「奇策」は意外な結果を生じることもある | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

わが好きな映画監督としてフェリーニの名を挙げること度々であるが、
スタンリー・キューブリックもその一人。
『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』『博士の異常な愛情』など、
とりどりに興味をそそられる。
初期の作品には『現金(ナマ)に体を張れ』などのハードボイルド系の作品もあった。
この映画に関して、キューブリック自身のコメントに、
「犯罪映画は非常に闘牛に似ている。そこには儀式がある。
その儀式とは最後には闘牛士が勝利を収めること。
そんな風に犯罪は、ついには成功しないという通底した概念がある。
その辺りを突くことが監督としての醍醐味である」
『博士の異常な愛情』でも、「儀式」が破られる状況に置かれる。
歴史的事実として戦後の世界で飛行機操作の誤りでの原爆は落ちてはいない。
ところが、映画では刻々と原爆を搭載した飛行機がその時を迎えて行く。
まさか、この映画では、落ちることはしないだろうと観客は思いつつも、
「この監督ならそこまでヤルかも?」と思わせるものを持っている。
歴史的事実通り行かなかったり、犯罪者が負けるという儀式が破られたりすることが
スクリーン上で起こったりする。これが観客をワクワクさせるものとなる。

そんな風に「儀式」が破られるような”現実”が時々ある。
そういう観点からちょっと面白いと思えるのがトランプ大統領。
わが固定観念から言えば、彼こそ傍若無人で恥知らず。
アメリカファーストと言って世界の鼻つまみ者。風貌もどちらかと言えば犯罪者側。
4年の任期も全うできないだろうという推測を持っている。
私に限らず、彼が敗北すると考えることが多くの人の「通底した概念」だろう。
今、就任から一年が経過したが、評価は自己満足と呼べるものだけ。
マスコミは毎日何らかの形で、トランプ氏をスキャンダラスに報道している。
一般市民が「それ見たことか」と思えるものの羅列。
それが、今日のニュースを見ていると、
『トランプ大統領が”「フェイクニュース賞」を授与することを提案した』
と出ていた。
その内容は、トランプ氏の政治活動を報じる中で、
最も「不誠実で腐敗した歪曲情報」を流すマスコミのフェイクぶりのコンテストを開催し、
見事優勝したマスコミに「フェイクニュース賞」を与えようというもの。
つまり、「どれだけ自分に対するフェイクニュースを流しているか皆んなの前で暴いてやるぞ」
ということでもある。これはトランプ氏の「逆手に取った対応」。
なかなか見事な逆襲かもしれない。
人がおぼろげに考えているトランプ敗北という「儀式」が崩れる
インパクトがある奇策かもしれない。

これにはキューブリックを思わせる奇妙な面白さが潜んでいるように思える...


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<了>