気象予報士Kasayanのお天気放談さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/archives/39433828.html
<転載開始>
台風12号に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の影響で、九州や四国方面で激しい雨が降り続いています。
気になる方も多いでしょうから、今後の雨の降り方については、後で詳しくチェックするとして・・・・
始めに、天気予報番組などではお茶を濁したような解説になっている台風11号の動向について、詳しくチェックしておきましょう。
まず、気象庁の予想進路図(5日間予想)と、米軍(JTWC)の予想進路図の比較をしておきましたが、7日頃、奄美付近に北上してくるということはわかりますけど、問題のその先・・・本州方面への影響がわかりません。
米軍(JTWC)予想進路図: http://www.usno.navy.mil/JTWC/
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/archives/39433828.html
<転載開始>
台風12号に流れ込む暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)の影響で、九州や四国方面で激しい雨が降り続いています。
気になる方も多いでしょうから、今後の雨の降り方については、後で詳しくチェックするとして・・・・
始めに、天気予報番組などではお茶を濁したような解説になっている台風11号の動向について、詳しくチェックしておきましょう。
まず、気象庁の予想進路図(5日間予想)と、米軍(JTWC)の予想進路図の比較をしておきましたが、7日頃、奄美付近に北上してくるということはわかりますけど、問題のその先・・・本州方面への影響がわかりません。
米軍(JTWC)予想進路図: http://www.usno.navy.mil/JTWC/
もっとも、気象庁が発表しているGSMモデル(スーパーコンピューターのシミュレーション)や、アメリカの気象機関が発表しているGFSモデル、ヨーロッパ中期予報センターが発表している計算値には、「その先」が存在します。
日本の気象業務法上、気象庁の台風情報以外の予報を発表することは禁じられているため、天気予報番組などでは予想進路図の先については曖昧な表現しか使えません。
でも、「その先」の計算値が存在し、インターネット上で誰でも閲覧することができる以上、その先に「こんな計算値がありますよ」というご紹介は可能です。
この時期、夏休みの計画が立てられずモヤモヤしている方も多いでしょうから・・・Kasayanとしては、「計算値を素直に読み取ればこうなる」ということを、連日ご紹介しているわけですが・・・
まずは気象庁が発表しているGSMモデルで、予想進路図のその先をご紹介。
上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空約5800m付近の気圧配置。
下段の図は、普通の天気図と同じ地上の気圧配置と降水量、そして風の様子を表現しています。
まずは上段の図から・・・
8日~10日にかけて、台風11号の東進をブロックしていた上空の太平洋高気圧(サブハイなんて言います)が南東方向に弱まってくることがわかります。
そして、台風を足早に北東に運ぶ偏西風の強風帯が南下。
このため、9日から10日にかけて、台風11号が西日本に上陸?日本海に抜けて北日本方面に進むことが計算されています。
そして、このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・台風11号は9日午前中まで九州南部付近に停滞し、九州や四国などに長時間激しい雨を降らせ・・・
その後、台風の東~南側に激しい雨と強風をもたらしながら北東進することが予想されています。
昨日の記事でご紹介した計算値よりやや西よりを北東進するコースに変化し、北東進のタイミングも遅くなっているので、まだまだ計算値が定まらない状態ですけど・・・・
いずれにしても、予想進路図の先は日本付近に北東進(右側にカーブする)という点は一致しています。
続いて、アメリカの気象機関(NOAA)が発表しているGFSモデルと、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)が発表している計算値を比較しておきましょう。
アメリカ海軍HP: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター: http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts
