2006年01月17日
《34》人名用漢字一覧
最近、当ブログに書き込みをしていないので、見ていただいている方は、ほとんどいないかもしれないが、一応こちらへも転載しておく。
串乎云些仔佃俣俄侠(旁は旧字体)俐侶俺倶倦僅傭儲兎兜其冥冨凄凉凛凧凰函刹劉劫勃匂勾勿廿卜卿厨厩叉叢呑吻哨哩喧喰(旁は旧字体)喋嘩嘗噌(旁は旧字体)噂(旁は旧字体)圃圓坐坦埼埴堆埜堰堺堯堵(旁は旧字体)塙塞填(旁は旧字体)壕壬夷奄套妖娃姪姥娩宋宛宕寓實寵尖尤屑岡峨峯崖嶋已巷巾帖幌幡庇庚庵廟廻弛徠忽恢恰惚悉惹惺憐戊或戚戟戴托按拶拭挨捉挺挽掬捲捻捧掠揃掴摺撒撰撞播撫擢孜斑斡斯昊昏昧晄晒晦曖曝曳曾魯杖杭杵枕杷枇栃(旁の第1画を右から左に斜めに書くデザインだが、他のデザインでも受け付けてもらえるかもしれない)柑柴柵柿(「かき」か「こけら」か不明)柘柏桧桔桁栖椛梗梛梯桶梶梁椅棲椀楯楚楕楢(旁は旧字体)榊(旁は旧字体)榮榎槇槍槌(しんにょうは4画)樫樟樋(しんにょうは4画)樽(旁は旧字体)橙檜檎櫂櫛歎此殆汝汎汲沌沓沫洛浬淀淋淵湘湊湛溢溜漕漣濡瀕灘灸灼烏焔焚煌煎煤煉燕燭爪斧牒牙牟牡牽犀狼玩珂珈珊珀琥琶琵瓜瓢瓦甥畏畠畢畿疋疏痩盃瞥砦砥砧硯碓碗磐祇(以下、示偏は全て旧字体)祢禮禰祷禽禾秤稟稽穿窄窟窪窺竪竺竿笈笠筈筑箕箔箸篇篠箪簾籾粥粟糊紐絆綴縞徽繋繍纂纏羚羨而耽肋肘肴脇腔腎膏膳臆臥臼舷舵芥芯芭芦苔苺茨茸荻莫菅萄菩萠莱菱葛萱葺董萬葡葦蓋蓑蒐蒲蒙蔭蒋蓬蔓蕎蕨蕃蕪蔽薗薙蕾藁薩蘇蜂蜜蝦螺蝉蟹蝋袖袴裡裾裳襖訊訣註詣詮詫諏誰謂諺諦謎讃豹貌貰貼賑跨蹄蹟蹴輯輿轟辻(しんにょうは以下も全て4画)迂迄辿迦這逞逗逢遁遡遜遙祁(偏は旧字体)鄭(偏は旧字体)酎醐醒醍醤(将の部分は旧字体)釉釘釜釧鋒鋸錐錆(旁は旧字体)錫鍋鍵鍬鎧閃閏閤闇阪陀阜隈隙雀雁雫鞄鞍鞘鞭韓頁頃頓頗頬顛餅饗馴馳駈驍櫓鰯(旁は旧字体)鱒(旁は旧字体)鱗鳶鴨鵜鴎(偏は旧字体)鷲鷺麒麓鼎
現状のパソコンで、表記できないものは、()内に付記したが、見落としがあるかもしれない。その節は、ご教示願いたい。
パソコンで表記できない文字のほか、使いたい人がどのぐらいいるのかと思ってしまう字も、私が今までに紹介してきた字以外にも多くあることがわかるであろう。
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2005年10月21日
《33》素人向けの国字の説明
まず基本的なことを言うと、漢字に倣って日本で作った漢字体の文字で、それ以前に漢字を使っている諸国になかった字形であること。
これを形・音・義からみると次のようになる。
形・音・義ともに漢字などに同じものがなければ、もちろん国字である。
形のみ違って、音義が同じであれば、日本でできたものであっても、異体字であり、国字とは言わない。
義が同じでも形・音が違えば国字である。たとえば、「なまず」の意の「鮎・鯰」は漢字だが、「魚偏に片・魚偏に行・魚偏に都」などは国字である。
音が同じでも形・義が違えば国字である。これは、理論の整合上入れたのみで、例は省略する。
形が同じで、音義の少なくとも一方が違えば、国訓である。「森・沖」など相当数ある。
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2005年10月19日
《32》国字を康煕字典体にする愚について
国字の多くは、『康煕字典』が作られる以前に出来ており、当然康煕字典体とは関連がありません。
それにもかかわらず、国字を康煕字典体に直し、ほとんど使われたことがない形や漢和辞典に載るまで、存在しなかった字にするという愚が行われているのです。
2005年09月29日
《31》国字の字源説に関する漢和辞典における取り扱いについて
漢字の字源については、『説文解字』の昔から、現在に至るまで、六書による字源解釈が行われている。
国字に関しては、漢字の成り立ちに倣って作ったとはいえ、民族的風土的な違いもあり、六書に該当しない成り立ちのものが多い。
それでも六書に当てはめようとする漢和辞典などがあるほか、逆に字源解釈を放棄しているものもある。
ほかのことでは優れたところのある漢和辞典でも、解字に「国字」と書き、読みや意味をその下に書いてこと足れりとするものもある。
字源解釈をきちんとしようとしているものの中にも、色々欠点がある。
ある漢和辞典は、字源的に見て、元の意味から派生義という順番で解説していることを明記しているが、国字に関しては、その順番になっておらず、派生義によって字源解釈をするというおかしなことになっている場合もある。
