人の言葉のウラには変なものが漂っている? | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

最近のアンケート調査によると、子供の将来なりたいものとして
「学者・博士」がトップと出ていた。
「そうなるためには?」と思い浮かんだのが「蛍雪の功」という言葉。
そんなことを考えていると、本来の「蛍雪」の意味よりも先に、
ふと『螢雪時代』という大学受験のための雑誌が頭に浮かんできてしまった。
大学受験の頃、人気の雑誌だった。
ただ、発行元の旺文社には悪いが、もうとっくになくなっているだろうと思っていたが、
調べてみると、この雑誌は、まだ刊行が続いているという。
創刊は1932年というから恐ろしいほどに長い。
それを読んでいたと思しき我が時代が1972年ごろ。
今から思えば、この雑誌の前期の方に位置することになる。
ラジオ講座なるものがあって、これは今も継続しているのか調べていないが、
担当していた講師であった「西尾」「大島」などの名が、
記憶というより反射神経のようにふと口をついて出てきた。
老域に入ってきた我が身を振り返り、
こんな時代があったことを恥じらいを含んで書いている。

この「蛍雪」は、もちろん中国の故事によるもの。
その故事としては、
東晋の車胤は貧しく、灯火を買う金がないために蛍を集めて袋に詰め、
それを灯としてその光の下で学び、同じく孫康は雪明りの元で学んだと出てくる。
そして、この二人ともに、鋭意精進を果たし出世街道を駆け上ったと出てくる。
この故事については、大学受験の頃というより、もっと子供の頃に聞いた覚えがある。
その時、ふと子供心に疑問に感じたことは、
「蛍はいつもいるわけではないだろう。蛍の季節は短く、2週間程度。
雪だって、いつもいつも降り積もっているわけではないだろう。
それ以外は、どうしていたんだ?」
このような疑問を抱いたが、
同じ疑問を江戸時代の学者である本居宣長もしていたようだ。

蛍雪と聞いて、素直に感動する人間もいれば疑問に感じるものもいる。
優秀な子供に対して「末は博士か大臣か?」
などと言ったものだった。
ただ、素直にそのような気持ちで言う場合もあれば、
半ば冷めて揶揄する意味(すなわち『何が博士、何が大臣だ』という冷笑的な意味)
で言う場合もあった。

人の言葉のウラには、ご用心。


*無断転載を禁止します*严禁复制粘贴**
本"Boots strap"博文禁止复制粘贴。如有发现,本人将采取法律措施。

*2カ所のブログランキングに参加しています。
↓↓下のアイコンにポチッとお願いします。押すとランキングのページに行きます。お手間ですが戻ってきて、もう一つ下のアイコン(にほんブログ村)にもポチッとして頂ければ、、。

エッセイ・随筆ランキング
↓↓ にほんブログ村は、こちら。  
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村

フレンドリーでリーズナブルな外国語スクール
*外国語リニア
芦屋市大原町7-8-403

*ALEX外国語スクール
神戸市中央区旭通5-3-3 5F

<了>