老害俺「ライトな留学経験ってなんか気に入らないから死ねよ」

近頃なんの面白みもない文章ばかり書き散らしており、そろそろこのブログでも使ってインターネッツという虚空に自分の考えたことを投げつけるという行為のリハビリでも開始しようと思います。ブログで何文字書かなきゃとかあんまり考えないんですけど、ここ数か月のうちに何回か文章を書きかけて、その度に「もうちょっと書かないとエントリとして中途半端だな」と思いつつ途中で満足して消すみたいなことをしていた覚えがあります。だから今日は書いたとこまでで公開することとしよう。
さて、とはいえ長らくこのブログの主要コンテンツであった就職活動とは関係のない身分であるわけですし、最早なんのためにホテルのベッドの上でノートパソコンに向かっているのかも不明な状況ですので、つい先日耳にした会話からお話を始めてみたいと思うのです。

場所:自由の国アメリカは桑港・ロブスターの店
ひとり食事中のmugyuuの耳に日本人大学生と思しき集団の話声

大学生A「いやー、やっぱ日本最強でしょ」
大学生B金門橋とかレインボーブリッジと大して変わらんわ!」
大学生C「こっちはコンビニ少なすぎ。自販機も全然ないし」
大学生D「結局、日本食最強だな。ロブスターもどうせ日本でも食える」
mugyuu 「(同意!)」
大学生E「俺、日本帰りたい…」
mugyuu 「(…)」


ロブスターうんまい
そうそう、私いまアメリカ来てるんですよ。サンフランシスコね。学会兼仕事です。まあ延泊するので遊びも兼ねますが。それにしても寒いわ。朝とか12℃だわ…
んでね、先週末夕飯食ってたらなんかアホっぽい日本語が聞こえてきたので聞き耳たててたら、アホっぽい大学生の集団が日本を恋しがっているわけですよ。確かに日本(つか東京だけど)は日本人にとって最強だと思いますけどね、せっかく観光しに来てるんだしエンジョイ・サンフランシスコだろ!とひとり突っ込みを入れていたんですよ。もったいないじゃない。でもどうやら様子が違っていて

大学生A「にしてもバークレーもう少しダウンタウンの近くにあれよ」
一同 「それな」
大学生B「明日の講義だるいわー」
一同 「それな」
mugyuu 「(こいつらもしやUC Berkeleyなのか!?)」

そう、信じがたいことに彼らはあのUCバークレーで講義を受けているようなのです。なんてこった!日本の若者もグローバルになったもんだなーと一瞬感心したのですが、よくよく考えると今は絶賛夏休み中なわけです。てことはサマースクールかなんかですね。いや、だとしてもその意気やよし。能力値を語学に極振りしてる僕の大嫌いな意識高い系大学生にちがいない。

大学生C「つか、TOEIC700で講義聞き取れるわけないんだよな」
一同 「それな」
大学生D「正直単位取れなくても就活で話せるっしょ」
一同 「それな」
大学生E「俺、日本帰りたい…」
mugyuu 「(…)」

むむむ。TOEICで700とな。それで講義受けるのはちと無理があるんじゃなかろうか。でもUCバークレーで学べる機会なんてそうそうないし、いい経験じゃんか!なんて思いながら、ビール飲みつつスマホで検索。何度か「明治」なる単語が聞こえてきたので調べてみるとこんなページが見つかりました。
UCバークレー・サマーセッション(アメリカ)プログラム:明治大学
どうやら明治大学政経学部がUCバークレーのサマーセッションに学生を送り込んでいるようで、最長10週間の講義を受講させ単位認定している模様。明治大学は就職活動の支援にも力を入れているようで(前職の人事談)なかなか面白い試みと思います。これ、当然ながら双方の大学で交換留学とかやってるわけじゃなくて、従前からUCバークレーが実施してるプログラムに明治が乗っかってるかたちなわけです。しかも参加費は学生の全額負担(っぽい)。学費・寮費等に60万円/6週間+渡航費20万円ってなかなかの出費。それでも就職活動のひとネタとしてはキャッチーだろうという判断なのかもですね。そもそも参加条件がTOEIC700の時点で、現地での講義の理解は念頭になさそうだし。それにしても、僕もお金とチャレンジ精神があれば、こんな体験もしてみる価値はあったなと思う今日この頃です。やっぱね、そうでもせんと語学とかやるモチベーションありませんよ。ほんと、大学院卒業するまでパスポートも持ってなかったやつに英語やれったって、ロンダ用にTOEFLの問題集いやいや解くのが関の山ですわ

UCバークレーは結構こじんまりとしたキャンパスだって聞いた
一月半で80万…と考えると件の学生たちには「お前ら帰りたいとか言ってないで寮かえって予習しろ!」と言ってやりたい気もしますが、はてさてこの留学は誰のためのものなんでしょうね。順当に考えれば、なんとなく留学してみたいと思った明大生が親に言って80万円ポンと出してもらうっていうボンボンシナリオが思い浮かぶ。一方、なんかのタイミングでこの制度を知った親が子供のためを思って無理やり説得するってのもありか…あとは夏中ゴロゴロされても邪魔だからとしあえず追い払おうというネガティブシナリオだってあるかも…
ただ悲しいかな、ロブスター屋の会話からは、留学のためにせっせとバイトをして80万なりその一部を自分で貯める勤労学生シナリオはどうしても思い描けないのでした。今時流行らないこんな学生象を押し付けられる彼らも迷惑かもだけど、仕事や論文や研究発表で英語のできなさにしばしば死にたい気持ちにさせられる身としては、今の君たちの環境をしっかり生かしたまえよ!なんて老害じみた言葉が自然とこぼれてしまうのでしたとさ。
ま、つい1〜2年前まで明治大学にしか入れない学力の持ち主だったわけだから、80万円かけたところで何が変わるってわけでもなかろう。それよりその金俺によこせよ。