル3階

      (池袋東口より徒歩2分)


電話   03‐3984-9235


料金   一般1000円 女性900円

      学生(高校生以下)700円


営業時間 月曜~土曜 12時~20時30分

       日曜・祝日  12時~20時