国訓の場合についてはもっと多くの辞書や文字で、字源解釈がなされていない。「鰉」は、漢字本来の意味は、チョウザメであるから「魚+皇(大きい)」で大きな魚を表したという字源説には異論がなかろうが、国訓では、「ひがい」という20センチ足らずの淡水魚のことであるから、そのままでは説明できない。
国訓の場合「皇」が大きいという意味ではなく、この魚を好まれた明治天皇の事を表していることを書いている漢和辞典は、少ない。
字源解釈は、その漢字の意味や読みをどのように表そうとしたのか考えて、その結果解明できた字源説がその漢字の字体や音義に合致しているか検証すべきであるのに、ちゃんとやっていないと思われる漢和辞典があるのは、残念である。
以上は、国字に関する字源解釈を元に論じたが、日本人が作った漢字、和製漢字(国字)に対する字源解釈がきちんとできない人が、他民族である中国人のそれもより古い時代の人が作った漢字の字源を解釈できているとは、とても思えないという視点にたって、やや詳しく論じてみたものである。
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2005年09月19日
《30》ホームページランキング完全制覇御礼
当ブログは5位、1位は「語源・字源・漢和辞典のブログ」、2位は「名前漢字のブログ」、3位は「漢字・雑学サイトのカリスマ」、4位は「今日の漢字と四字熟語」です。
動物ブログも「ペット動物ランキング」の3位となっております。
参加者数のもっと少ないランキングでも1位にはなったことがあっても、1位・2位以上複数でとったことがありませんので、皆さんの応援のおかげとともに、ランキングとの相性ならびに運もあるのではないかと思います。
今後とも、クリックして応援をお願いします。
なお、ブログの方向性やこんなことは書かないのかというコメントもいただければ幸いです。
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《29》JIS漢字のなかの幽霊字について
そのほとんどは、1997年のJISの改定時に解明され、JISの典拠ではないかもしれないがないわけではないとわかった字もあった。
その詳細は、「JIS X 0208:1997」の「付属書7」に詳しく書かれている。
当時、私も数文字わからない漢字があり、当時の通産省に問い合わせたところ、こちらは20字以上わからないので、教えてくれと逆に言われてしまった。
このとき、当時の担当者に、メモだから、委員会に出さないようにといって、何文字かの典拠と意味用法を手書きしたものを渡したのである。
これが委員会に出てしまい、委員の一人から質問の電話があったのである。
このとき、この付属書に反映していただいたのが、「壥・椦」などである。
後日、追加調査に基づき、「高知県窪川町汢の川」の「汢」は、現地では「二水」が使われているという報告をし、何社かの漢和辞典にも載った。
インターネット上でこのあたりのことを知りたかったら、私の『JIS音義未詳字の辞典』もしくは、『和製漢字の辞典』を見ていただきたい。
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2005年09月16日
《28》名前の読みについて
普通、読めない漢字にあたったら、漢和辞典を引くのが普通ですね。
どちらかだと思うけど判断できないというのなら、安直に国語辞典にあたるのもありでしょう。最近は、インターネット上に無料の国語辞典もあり、簡単に調べることが出来ます。
人名の場合だと、どうでしょう。苗字だと、色々読み方辞典が出ていますので、それらを調べて絞り込むことが可能です。
ところが、名乗りについては、当用漢字制定以後に生まれた方は、使用できる文字は、限定されているものの、読みについては、法令で限定されていません。
何年か前に、「悪魔」ちゃんの名乗りを役場が受け付けなかったことがありますが、これは子供の将来のことを考えての役場等の判断であって、使用できる漢字の範囲内であれば、読みは自由に付けられるのです。
先に紹介したとおり、名前の読み方辞典も出ていますが、市町村役場によっては、出生届に読みを付けるようになっておらず、住民票を見てもその方の名前の読みがわからないというケースもままあることで、最終的には、本人に尋ねるしかないというのが、現実です。
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2005年09月10日
