10月中旬のことになりますが、弥生美術館で開催されていた『「はいからさんが通る」 展 ~大正♡乙女らいふ×大和和紀ワールド!~』を鑑賞してきました。

 

 

ちなみに、原作は読んでいません。子どもの頃、アニメで見ていたので懐かしいなあという思いと、物語の魅力なども知ることができるのではと考え、足を運んできました。

 

展示内容としては、『はいからさんが通る』の原画(ほぼまるまる1話分でしょうか)、コミックス表紙用の彩色された原画、大和和紀先生の漫画家としての歩みと過去の作品。そして、『はいからさんが通る』と同時期の、大正時代の女学生の風俗などが紹介されていました。

 

原画は展示替えがあるのだと思いますが、最初の方に展示されていた第1回?紅緒と少尉の出会いとか、少女マンガの王道という感じでいいですね。自転車で登校するシーン、格好いいです。


その他の回も展示されていましたが、コメディオンリーというわけではなく、シリアスな場面もあり、緩急が巧みに交えられているので、当時の読者が熱狂したのが分かる気がします。関東大震災にも巻き込まれていたというのは知りませんでしたね。じっくり見入ってしまいました。あと、表紙カットもキレイです。

 

当時の女学生のファッションや流行なども詳しく紹介されていました。自転車まで展示されていたのは驚きましたが。オペラや活動写真など、楽しそうです。とはいえ、ある年齢に達したらその多くは嫁入りということになりますので、まさしく命短し、恋せよ乙女ということですね。

 

一方で、モダンガールや職業婦人について紹介するコーナーもありました。当時は髪をカットしたり、洋装するということはかなり勇気のいることだったとのこと。紅緒も洋服に身を包んで編集者になりますので、漫画では当時の若い女性“最先端を描いていたということになるんですね。

 

いまでは、女子大生などが卒業式に袴、編み上げブーツという出で立ちとなるのは当たり前ですが、これは「はいからさんが通る」のブームが影響した、という考察は面白いと感じました。

 

大和和紀先生の画業を追うコーナーも興味深く拝見させてもらいました。十代でデビューされたそうですが、当初の画風は比較的古風です。現在にいたるまで、さまざまなジャンルにチャレンジされているとのことで、漫画家生活50年を迎えた現在も、創作意欲はいまだ旺盛のようで何よりであります。

 

この11月には、劇場版アニメも封切されるとのことです。本放送はなんだかよくわからない形で終わったような思い出もありますので、改めて原作を購入して、読んでみようかと思います。

 

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