GFSモデルは9日09時の予想、ECMWFの計算値は10日21時の予想を引用してありますが、GFSモデルは気象庁のGSMモデルとほぼ同じ位置、ECMWFの計算値は日本海西部に台風を予想しています。
気象庁のGSMモデルも日替わりで進路や速度に変化があり、他国の計算値も日替わりで変化し・・・さらに各国の計算値が今一つ一致していないという段階ですけど・・・やはり台風が北東進するという可能性は高いと言えそうです。
つまり・・・台風12号とは異なり、台風11号は日本付近に直接の影響を与える可能性が高そう・・・ということだけは言えますから(防災に関する情報なのでKasayanもかなり控えめな表現にしています)・・・
お茶を濁した表現で申し訳ありませんけど・・・以上の計算値を参考にして、ご自分なりに安全マージンをとった夏休みの計画、台風の対策をしていただけると幸いです。
ということで・・・ここからは今日の空模様。
今週末も長野県と新潟県の県境に位置する信濃町、野尻湖畔の山小屋からブログを更新しています。
今朝の最低気温は17.8℃(05時02分)。
半そででは少々肌寒い朝でしたが、8時過ぎには早くも24℃を越えてきました。
そんな今朝の実況。
昨日の朝と比較し、台風12号がちょっぴり北上しただけで、気圧配置に大きな変化は見られません。
このため、九州や四国方面には、台風東側に流れ込む南西風と、太平洋高気圧西側縁辺の南東風が集まって、南海上の暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が流入し続け・・・活発な雨が降り続いてる状態。
九州や四国方面では、降り始めからの降水量がすでに500ミリを超えたところもあって、各地に土砂災害や洪水に関する警報が発表されています。
ということで・・・この状態が今後も続いてしまうのか?ということが心配されるわけけすが・・・
まずは普通の天気図を使って、明日夜までの気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。
九州や四国方面で活発な雨が降り続くという状況・・・少なくとも明日の夜まで続く模様。
災害の発生がなければ良いのですが・・・・
一方、上空に寒気が残り、暖湿気=雨の原料が流れ込みやすい東日本方面も、引き続き大気の状態が不安定。
雷雨の発生しやすい状態が続くことが予想されます。
で・・・このような状態・・・今朝発表された短期予報解説資料(プロ用の資料)には、比較的簡単な言葉で明瞭に記載されていましたので、抜粋してご紹介しておきましょう。
一日2回更新されますから、おもしろそうだな?と感じた方は、最新の資料をチェックしてみてください。
短期予報解説資料掲載HP: http://n-kishou.com/ee/
では、いつものように、今日の空模様を専門の天気図(気象庁GSMモデル)を使って詳しくチェック。
この図の見方は、冒頭で紹介した図と同じですから、図中の書き込みをお読みいただければわかりますよね?
一言で言ってしまえば・・・
上空の太平洋高気圧が台風12号の東進をブロックするので・・・台風12号はノロノロと北上し・・・
似た気圧配置が続くので・・・九州や四国方面で大雨が続き、東日本中心に雷雨が発生しやすい
・・・ということになります。
続けて、天気予報番組では天気図上に赤い矢印で表現されることが多い「暖かく湿った空気」(暖湿気=雨の原料)の流れ込みの様子。
この図も一言でまとめてしまうと・・・
九州や四国方面に強い暖湿気が流れ込み続け・・・東日本にもその一部が流れ込んでくるので・・・
九州や四国で大雨が続き、東日本では雷雨が発生しやすい
・・・ということになります。
ということで、最後は解像度の高いMSMモデル(シミュレーション)で、今日~明朝の空模様を具体的にイメージ。
紫色は下層雲。
誰が見ても、九州や四国・・・そして今夜以降は、紀伊半島方面も含めて大雨に厳重警戒!!ということがわかると思います。
そして・・・台風12号でこれだけの雨が降った後・・・台風11号が追い打ちをかけるおそれもあるわけですから・・・
目先の気象情報に加えて台風11号の今後の情報も・・・こまめにチェックしていただきたいと思います。
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
<転載終了>
日本の気象業務法上、気象庁の台風情報以外の予報を発表することは禁じられているため、天気予報番組などでは予想進路図の先については曖昧な表現しか使えません。