《27》JIS第3第4水準の人名・地名用字について
しかし、国字か否か十分調査されているとは言いがたいものも含まれていることは、十分想像できる。
これは、私の書いたものも例外ではなく、「汢」の音の典拠を探して、『字鏡集』のうち3種を調べていたところ、国字と思っていた「三水に入」に反切がついていることを発見した(国字か否かは、より調査が必要。)。
このように、私の研究も、まだまだ不十分であり、これらのうち国字とするのはおかしいとか、解説がおかしいとか気がつかれた文字がありましたら、教えていただきたい。
『学研新漢和大字典』・『漢字源』や『和製漢字の辞典』でなく、お手元の辞典や図書館で他の辞典を使っていて気がついたというのでも結構ですので、よろしくお願いします。
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《26》『漢字源』の改訂にかかるお願い
『常用漢和辞典』が来年始め、『漢字源』が来年度発売を目指して改訂作業が行われています。
親字の選定は終わり、『漢字源』は、約15,000字と学習用漢和辞典としては、最大のものになります。
『常用漢和辞典』は、関与していませんが、『漢字源』は約240箇所の改訂意見(『学研新漢和大字典』では、118箇所)を出しました。11月ぐらいまででしたら、新たな改訂意見として出すことも出来ます。
『漢字源』のこんなところが使いにくいとか、この解説は、わかりにくいとか、なんでも結構ですので、具体的・全般的いずれのご意見でも結構ですので、コメントください。
今後『学研全訳用例漢和辞典』・『学研現代標準漢和辞典』の改訂(発売時期は、未定)も行われますので、この二つへのご意見でも結構です。
なお、大きな改訂を伴わないものでしたら、『学研新漢和大字典』も増刷時に対応可能とのことでした。
最近書き込みをしていなかったので、大きくダウンしてしまいました。
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2005年08月24日
《25》「軅・彁」に見る漢和辞典などの編集態度
まず、「軅」について言いますと、最近まで、ほとんどすべての漢和辞典などで、同じ解釈がなされていました。
それは、「軈」の異体字であるというものでした。それは、どこにも典拠がないことでした。いずれかの辞書がその説を出して、この字に対する情報を持ち合わせていなかった辞典の編者たちが右へならったということでしょう。
早い話が、何の根拠もないにもかかわらず、孫引きをしたということでしょう。このことは、JIS漢字の規格書に知名に使われる「タカ」と読まれる字であるという調査結果が出ても続きました。
辞典によっては、JISの規格書の情報を載せながら、何の根拠もない、「軈」の異体字であるという説も載せ続けました。
「彁」は、JISの委員会によって、何の情報も収集できなかった唯一の文字です。この字については、多くの辞典は、音義未詳としましたが、一部の辞典が、「カ・セイ」と音をつけました。
しかし、これは何の根拠もないことでした。音があるとすれば、こういった音であると想定したものでした。それをはっきりわかるように書いておけばまだ良かったのですが、私の知る限りそのようにした辞典は、ありません。
このような何の根拠もない音や訓をつける辞典がある限り、日本の辞典界の前途が明るいとは、お世辞にもいえません。
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2005年08月16日
《24》『漢字源』の改訂及び親字の追加について
読者の方からあった、当用漢字・常用漢字新字体の字源が漢和辞典にないが、入れることができないかという意見があった件について学研に問い合わせてみた。
私もわかる範囲で、改訂意見として出すということで、お願いしたところ、編者の加納先生と相談してみると前向きの回答をいただいた。
このときの話で、親字項目の選定も遅れているとのことであった。
こんな字が親字として載っていないと気がつかれた方は、25日ぐらいまでに教えていただければ、親字の候補とすることが出来ますので、ご意見をいただければ、幸いです。
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2005年08月10日
《23》『漢字源』の改訂意見募集
