アメリカの作家、マイク・ハーナッキーが、究極の成功の秘訣を発見して本に書いて出版したが、書かれた通りにしても効果がなかったという抗議の手紙が沢山寄せられた(電子メールがなかった時代である)。
ハーナッキーの本では、成功のためには、何もする必要はなく、心構えが全てであるとし、その心構えについて書かれていた。
ところが、抗議の手紙の中には、電話一本かければ何とかなりそうな場面で、それすらしていないようなものが沢山あったらしい。
成功のために、何もしなくて良いというのは、喩えて言えば、お金持ちの父親に自動車を買ってくれるよう頼めば、父親がどんな手段で自動車を用意するかは任せてしまえば良いようなものだ。しかし、買ってくれるよう頼まなければ、いかに優しいお父さんでも、何も出来ない。
いや、そもそも、免許を持ってないなら、免許を取らなければならないし、どの自動車が欲しいのか決めなければならない。
そして、こう言うと意外に思うかもしれないが、まず、自動車を欲しいと思わなければならない。
自動車なら、今まで沢山見てきて、単に、漫然と、自分も自動車を持ってたら楽しいかもしれないと思ったことはあったかもしれないが、別に、それほど欲しいとも思わなかった。
だが、ヨガに興味を持つようになり、ヨガスクールに通い始めたら友達が出来、その友達は自動車で通って来ていて、何度か乗せてもらっているうちに、自動車の良さを認識して、自分も欲しいと思うようになる。
つまり、この人は、ヨガに興味を持ち、さらには、ヨガスクールに通うことを始めたから、自動車を手に入れられたと言える。

あまり上手くない例だったかもしれないが、要は、願いの実現とは直接関係なくても、何かを考え動かないと、何も起こらないのである。
そして、何が起こるかは分からない。
分からないが、家でじっとしているよりは、出かけて何かをした方が、はるかに沢山のことが起こる。
アルバイト先で可愛い彼女を見つけた男子大学生がいたが、もし、彼が、親からたっぷり仕送りがあったりで、バイトをする必要がなく、家でゴロゴロしていたら、彼女は出来なかったのだ。
困っている人の役に立ちたいと思って、被災地にボランティアに行ったら、人の不幸につけ込んで、被災した家に侵入して盗みをしている泥棒を見つけ、やめさせようとしたところ、その泥棒が、格闘技でもやっているのか、恐ろしく強くて叩きのめされてしまった。それが悔しくて、空手を習いにいったところ、これが自分に向いていて、実力がつき、それがきっかけで世界が広がる・・・といった感じで、人生が回り始めるかもしれない。

初音ミクさん&巡音ルカさんのデュエット曲『愛Dee』を聴くと、歌全体が、そういったことを、深く美しく、そして、神秘的に語ってくるような気がして、はっとする。

世界はいつだって こんがらがってるから
動かなくちゃ ハート錆びついちゃうね
~『愛Dee』(作詞:Mitchie M・Cotori、作曲・編曲:Mitchie M、歌: 初音ミク・巡音ルカ)~

世界ってのは、何が起こるかは、自分では分からない。
だが、分からないから良いのである。
しかし、我々は、子供の時から、結果が予想出来ることばかりやらされ、そのうち、結果が予想出来ることしかしなくなる。
予備校に通って受験勉強をすれば大学に合格するというのは、結果が予想出来ることをするということだが、下手にそれがうまく行ったら、結果が予想出来ないことが何も出来なくなるかもしれない。
人生は、無駄なこともしなくてはならない。
どんな無駄を、どんな気持ちでやったかが、人生の豊かさを決めるとすら言える。
『愛Dee』を聴けば、そんなことも全部分かるような気がする。
これは、歴史的にも重要な曲であると思う。









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