■「ドゥーリー・ミュージーアム」を見学してみました!*´▽` | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

韓国の国民キャラクター「ドゥーリー」(緑の子)です。「ドゥーリー・ミュージーアム」にて。


我が妻と一緒に近所の山に続く散策路を登ったり降りたりしていたら、今年の夏にできたと話だけ聞いていた「ドゥーリー・ミュージーアム(둘리 뮤지엄)」に出くわしました。メインの棟に入ると1階が子供向けの「ドゥーリー図書館」となっていて、入場料を払って2階に上がれば子供たちが楽しめるいろいろなアトラクションがあるということでした。


韓国の子供向けアニメというと日本からの輸入品がほとんど大勢を占める中で、何とか唯一そこに並んで人気を博すことができたのがこの『赤ちゃん恐竜ドゥーリー(아기공룡 둘리)』です。1983年に初めてマンガ雑誌に登場し、1987年からはアニメ化もされて大人気となることで、80年代の子供たちが皆、このキャラクターのグッズに囲まれて育ち、今ではすっかり韓国の「国民キャラクター」といわれるようになりました。



●「ドゥーリー」に感じる違和感


ところで、日本人としてこのアニメを見た時に、ドラえもんやオバQなどと違う、さまざまな違和感を感じることができます。話自体は楽しく面白いのですが、心のどこかに残る違和感です。


1億年前に氷河の中に閉じ込められ、それが溶けて氷河に乗って韓国に流れ着いた主人公の緑色の赤ちゃん恐竜「ドゥーリー」は、「コ・ギルドン」というオジサン一家の住む家の居候となります。さらに宇宙人の子「ドウナー」、ラスベガスのサーカスを逃げ出してきたダチョウの子「トッチ」も一緒に暮らすようになって、仲良し3人組となるわけですが、ここで最初の違和感は、その家に、ドラえもんにおける「のび太」やオバケのQ太郎における「正ちゃん」のような、異世界の彼らを迎える相対がいないことです。それはなぜでしょうか?


おそらく、日本のアニメで、異世界の主人公であるドラえもんやQちゃん以外に、彼らを迎える「のび太」や「正ちゃん」という、平凡で視聴者が親近感を抱ける「副主人公」が必要なのは、私たち日本人が「受身」の立場でそのドラマ世界に入っていくからであり、韓国人の場合は「主体」の立場で主人公「ドゥーリー」自身に直接、感情移入するからでないかと思います。「ドゥーリー」は、1億年前の自分が暮らしていた世界を「失った故郷」として恋しがり、「オンマ、アッパ」にいつか逢いたいという夢を抱いています。まさにそれは、国家が南北に分断された韓国民族自身の民族的郷愁でもあり、「ドゥーリー」は韓国の国民を代表しています。


もう一つの違和感は、彼らが居候する家の主人であるオジサン「コ・ギルドン」がどういう立場かというと、いつでも「ドゥーリー」たちを追い出して「人間だけで暮らしたい」と思っている、彼らの「天敵」だという設定なのです。この家には息子娘もいて、さらに父母が米国に留学してしまったために預けられているという「ヒドンイ」という姪っ子(赤ちゃん)もいるのですが、そのような家族を養っている一家の長「コ・ギルドン」が意地悪な、主人公の「敵」であるという設定は、韓国の家父長権力に対するパロディであろうと思います。何といっても「ドゥーリー」は、仲間たちには自分がその家の「主人」なんだといい、「コ・ギルドン」は「ペット」なんだとのたまったりするんですよね。ちょっとそのあたりは大人向けの設定ともいえる部分なんですが。(^^;)



●それでも主力は日本のアニメ?


というわけで、実は他でもなく、その「コ・ギルドン」一家が住む家の所在地というのが、私が今住んでいる同じ町内だという設定なのでした。それでその「ドゥーリー」の舞台であるうちの近所に「ドゥーリー・ミュージーアム」ができたということなんですね。


それはそうと、この入り口で、今やっているアニメ劇場のラインナップを見たら、『フランダースの犬』、『赤毛のアン』、『けろっこデメタン』、『グスコーブドリの伝記』、手塚治虫原作の『ぼくの孫悟空』と、すっかり日本のアニメが目白押しでした。その企画テーマは「子供と一緒に観たいあの頃のアニメ劇場“お母さんが小さい頃はね”」。もちろん、子供とそのお母さんをターゲットにした企画であるとはいえ、「国民キャラクター」の「ドゥーリー・ミュージーアム」でもやっぱり主力は日本のアニメーションだったという話ですね。韓国人の思い出のアニメも、私たちのそれとまったく同じなんですね。(*´▽`)



我が家の近所にこの夏に出現していた「ドゥーリー・ミュージーアム」。


1階は「ドゥーリー図書館」。


小さい子向けであり、おもちゃで遊ばせる場所もあります。


いくつかの棟に分かれていて、入りませんでしたが、子供は楽しめそうですね。


今どきすごいマンガ表現だなあ。


これが「子供と一緒に観たいあの頃のアニメ劇場」のラインナップ。『グスコーブドリの伝記』はご存知、宮沢賢治の童話ですが、なぜか解説として「『銀河鉄道999』原作」となってました。間違いではありますが、たぶん韓国でも人気の『銀河鉄道999』のモチーフとなった『銀河鉄道の夜』と作者が同じだ、ということがいいたいんでしょうね。当然、作品自体を観ればそれが間違いであることは分かるはずですが。^^;



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