『学研新漢和大字典』には、100ヶ所以上の改訂意見を出しましたが、『漢字源』には、それを含め、200ヶ所以上の改訂意見を今日出すつもりです(最終原稿の締めまで、今後も改訂意見は、出します。)。
『学研新漢和大字典』には、最後のところを見ていただければ、多くの執筆協力者のほかに編集部の方も多く参加しています。
しかしながら、それで完璧を期せるというものではなく、多くの読者の目に勝るものはありません。
そうは言っても、一般の読者の方には、編集部に直接意見を言う手立てがありません。
それで、『学研新漢和大字典』・『漢字源』など学研の漢和辞典のユーザーの方に、ここは分かりにくいとか、ここはおかしいんじゃないかとか、ここは改善できないのかという意見をこのブログにお知らせいただければ、私が理解できる範囲内で、編集部に改訂意見ということで、お知らせしたいと思いますので、遠慮なくコメントください。
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2005年08月07日
《22》「もと国字だが、現在は中国でも使われる。」という表現は、正しくない
このような解説をする辞典の編者たちの国字に対する考え方は、どうなのであろうか。
「もと国字」と言うぐらいであるから、国字としていないのかと言うと、そうではなく、国字としている。
「もと」等とつけずに、「国字だが、現在は中国でも使われる。」とすれば、国字でない文字についての解説でなければ、問題なくなる。
「もと国字」と言うと、国字である文字が、中国など漢字圏の諸外国で使われれば、国字でなくなるようにとられかねない。
そのようなことはないのであるから、是非に訂正していただきたいものである。
以上は、他のブログで書いたことであるが、最近もっとひどい状況にあり、「もと国字」と書いて国字としないケースがある。
このようなケースとして、「栂」のように国字と考えられていたが、近年中国での発掘からそうでないことがわかったという場合が考えられる。ただ、この場合でも、国字とされていたが、国字でないことがわかったと書くはずで、国字であったものが、国字でなくなる場合などないのである。
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《21》一部書き換えてみました
今まで、読まれたことのある方も読み返していただいたらと存じます。なお読みづらければ、その旨教えていただければ、幸いに存じます。
以前より考えていましたことですが、ややかための事ばかり書きすぎたので、書き込みの期間が空くようになってきたので、他の漢字ブログに書いた中から選んで、一部転載しようと思いますので、他のブログで呼んでいただいた方には申し訳ないのですが、お許しください。
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2005年07月29日
《20》国字の定義を見直す
しかし、この内容は、国字の定義としてやや広義に属する定義で、「やや広義の国字の定義」とでも断る必要があるかと思う。いずれかで私の定義したものを見られた方には、ダブってしまうが、範を厭わず全文を示す。
国字(こくじ)という用語は、次の4つ、細分化すれば6つの場合に使われる。
1. その国の国語表記に用いられている文字の総体。
日本の場合は、漢字のほかに、ひらがな・カタカナ・ローマ字などを含む。国家が公式に認めている文字か否かは関係がない(日本の場合、国が定めているものは常用漢字・人名用漢字・JIS漢字など一部にすぎない)。「国語国字問題」・「ローマ字国字論」などと使う。
2. 漢字に倣って中国以外の国で作られた漢字体の文字。
広義では方言文字・職域文字・個人文字や仮名合字も含む。学者によって定義・解釈が異なり、調査が不十分であるなどの理由から、国字とされる文字にも疑義がある場合が多く、逆に猟渉が不十分なため漏れた文字も多い。
ア)日本で、漢字に倣って作られた文字。
峠(とうげ)・榊(さかき)・畑(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・瓩(キログラム)などがある。主に訓のみであるが、働(はたらく・ドウ)のように音があるものもあり、鋲(ビョウ)・鱇(コウ)など音のみしかないものもある。会意に倣って作られることが多い。和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。
