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11/20(木)【海外からのニュース】青木尚佳さん、ロン=ティボー国際コンクール/Vn部門で第2位の快挙

2014年11月21日 11時02分23秒 | クラシックコンサート
ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール2014(2014 ジャック・ティボー国際ヴァイオリンコンクール)
Concours Long-Thibaud-Crespin 2014 / Session Violon


 パリで開催されている「ジャック・ティボー国際ヴァイオリンコンクール」(ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール)で、11月18日と20日にファイナル(本選会)が行われ、日本から出場した青木尚佳さんが見事第2位を獲得した。合わせてコンチェルトの最良の解釈に贈られるモナコ大公アルベール二世賞も受賞した。青木さんはファイナル2日目にはシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏した。
 優勝したのはアイレン・プリッチンさん(27歳/ロシア)で、同時にリサイタルで最も優秀な演奏をした者に贈られるサセム賞も受賞した。第3位はFrederike Starkloffさん(24歳/ドイツ)、第4位はKyung Ji Minさん(19歳/韓国)、第5位はHildegarde Fesneauさん(19歳/フランス)という結果である。

 青木さんは半月前まで行われていた「中国国際ヴァイオリン・コンクール」で第2位を受賞したばかり。国際コンクールに2回続けてのファイナリストとなっていた。
 ロン=ティボー国際コンクールは近年では、ヴァイオリン部門のコンクールが前回開催された2010年には成田達輝さん(当時18歳)が第2位に、2008年開催では長尾春花さん(当時19歳)が第5位に、2005年開催では南紫音さん(当時16歳)が第2位、2002年開催では山田晃子さん(当時16歳)が第1位、米元響子さん(当時18歳)が第3位に、それぞれ入賞している。日本でも入賞者のガラ・コンサートが開かれたりしていて、すっかりお馴染みの国際コンクールだ。過去の入賞者の皆さんのその後の活躍ぶりを見ればわかるように、青木さんにとっても今回の受賞は、将来に向けての大きなステップになることだろう。
 青木さんが第78回日本音楽コンクール(2009年)で優勝した時以来、ずっと注目して応援し続けてきた私にとっても、今回の受賞は本当に我がことのように嬉しい。国際舞台へと大きく羽ばたき始めた彼女に次に会う時には、きっと光り輝いて見えることだろう。

【コンクールのファイナル】
 世界各国から5名のファイナリストが参加した本選会は、11月18日にファイナル・リサイタルが、20日にファイナル・コンチェルトが開催された。2日間にわたって行われた本選会では、タイトなスケジュールの中で指定された課題曲をこなさなければならず、参加者にとってはかなり過酷なコンクールのようである。

 本選1日目(11月18日)はリサイタル形式で行われ、課題曲は、以下の通りであった。
 ●J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 BWV1006
 ●ワックスマン: カルメン幻想曲
 ●リシャール・デュビュニョン: 無伴奏ヴァイオリンのためのアンチ・タンゴ(コンクール用委嘱作品)
  Richard Dubugnon: Anti Tango pour violon solo, commande du concours
 ●サン=サーンス: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番 ニ長調 作品75

 本選2日目(11月20日)はオーケストラとの共演による協奏曲で、A・Bふたつの曲目リストの中からあらかじめ演奏者が1曲ずつ選定しておいたもののうちどちらかを審査員が指定するという方式になっている。
《リストA》
 ●メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
 ●ブラームス: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
 ●サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品29
《リストB》
 ●ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品77
 ●プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19
 ●シベリウス: ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47

 青木さんは、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を指定されて演奏することになった。この曲は彼女にとっても初挑戦ということもあり、ハンディを負うカタチになってしまったが、持ち前の前向きの姿勢で、練習のつもりで臨んだということが功を奏したのだろう。

 なお、本選会2日目はパリのシャンゼリゼ劇場で開催され、パスカル・ロフェ指揮、フランス国立ロワール管弦楽団が共演した。ファイナリストの演奏曲目は、演奏順に以下の通りである。

 ●Frederike Starkloff(24歳/ドイツ) ブラームス: ヴァイオリン協奏曲
 ●Hildegarde Fesneau(19歳/フランス) シベリウス: ヴァイオリン協奏曲
 ●Aylen Pritchin(27歳/ロシア) ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲 第1番
 ●青木尚佳(22歳/日本) シベリウス: ヴァイオリン協奏曲
 ●Kyung Ji Min(19歳/韓国) メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲

 ロン=ティボー=クレスパン国際コンクールは、現在では、ピアノ、ヴァイオリン、声楽の3部門を各年度1部門ずつ開催することになっている。2013年は開催が見送られ、今年2014年がヴァイオリン部門の開催となった。2015年は声楽部門、2016年にピアノ部門での開催が予定されている。

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