先日行った、ソウル首都圏に暮らす日本人主婦の方々へのセミナーに参加された方々の感想文が送られてきたので、ご紹介しようかと思います。正式名称は「健康家庭・多文化家族支援センター」主催の「多文化家族二重言語環境造成事業」プロジェクトですね。

今回は日韓両国の文化史であり、思想史の内容でもあるということで、難しい内容をずっと画面を見ながら解説してしまったために、実は反応がよく分からずに不安だったんですよね。でも感想文を拝見してみると、皆さん、本当にポイントをよく理解していらっしゃって、驚くとともに感謝しました。さすが、日々困難を克服して国や文化の壁を乗り越えていらっしゃる方々ですね！(*´▽｀)

●「負け」を認れば国がなくなっていた

以下の感想文に出てくる内容について一つだけ解説させていただきますと、歴史を通して韓国が、半島国家としてあまりにも頻繁に外国の侵略被害にあってきた上で、一度は実際に国がなくなり、独立後も今度は思想の侵略によって国が分断して、今も事実上の戦争中にある国として、私たちとは歴史背景が違わざるを得ない、という話をしました。

それが、宗教を重んじ「ハヌル（天）」を信じる楽観的な民族でありながら、いっぽうで、絶対に「負ける」ことができない、自分を自分で守るしかないという「自尊」という立場です。もしも韓国が本当に潔く「負け」を認める国であったとしたなら、中国に支配された後は中国になっていたし、日本に支配された後は日本になっていたはずです。しかし、独自の民族として残り続けることが可能であったのは、いわゆる韓国人が「負けを認めない」という性格ゆえであって、それが私たちの目にはどうしても、「韓国人は自分の非を認めない」というように見えるということなのです。

しかし、そのような背景や事情をしっかり分かって、私たち日本人がむしろ島国的な私たち自身の性格を活かした、「名を捨てて実を取る」という立場を取ることができれば、両国民の関係はうまく行くだろうということもいえます。たとえば、今回のように国際結婚をした日韓の夫婦の場合なら、韓国人の旦那さんに無理に「非」を認めさせることをせずに体面を立ててあげることによって、実際には内心でむしろ奥さんに頭が上がらなくなり、結果的にこちらのいうとおりにしてくれるようになる、ということがいくらでも起こり得ます。これこそがまさに「負けて勝つ」という世界です。

すなわち、韓国は半島国家として生き残る上で、いわば地政学的にそういう立場に立たざるを得なかったのであって、こちらとしては無理に対抗するよりも、「名（体面）」さえ保たせれば、実際の「実利」はむしろこちらに持たせてくれるということになります。たとえばそれが、2002年の日韓共催W杯の時に、英語表記を「2002 FIFA World Cup Korea/Japan」とすることによって、一番のハイライトとなる決勝戦を日本でやることが簡単にまとまった、というような形ですよね。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

・とても興味深く面白い講義でした。日韓の歴史の奥深さに驚きました。今まで嫌なことがあったら「文化の違いだから仕方ない」とただあきらめていた部分もありましたが、これからは少しは理解できる気がします。ありがとうございました。

・今日はお疲れ様でした。韓国人の性格の背景が分かって、今までは理解できなくてイライラしていましたが、これからは歴史的な深い背景があるから仕方ないんだと思えるような気がします。参加してよかったです！

・なかなか難しい内容でしたが、実は日本と韓国はとても親密な文化的歴史があったんですね。私たち在韓日本人だけでなく、日本人妻を持つ韓国人男性たちにも、こういった背景を知る機会があったらと思いました。

・九州と韓国のつながりの深さとか、日本はなぜ「和」を強調するのか、侵略を恐れることによる韓国人の性格…などが分かり、点が線になってつながったような講義でした。さっそく夫に話してみたい気持ちになりました。歴史の話になると攻撃的になりがちですが、お互いの国の背景の違いを理解し合えたらいいなと思いました。将来、子供に伝えるためにも参加してよかったと思いました。分かりやすい講義をありがとうございました！

・今回の講義では特に、日本と韓国は何だか双子の兄弟のようだな、と感じられました。また、どちらが先で兄なのか、どちらが後で弟なのかを、長い時の流れの中で兄弟喧嘩をしているように感じられました。仲がよくなったり悪くなったり、いろいろありますが、日本と韓国はベストパートナーな気がします！おそらく、お互い認めたくないかもしれないですが…。お互い気分が悪くなるかもしれないと思って、韓国の方と歴史の話をすることを今まで避けてきましたが、お互いの立場を配慮しながら歴史についてと、これからの関係について話し合える勇気をもらえた気がします。ありがとうございました！

・歴史、文化、思想と膨大な範囲の中で難しい内容にも関わらず、知識がなくても分かりやすく楽しんで講義を聴けました。本当に貴重な時間をありがとうございます。日本と韓国の歴史的背景から、類似点や違いなどがよく分かったことで、家庭でも葛藤していた、「自分の非を認めない」という韓国人に共通する性格の理由がスッキリと納得できました。家庭でも、今までの葛藤の歴史以上にいい影響を与え合える新しい歴史をつくっていけるように学び続けたい、と転換してもらえたことに感謝です！ありがとうございます！

・今日はありがとうございました！内容は難しかったですが、昔から日本と韓国は切っても切れない縁なんだなって思いました。今、日本では、ヘイトスピーチや嫌韓意見が広がっていてたいへん残念ですが、自分の先祖がもしかしたら朝鮮とつながっていたと考えたら、そういう行動には至らないのになあと、改めて日韓の関係改善を望み、まずは自分の家庭からだなって思いました。また旦那と話したいと思います。

・初めて息子抜きで、最初から最後まで通して講義を聴くことができました！今回は歴史で、名前を覚えたりが少し難しかったですが、日韓は文化的にも歴史的にも近くて遠いというか、大陸と島でバックグラウンドがぜんぜん違うんだなと思いました。 自分の夫の国のことなのに歴史的視点から考えてみたことはなかったので、講義に出席できてよかったです。

・日韓の関係について何も知らなかったし、知ろうとしてこなかったということを改めて気づきました。今後、子供たちが大きくなり、日韓の関係で悩む日も来ることだろうと思います。その時に少しでも力になれるように知識を深めていかなければ、と思いました。難しい内容ですが、分かりやすく教えていただき感謝しています。ありがとうございました。

・今回の講義もためになりました。自信たっぷりの韓国人の性格は宗教に支えられているんだと分かりました。次回の講義も（あることを願いながら）楽しみです。

・とっても良かったです。地名などを見ても両国がつながっていたことが分かり、面白かったです。自分でも調べてみたい気持ちにもなりました。

☆｡.:*:･'☆'･:*:.｡.:*:･'゜☆｡.:*・'゜☆

韓国情報ランキングに、現在参加中です。


↑上のバナーをクリックするだけで、一票が入ります!
更新を願って下さる方は、よろしくお願いいたします。