中国などにあることを知らずに作ったと考えられる文字〔「俥(くるま・じんりきしゃ)」・「閖(ゆり・しなたりくぼ)」・「鯏(あさり)」など〕や漢字に新たな意味を追加したもの〔「森(もり)」・「椿(つばき)」・「沖(おき)」など〕は、国字とは呼ばず、その訓に着目して 国訓と呼ばれる。
中国などで意味が失われているもの〔「雫(しずく)」など〕は、中国などで失われた意味が日本に残った可能性も否定できず、国訓ともいえない。国訓のある文字に着目して、国訓字と呼ばれることもあるが、一般的ではない。
〔「鱈(たら)」など〕のように中国に輸出されて定着した国字もある。〔「鰮(いわし)」・「鱚(きす)」など〕のように、中国においても漢字本来の意味で使われず、日本で使われる意味を輸入した文字もあるが、これらの文字は、漢字本来の意味が別にあるため、国字ではない。
『和製漢字の辞典』や『和製漢字の小辞典』で使っている国字はこの意味である。
イ)日本以外でも日本の場合と同様に、朝鮮国字・字喃(ベトナム国字)が作られている。
日本の国字と異なり、主に形声に倣って作られている。朝鮮国字の場合、構成要素に漢字の他、ハングルが使われる。日本同様に漢字に意味を追加したものを朝鮮では国義字といい、音を追加したものを国音字と呼ぶ。
(参考)女真文字・西夏文字・契丹文字も漢字に倣って作られたが、その民族の国家が滅亡して長期間が経過したためか、国字とは呼ばれない。壮族の作った古壮字も漢字に倣ったものであるが、中国の一少数民族であるためか、国字とは呼ばれない。
3. 次のように漢字仮名交じりにすること。
ア)漢文を、日本文で漢字仮名交じりにして平易に説明する。
普通「漢籍国字解」という。この「漢籍」の部分に題名を入れることもある。
イ)キリシタン版のローマ字を漢字仮名交じりにする。
「ローマ字本」に対して「国字本」という。国字の前に題名を入れることもある。
4. 2以外の方法で作られた日本の仮名や朝鮮のハングルのことを指す。
ここで、やや広義の国字としたのは、当然2アの部分のことであり、一見すると、なんら問題ないかのごとき印象を受けるかもしれない。
しかし、この定義だけでは、本来の国字と異体字のうち日本でできたものの区別ができない。
異体字とは、形音義のうち、音義は同じで形のみ違うものであるから、この区別をつけるため、次の定義を付け加える。
日本でできた漢字体の文字のうち、形のみ違い、音義が同じものは、国字とせず仮に和製異体字と名づける。
それ以外の形および読みが異なる(意味のみ同じ)ものもしくは形および意味が異なる(読みのみ同じ)ものを国字と定義する。
読みに関しては、訓読みのみで漢字に対する音読みがないものも読みが異なるとする。
以上の定義により、単に日本でできただけの異体字を国字と分離することができる。
別の言い方をすれば、国字と異体字関係にあるものは、すべて国字のみであり、和製異体字すら国字とは異体字関係ではないということになる。
なお、人名・地名などにのみ使われる文字で、その位相が非常に狭い文字を国字と区分することもできるが、誤字の範疇に属するもの以外は、国字の範疇から排除し国字の定義をより狭くするということは、ここでは止めておく。
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2005年07月13日
《19》旧字体と旧字体変換ソフト
旧字体が正字だといって、「正字正かな」といっている人を見ると、単に「旧字旧かな」を推奨しているのに過ぎない。
立場立場があるし、今日の本題から外れるので、そのことについては、これ以上触れないことにする。
ところで、旧字体変換ソフトというのをご存知であろうか。
インターネット上には、各種タイプのものがあるが、ダウンロードして使うものとIEなどの上で簡単に使えるものとがある。
後者をいくつか使ってみたが、面白いものもあった。
タイプとしては、入力窓に入力した新字体を旧字体に変換してくれるものと、URLを入れるとウェブ全体を旧字体に変換してくれるものがある。
前者のもので気がついたのであるが、旧字体が二つある場合、文脈から判断して、どちらかを選ぶというのではなく、ユーザーに判断を委ねてしまうことがあるということだ。
たとえば、「天台宗」の場合、旧字体でもこのままでなければいけないが、その判断をしないということだ。何のための旧字体変換ソフトかと思ってしまう。
後者の場合、容量等にもよるのかもしれないが、一部文字化けを起こすということだ。
