■国民が悲しみと自責の念で過ごした日曜日 | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

被害高校のある安山市は市民全体にPTSDが心配されます。写真は安山市民によるキャンドル集会。



●心配される急性ストレス障害


国民が一日中テレビの前を離れられない日曜日でした。犠牲者が発見されるたび、無限の未来を守られてしかるべき子供たちを助けてあげられなかったという悲しみと自責の念で、国民皆が正常ではいられないような状況です。


メディアには「子供たちを死地に追いやった大韓民国号の沈没」、「資本主義に汚れた既成世代、人間性の抹殺」などの言葉、また今日はキリスト教の復活節の日曜日でしたが、キリスト教が主流宗教の韓国として、「復活節を迎えて韓国教会が悔い改めるべき」などという見出しも見られていました。


すでに救助された生徒たちも、多くがうつ症状などの深刻な心理的ダメージを抱えているとのことですが、それだけでなく安山壇園高校生徒たち皆に心理治療と回復プログラムを並行する必要があるということで、24日からの登校再開に向けて準備がされています。


さらに、同校がある安山市の市民全体が、ひどいトラウマ、耐え切れない悲しみと怒りを抱えて急性ストレス障害(PTSD)が心配されると報道されていました。



●悲しみ慰める行事も必要


日本の震災の時と同じく、国民たちに、あまりテレビを見続けないようにすることが指導されている中、各地で行われている「祈り」の集まりは、参加する人自身の悲しみを慰める意味もあるのではないかと思われます。


折りしも「復活節」を迎えて、各地で「連合礼拝」や「合同ミサ」が捧げられましたが、「キリスト教倫理実践運動」は、「2014復活節緊急提案」と題した声明を発表し、「哀悼と慰労の復活節を送ろう」、「犠牲者たちを哀悼し、遺族たちを慰労し、生存者の無事帰還のために祈ろう」と訴えていました。


また一つの変わった記事として、日刊紙『京郷新聞』には、9月に結婚を予定していたにもかかわらず、今回の事故で共に死亡が確認された、イベント会社男性従業員のキム・ギウン(김기웅、27)さんと乗務員のチョン・ヒョンソン(정현선、27)さんが、両家の両親の話し合いのもと、葬儀の後に「霊魂結婚式」を挙げることになったという報道がありました。


「霊魂結婚式」(略して霊結式)は、私たちには異様に思えるかもしれませんが、韓国の伝統文化として、このような胸痛い事故の状況などで、遺族が死者の慰霊と同時に、生きている者たちの悲しみを慰めるために行う伝統行事でもあります。大学4年生で、学費稼ぎのため、船で花火イベントを担当していたキムさんは、チョンさんと4年前から交際関係にあったとのことです。



●「引き揚げより救助」と決議


ところで、油断すれば100mも流されるという潮流と、20~30センチしか視野を確保できない海の深さが、遅々として成果を上げられない理由なら、まず船体引き揚げを先にすべきという意見もあります。


しかし、引き揚げ自体による生存者の危険と、それにかかる長時間の間、また捜索が中断されるということから、賛否両論が飛び交い、結果的に今日、不明者家族が代表会議を経て出した結論が、船体引き揚げより救助を先にということなのだそうです。


昨日までの大潮も終わり、これから、海流のおとなしい小潮期に入ったことで、最高秒速2.8mあった海流の速度が、最高でも1mというところまで下がるようになるとともに、高気圧によって天気もよくなったということで、5本に増えたガイドラインを利用して、今夜も夜通し照明弾をうち上げ続けながら必死の徹夜捜索が行われるということです。あまり思いつめないようにしなければなりませんが、いっぽうで必ずよい知らせがあると信じてやみません。



葬儀の後、「霊魂結婚式」を経て納骨されるというキム・ギウンさんとチョン・ヒョンソンさん。



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