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オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

9/8(金)日本フィル東京定期/山田和樹/委嘱作品の再演/石井眞木の「遭遇Ⅱ番」はオーケストラと雅楽の饗宴

2017年09月08日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
日本フィルハーモニー交響楽団 第693回 東京定期演奏会《第1夜

2017年9月8日(金)19:00~ サントリーホール A席 1階 2列 18番 3,500円
指 揮:山田和樹
雅 楽:東京楽所*
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:扇谷泰朋
【曲目】
ブラッハー:パガニーニの主題による変奏曲
石井眞木:遭遇Ⅱ番 ―雅楽とオーケストラのための[日本フィル・シリーズ第23作]*
イベール:交響組曲「寄港地」
ドビュッシー:交響詩「海」

 日本フィルハーモニー交響楽団の「第693回 東京定期演奏会《第1夜》」を聴く。今日は正指揮者の山田一樹さんによるちょっと変わったプログラム。一見して趣旨がよく分からない組み合わせの近・現代音楽が4曲。

 その中で一番面白かったのは、2曲目に演奏された石井眞木(1936〜2003)の「遭遇Ⅱ番 ―雅楽とオーケストラのための」という曲。これは、オーケストラと雅楽とによる協奏曲(?)のような形態なのだが、実際は別々に作曲されたオーケストラ曲「ディポール」と雅楽曲「紫響」を無理矢理(?)同時に演奏してしまうという曲なのである。そのため、表題が「遭遇」となっている。「Ⅱ番」とあるのは、その前に尺八とピアノのための「Ⅰ番」があったから。
 雅楽は、弦楽器・管楽器・打楽器が備わったアンサンブルであり、世界最古の管弦楽なのだという。それと西洋音楽のオーケストラが「遭遇」して、まさに古今東西、時空を超えた音の饗宴ということになる。二つの曲の合奏のタイミングについてはスコアに明記がなく、演奏者(指揮者)に委ねられている。そのため、本日の指揮者である山田和樹さんは、今日はオーケストラを先に始め、途中から雅楽を加えることにするが、明日のコンサートでは逆にしてみたいと語る。そういった実験的な要素が生み出す偶然性の響きがこの曲の聞き所なのだろう。雅楽合奏を受け持つのは宮内庁式部職楽部の人たちが中心となって創立された東京楽所(とうきょうがくそ)。楽曲は1971年、日本フィルの委嘱で作曲され、小澤征爾さんの指揮で初演している。
 オーケストラの「ディポール」の部分はトーンクラスター系の現代音楽で、様々な楽器の生み出す音が徐々に積み上げられていってはガシャーンと崩れるイメージ。そこに小節線を持たない雅楽が加わると混迷が深まるが、時が流れるにつれて何となく音の重なりの造形が感じられるようになる。しかしそれが音楽的なのかというと・・・・少々難解。まあ、偶然が生み出す要素が多いので、理屈で捉えるというよりは、耳を澄まして音を感じ取るということなのであろう。

 本日最初に演奏された「パガニーニの主題による変奏曲」を作曲したブラッハー(1903〜1975)は石井の師にあたる。
 後半は「海」をテーマにした近代の交響詩作品2曲で、現代曲の後に聴くと、非常にスッキリとして分かりやすく聞こえるから面白い。

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