Bravo! オペラ & クラシック音楽

オペラとクラシック音楽に関する肩の凝らない芸術的な鑑賞の記録

7/16(木)東京フィル/オペラシティ定期/尾高忠明/外連味なくまとめたマーラー交響曲第9番

2015年07月16日 23時00分00秒 | クラシックコンサート
東京フィルハーモニー交響楽団/第95回東京オペラシティ定期シリーズ

2015年7月16日(木)19:00~ 東京オペラシティコンサートホール A席 1階 4列(2列目)14番 3,780円(会員割引)
指 揮: 尾高忠明
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
【曲目】
マーラー: 交響曲 第9番 ニ長調

 東京フィルハーモニー交響楽団の第95回東京オペラシティ定期シリーズを聴く。このシリーズは、年間の定期会員になっているにもかかわらず、ずうっとご無沙汰が続いてしまい、何と昨年2014年10月の公演以来となってしまった。東京フィルはの定期シリーズは年間8回公演で、4月からが新シーズンになる。
 4月の公演は、新たに「特別客演指揮者」というポストに就任したミハイル・プレトニョフさんが体調不良で急遽来日できなくなり公演中止(延期)になってしまった。当然チケット代金は払い戻しになった。
 5月の公演はコチラのスケジュールの都合で行けなかった。6月は公演がなかったので、7月公演の本日が、2015/2016シーズンの第3回公演ということになる。

 というわけで、久しぶりの東京フィルの定期シリーズ。今日は尾高忠明さんによるマーラーの交響曲第1番。1曲だけのプログラムである。一説によればマーラーの最高傑作だというが、もともとマーラーは苦手な方なので、聴く側としては今ひとつ気分が乗らない。これは別に東京フィルが悪いわけではなくて、大体が4楽章の交響曲1曲だけで90分もかかるなんて信じられない。第1楽章だけで30分もある。しかも緩徐楽章でソナタ形式。これだけ長大になると形式の構造も非常に判りづらくなり、いくつかある主題やら動機やらが繰り返し執拗に現れては去っていく。いつまで続くんだ、この曲。そんな風に聞こえてしまうのである。マーラーを聴くコツは、楽曲全体を視野に入れずに、瞬間瞬間を刹那的に感じ取る方が良いのかもしれない。
 尾高さんの演奏は外連味がなく、スタンダードな音楽作りで、実に堂々たる佇まいを見せる。4管編成の大オーケストラを緻密にまとめ上げる手腕は見事なもので、これ以上ない安心感が漂っている。逆に言えば冒険心がなく、新しい発見は見られないということになるのだが・・・・。いずれにしても、尾高さんの指揮も東京フィルの演奏も、水準としてはかなり上の方の演奏をしていたことは確かで、緻密なアンサンブルで澄んだ音色で分厚いサウンドを聴かせる弦楽、濃厚に音色で質感の高い木管群、華やかな瞬発力と安定した弱音が出せる金管群、出しゃばらない打楽器群、と平均的に優れていて隙がない。従って、なかなか素晴らしい演奏だったと思う。思うのだが、どうしても曲自体を好きになれず聴いていて退屈してしまうので、とりあえず感動は薄かったと言っておこう。90分の交響曲は聴く方も長時間の緊張を強いられるため、非常に疲れる。当分マーラーは遠慮したい。

 さて、今シーズン初めて聴くことになったので、書いておかなければならないことがある。それは、今シーズンからチケット料金が大幅に値上げになったことについてである。
 東京フィルは、「サントリー定期シリーズ」「東京オペラシティ定期シリーズ」「オーチャード定期演奏会」の3つの定期シリーズがある。それぞれが年間8回公演で、年間会員になると、つまり8回分セットでチケットを購入すると、1回券の合計よりも3割引で買うことができる。無料で登録するだけの「東フィルフレンズ」になればさらに1割引。1回券のチケット料金は出演者によって若干異なる場合があるが、定期会員の券面価格は年間会員価格の1/8になっている。まあそれは良いとして・・・・。

 今期への更新時に料金を見て驚いた。これは本当に驚いた。私はA席の会員だが、1回券の定価が6,000円から8,500円に上がっている。何と40%以上も値上げしたのである。今期からの料金体系は、SS席=15,000円、S席=10,000円、S席=8,500円、B席=7,000円、C席=5,500円。定期会員の割引率は変わらない。しかしこの価格設定はちょっとあり得ないのでは?? 1回券で行こうとすると、ちょっと二の足を踏む金額である。これで間違いなく、東京フィルが日本で一番高額のオーケストラになった。ちなみに前期の通常公演は、S席=7,700円、S席=6,200円、B席=4,600円、C席=3,100円であった。

 値上げをするには、それなりの事情はあるのだろうが、会員に対しての説明も特になく、「より一層充実努力致します」という程度の理由で4割も値上げができるなんて、他の業界ではまずあり得ないことだろう。それでも年間に何回かはどうしても聴きたい公演があるし、長年持っている良席を手放したら二度と手に入らないのではないかという危機感から、会員を更新して継続している。何だか足元を見られているような、ちょっと不愉快な気分だ。とにかくこれで日本一のオーケストラになったのだから、日本一の演奏をしていただかなければ困る。演奏会でミスなんかしたら、もう許さないぞ・・・・。

 ← 読み終わりましたら、クリックお願いします。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 7/11(土)東響オペラシティ/細... | トップ | 7/18(土)若きヴィルトゥオー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

クラシックコンサート」カテゴリの最新記事