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法律上、「人」は権利の主体となります。
権利の主体とは、権利や義務を有する者のことをいいます(「権利能力」を持っている人のことね)。
法律上、「人」には2種類あります。
「自然人」と「法人」です。
「自然人」は、私たち人間のことです。
これに対して「法人」とは、法律の力によって「人」となることを認められた特別な存在です。
自然人だけが権利の主体だとすると、何かと不都合なことが生じますから、「法人」というスタイルを設けたわけです(要するに、「法人」制度は人間の発明なんです)。
さて「法人」は、大きく分けると、「社団法人」と「財団法人」に分かれます。
「社団法人」とは、人の集合体、要するに団体に「法人」としての性質を認められるもののことです。
典型例として、株式会社などの会社が挙げられます。
私のイメージは、“集まった人たちを、ビニールひもでグルッと囲んでしまう”というものです。
これに対して「財団法人」とは、ある目的のために提供された財産に「法人」としての性質が認められるもののことです。
ここで、1つ厄介なことがあります。
「財団法人」のよい具体例がないことです(汗)。
「財団法人」の具体例としてよく挙げられるのが、あの「公益財団法人 日本相撲協会」です。
※リンク:公益財団法人 日本相撲協会
では、日本相撲協会は、何に「法人」としての性質が認められているのか‥‥といえば、相撲協会の定款第3条を見る限り「相撲」という文化でしょうか(汗)。
「相撲」に法人としての性質が認められている‥‥と言われても、「相撲」という文化は目に見えません(見えているのは「相撲」をやっている力士の方々です)。
だから、頭の中で想像してみても、いまいちピンと来ない。
昔の頭のいい人が発明した「法人」という仕組み・システムを、よりにもよって目に見えないもので例えてしまっているという状況です。
これでは、いまいち理解が進みません(学生時代の私は、正直これで一度民法は挫折しています)。
何かいい例えが他にないかなぁ‥‥と、ずーっと考えていたのですが、ひとつ新しいものを見つけました。
「公益財団法人 大宅壮一文庫」です。
※リンク:公益財団法人 大宅壮一文庫
大宅壮一文庫は、雑誌約1万種類・78万冊、書籍約7万冊を所蔵しており、日本で初めての雑誌図書館です。
この文庫は、評論家であった大宅壮一氏が生前保有していた雑誌コレクションを引き継ぎ、明治時代以降130年余りの雑誌を所蔵しています。
そうです、この「公益財団法人 大宅壮一文庫」は、雑誌(大宅壮一氏の収集した資料)に、法人としての性質が認められていると考えることができます(やっと目に見えるものが出てきた/定款第3条)。
“雑誌に法人としての性質を認めている”というと、なんか“古紙回収に雑誌を出すのに、ビニールひもで括っている状態”を想像してしまいますけど、そのイメージでOKです(ビニールひもが「法人」としての性質です)。
大宅壮一氏が生前収集した資料(雑誌)を広く一般に公開し、社会に貢献するにあたり、管理運用をする必要があります。
それを担っているのが、「公益財団法人 大宅壮一文庫」ってわけです。
法人としての性質が認められた雑誌たちが、どーん!と真ん中に置いてあって、それを目の前にした大人たちが「これ、どうしよっか?」と話し合いをしている。
その大人たちのことを「理事」と呼ぶわけ。
そして、その大人たちがちゃんと仕事しているかチェックするために、「監事」と呼ばれる別の大人たちが監視しているんだね。
どうでしょう、少しは「法人」の理解に役に立ちましたかね?(汗)σ(^_^;)