しかし、もっと驚いたことがある。このブログがPageRank4であることは以前に述べたし、表示できるようにしてあるのだが、ブログの内容を変化しないままで、単にこのソフトに通して、旧字体にするだけで、PageRankが5になってしまうのだ。
ちょっとまじめな話、旧字体にしてみようかなと思ってしまった。
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2005年07月06日
《18》他の漢字ブログ
最初に開設したブログでもありますし、このままにしたくない気持ちもありますが、Linksにある「今日の漢字と四字熟語」や「語源・字源俗解の辞典」には、ほぼ毎日漢字の話題がありますので、こちらに書き込みがない日は、いずれかを見ていただければと思います。
いずれ見直しも考えますが、今のところ、このブログがかなり硬めの話題、「今日の漢字と四字熟語」が一般の漢字の話題、「語源・字源俗解の辞典」が語源・字源関係の話題および漢字・国語関係の本の紹介という住み分けにしたいと思っています。
特に今、「語源・字源俗解の辞典」が、2日連続で500アクセス以上とやや人気が出始めています。
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2005年06月21日
《17》「々」
何と読むかなど基礎的なことを知りたい方は、前半の方を、江戸期までに実例があることを知りたい方は、後ろの方を見ていただきたい。
同じ漢字が続くときに使われる記号。苗字や地名にも使われるが、特定の読みはなく、和製漢字(国字)とはいえないであろう。『大漢和辭典』に「同一文字疊用の記號」、『中華字海』に「音義待考。字出《北大方正漢字内碼字典》」とある。北大とは、北京大学のこと。日本向けの書籍に使われるのであろうか。「々」は、中国で同じ文字を繰り返すことを意味する「二の字点」が、日本で変化したものといわれている。「二の字点」は、日本で「青々」と書く例なら、「青」の右下に、小さく「二」と書いて、「青」をもう一度繰り返すことを意味するという使い方をする。『JIS X 0208:1997』の46頁に日本語通用名称「繰り返し記号」、名前「IDEOGRAPHIC ITERATION MARK」とある。日本語通用名称は、「参考であって規格の一部ではない」とある。名前は「図形文字の名前(本体5.3参照)」とあり、「名前 この規格では規定する全ての文字に対して名前を割り当てる」とあるから、「IDEOGRAPHIC ITERATION MARK」がJIS規格上の正式な名前といえる。しかし通常は、通称名の「繰り返し記号」で差し支えないであろう。『JIS漢字字典』本文2頁には、「(繰り返し記号)おなじ くりかえし のま」と読みがつけてある。部首については規格書では「仮名または漢字に準ずるもの」として漢字とはしていないので部首の考え方は出てこない。漢和辞典では『現代漢語例解辞典』(小学館)がこの考えを引き継ぎ「非漢字部」として、1400頁の親字番号9701にあるが、次の9702(初版では、1380頁の親字番号9640にあるが、次の9641)とも漢和辞典としては、この字に対する最も詳しい解説がある。この辞典の解説に付け加えるとすれば、「々」自体、「二の字点」から9702の字形を経てできたという説があるということぐらいである。『漢語林』(大修館)などでは「ノ部」になっており、『和製漢字の辞典』でも「ノ部」にした(大修館によると漢字として扱っているわけではないとのことであった)。福井大学教育学部国語科の岡島昭浩氏のページで、おどり字に関する文部省の通知(21年3月とあるが案で施行されなかったようである)の中に「同(どう)の字點」とある。(どう)は現物ではルビである。他に「ゝ」を「一ツ點」、「〃」を「ノノ點」、「く」を縦にのばしたような形で二文字以上繰り返すことをあらわす記号を「くノ字點」、「〃」を左右逆転して続けて書いた字形を「二ノ字點」としている。「くノ字點」・「二ノ字點」の「ノ」は、「の」とも書かれている。『解説字体辞典』は、「くり返し符号などと字体」の項で、「楷書の中でのくり返し符号の用い方と、1字の中にくり返し符号が組み込まれている漢字について説明する」として実例を示して詳しい説明をしている。「々の符号はいつ頃から使われたものか、はっきりわからない。明治以降、現在の活字印刷とともに生まれたのではないかと思われる」とある。