先日の筋弛緩剤の誤投与の事故について、色々考えてみた。
結論からすると・・・現在のシステム(うちの病院)では、どんなに注意しても100%薬の事故を防ぐことはできない。良くて95~98%位だと思う。
なので、残りの2%の確立で今回のような重大な事故が起こると思う。
みなさんの病院ではどうでしょうか?
・投薬量のミス
・投薬する時間のミス
・投薬する患者のミス
・投薬する薬のミス
・投薬しなかった
この上記のミスが年間0件の病院に勤めている看護師さんいますか?
もしいたとしたら・・・
どんなシステムで患者さんに投与されているか、勉強したい。
重大じゃなくても、例え患者さんに目に見えた変化が無くても、ミスはあるんじゃないですか?
たぶん、かなりの数だと思います。
これを聞いた患者さんや家族は、完璧主義の日本では、不信感を抱くと思うな。
もちろん、自分もこの7年弱の間で、何件かミスをしています。
原因は様々ですが・・・
でも最終的に投与したのは、看護師だから、結局看護師が一番重い罪になる可能性は高いですよね。
人間の注意力って皆同じか?これは違う。
頭の良し悪しもさほど関係ないと思う。
色々な人間がいるのがこの世の中であり・・・それが人間といういいとこでもあり・・・
環境や精神状態にも大きく関わる。
例えば、私生活で嫌なのことがあって落ち込んでいる人。
嬉しいことがあって舞い上がっている人。
そんな精神状態を一定に保つのは難しい。ロボットではないからね。
2交代夜勤終了時は、ビール大瓶を1本~2本飲んだ時と同じ集中力 という研究結果もあったりする。
それでは、人間の目のチェックを増やせば大丈夫じゃないか? という考え
これは一定の効果はあると思う。
でも、100%にはならない。
人間の目が集まっても所詮チーズの穴になる。
これを「スイスチーズモデル」という。
「スイスチーズモデル」とは?↓コチラを参照・・・
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0300/manual/extra/ex_29.html
穴がある限り、そこを突破する可能性は必ずある。確立は低くても。
今回の誤投与も突破されているんだよ。
確立は数%かもしれない。
しかし、数年に一度このようなでかい事故は起きる。
その低い確率で、人は亡くなる。
これが、仮に物だったら・・・
「まぁ このくらい許容範囲だな。少し多めに作ればよい」
となるが・・・
私たちの対象は人間なのだ。
「まぁ このくらいの確立の死亡事故は・・・許容範囲だな」
にはならないのである。
つまり・・・・・我々には100%が求められる。
それは、原子力や航空機、電車 の安全と同じレベル。
あなたの病院のシステムはどうですか?
安心・安全とホームページで堂々とうたえるシステムは構築されてますか?
年間の薬のミスは0件か?
患者さんに特に問題なかったから、まぁ いいね。で済ましてないか?
さて どうでしょう?
そして どうするか?
続く・・・