ミネルヴァのフクロウはたそがれに飛び立つ | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

フクロウに宛てられる漢字は「梟」だが、
目を真ん丸にして、木の枝に止まっている姿は何とも愛嬌がある。
何とも幸せそうに見えるところから、漢字として「福郎」と宛てる場合もある。
もの静かに考え事をしているように見え、「森の哲学者」という異名を持つ。
また「ミネルヴァのフクロウ」と呼ばれるものがある。
ミネルヴァは、古代ローマの守護神。工芸、学問、知恵の女神とされる。
古代ローマの神と古代ギリシャの神々は互いに似たところがある。
ミネルヴァの使いとなるのがフクロウ。そして、女神アテネの聖鳥とされる。
アクロポリスの神殿のある丘には、フクロウがたくさん棲んでいて、
神殿を守る聖なる鳥とされる。

フクロウは、ボ~っとしているようだが、実は、夜行性で肉食獣。
深夜に羽音をたてずに飛び立ち、獲物を襲う。
この羽の動きの静粛性は、比類がないほど、とされる。
「エヴァンゲリオン新幹線」に改造され、今でも人気の500系新幹線の
パンタグラフは、このフクロウの羽の構造を真似た形状となっている。
静粛性を追求すると、フクロウとなったようだ。

「ミネルヴァのフクロウは、迫り来る黄昏に飛び立つ」という言葉がある。
これは、ドイツの哲学者ヘーゲルが著した『法の哲学』の序文に出てくる言葉。
この意味は「フクロウが、夕方になってはじめて行動を起こすように、
哲学は現実が成熟し、その上で知的理解ができてくるもの」ということらしい。
要は、哲学は現実の理解に力点が置かれ、理解も形が見えてきてから
やっとなされるワザ、ということを表わした言葉。
そして、このヘーゲルの弟子に当たるのが『資本論』を書いたカール・マルクス。
彼の言葉に、「哲学というものは、世界を理解しようとするためのもの。
世界を変えるものではない」とある。
彼が望む哲学は、理解することではなく、まさに「世界を変える」もの。
かつては、彼の掲げた理論で「世界が変わる」と、
これを信奉したのが、共産主義国家だったが、
これに舵を切ったロシアや中国は、今や、その後遺症に苦しんでいるとも言える。
また、今日的問題としては、イギリスのEU 離脱問題。
「世界を変えよう」と、つっ走ったと見える行動に世界は驚いている。
逆に、つっ走ていたのは、イギリスではなく、これまでのEUだったかも知れない。

つっ走るばかりではなく「迫り来る黄昏に飛び立つ」如く、
ここは、よ~く考えて、
今一度、ミネルヴァの知恵を働かすのが良さそうだ...


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<了>