(このことは、後に示した節用集からの引用により誤りであることがわかる)また「楷書には、くり返し符号を混ぜていない」として多くの実例を示し、例外として「東大寺献物帳」をあげ、このような例は、「中国にも、我が国の江戸時代以前にも例を見ない。」とするが、「行書では、くり返し符号を使ってもよい」とする。なお多くの実例を挙げた後に、「々は、伝統を重んずるものや、行書の中には書かない方がよく(下略)」とし、行書の場合に書くべきくり返し符号の形を実例によって示す。『解説字体辞典』の著者は、文部省において書写書道を指導してきた立場の人であり、退官後もその中心的な立場にある。そのためか、常用漢字表の字体は、ある程度尊重しているが、『康煕字典』の流れを汲む漢和辞典の字体には反対の立場であり、『康煕字典』において俗字とされているものも、伝統的な楷書の形、書写体として尊重していることが多い。このことを理解のうえ使用するのであれば、実例も多く参考になると考えられる。『臺語大字典』は、記号と考えているためか、親字としては、立項していないが、音が同じことをあらわすために本文のほとんど全てのページに用いられている。手書きの字典であるため、「〃」、「々」、その中間的な形のものとがあるが、いずれにしても、「々」が、相当数使われていることには間違いない。著者は、1946年生まれで、日本の植民地教育の影響も受けていないと考えられるため、「二の字点」が、日本で変化したものでない可能性もある。『大谷大学本節用集』に「佐々嶋磯 サヽシマノサキ」また「和布耳 メミ々」、『合類節用集』に「寸々 ズンズン」とある。くり返し符号は、現在普通には、ひらがなの場合「ゝ」、カタカナの場合「ヽ」、漢字の場合「々」と使い分けられているが、『大谷大学本節用集』の後の例では、カタカナに「々」が使われており、未分化であったのだろう。
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2005年06月12日
《16》国語辞典にあるが漢和辞典にない漢字
そのほとんどは、国字(和製漢字)ではある。そして、国語辞典は、大型のものと広辞苑クラスの中型辞典以上に限られはする。
なかには、広辞苑の難読語一覧に載っていて、大学時代に既に知っていた字もあった。しかし、大漢和辞典はじめどんな漢和辞典にも載っていなかった。だが、国字か否か判断できるほど中国の辞書を見ることができる環境になかった。
「門構えに也」・「門構えに化」は、女陰の意の国字だが、これは『小学館国語大辞典』の難読語一覧で知った。
「船偏に元」も大きな国語辞典になら載っているが、最近まで漢和辞典に載っていなかった漢字だ。国字説もあるが、やや疑問も残る。
これらのことを踏まえ、以前から小学館の日本国語大辞典編集部にお願いしていることがある。
それは、日本国語大辞典の編集に使った用例をすべて使った漢和辞典の編纂である。それができれば、完全に満足できるとまで行かなくとも、かなりのレベルの日本での漢字の受容をあらわす歴史的な漢和辞典ができると考えられるからだ。
今までの漢和辞典は、程度の差こそあれ、中国の古典用例に、JIS漢字などの現代日本の漢字情報を少し足したものだった。
この状態を是非改善していただきたいと考えているが、検索や需要の問題で、なかなか難しいようだ。
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2005年06月11日
《15》学研新漢和大字典
そのなかで、いろいろな方のお世話になり、JIS漢字の規格書に協力者として名前を載せていただいたこともありました。
他のブログや紀田順一郎氏が書いていることでご存知かもしれませんが、私は和製漢字の在野研究者です。
明治・大正時代ならともかく平成のこの世の中で、大学や専門研究機関の研究者や編集部の関係者でないものが漢和辞典の執筆に参加することはないのではないでしょうか。
この漢和辞典の国字項目のすべてに目をとおせたわけじゃありませんので、第二刷のときに手直しをしていただけたらということで、作業を開始しております。
書店や図書館にこの辞書が並ぶようになって、大変なことに参加したんだなと感じております。
PS 中型漢和辞典としては、一番安い辞典ではあるが、高校生用のものと比べるとかなり高いものであるので、それほど売れると思っていなかったが、Amazonのデータからすると、漢和辞典の中で中位ぐらい売れており、同社の『漢字源』より売れていたのには、ちょっと驚いた。
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