でも、「その先」の計算値が存在し、インターネット上で誰でも閲覧することができる以上、その先に「こんな計算値がありますよ」というご紹介は可能です。
この時期、夏休みの計画が立てられずモヤモヤしている方も多いでしょうから・・・Kasayanとしては、「計算値を素直に読み取ればこうなる」ということを、連日ご紹介しているわけですが・・・
まずは気象庁が発表しているGSMモデルで、予想進路図のその先をご紹介。
上段の図は、地上の空模様の骨格にあたる上空約5800m付近の気圧配置。
下段の図は、普通の天気図と同じ地上の気圧配置と降水量、そして風の様子を表現しています。
まずは上段の図から・・・
8日~10日にかけて、台風11号の東進をブロックしていた上空の太平洋高気圧(サブハイなんて言います)が南東方向に弱まってくることがわかります。
そして、台風を足早に北東に運ぶ偏西風の強風帯が南下。
このため、9日から10日にかけて、台風11号が西日本に上陸?日本海に抜けて北日本方面に進むことが計算されています。
そして、このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・台風11号は9日午前中まで九州南部付近に停滞し、九州や四国などに長時間激しい雨を降らせ・・・
その後、台風の東~南側に激しい雨と強風をもたらしながら北東進することが予想されています。
昨日の記事でご紹介した計算値よりやや西よりを北東進するコースに変化し、北東進のタイミングも遅くなっているので、まだまだ計算値が定まらない状態ですけど・・・・
いずれにしても、予想進路図の先は日本付近に北東進(右側にカーブする)という点は一致しています。
続いて、アメリカの気象機関(NOAA)が発表しているGFSモデルと、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)が発表している計算値を比較しておきましょう。
アメリカ海軍HP: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター: http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts
GFSモデルは9日09時の予想、ECMWFの計算値は10日21時の予想を引用してありますが、GFSモデルは気象庁のGSMモデルとほぼ同じ位置、ECMWFの計算値は日本海西部に台風を予想しています。
気象庁のGSMモデルも日替わりで進路や速度に変化があり、他国の計算値も日替わりで変化し・・・さらに各国の計算値が今一つ一致していないという段階ですけど・・・やはり台風が北東進するという可能性は高いと言えそうです。
つまり・・・台風12号とは異なり、台風11号は日本付近に直接の影響を与える可能性が高そう・・・ということだけは言えますから(防災に関する情報なのでKasayanもかなり控えめな表現にしています)・・・
お茶を濁した表現で申し訳ありませんけど・・・以上の計算値を参考にして、ご自分なりに安全マージンをとった夏休みの計画、台風の対策をしていただけると幸いです。
ということで・・・ここからは今日の空模様。
今週末も長野県と新潟県の県境に位置する信濃町、野尻湖畔の山小屋からブログを更新しています。
今朝の最低気温は17.8℃(05時02分)。
半そででは少々肌寒い朝でしたが、8時過ぎには早くも24℃を越えてきました。
そんな今朝の実況。
昨日の朝と比較し、台風12号がちょっぴり北上しただけで、気圧配置に大きな変化は見られません。
このため、九州や四国方面には、台風東側に流れ込む南西風と、太平洋高気圧西側縁辺の南東風が集まって、南海上の暖かく湿った空気(暖湿気=雨の原料)が流入し続け・・・活発な雨が降り続いてる状態。
九州や四国方面では、降り始めからの降水量がすでに500ミリを超えたところもあって、各地に土砂災害や洪水に関する警報が発表されています。
ということで・・・この状態が今後も続いてしまうのか?ということが心配されるわけけすが・・・
まずは普通の天気図を使って、明日夜までの気圧配置の変化と空模様の関係を、大ざっぱに把握しておきましょう。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
九州や四国方面で活発な雨が降り続くという状況・・・少なくとも明日の夜まで続く模様。
災害の発生がなければ良いのですが・・・・
一方、上空に寒気が残り、暖湿気=雨の原料が流れ込みやすい東日本方面も、引き続き大気の状態が不安定。
雷雨の発生しやすい状態が続くことが予想されます。
で・・・このような状態・・・今朝発表された短期予報解説資料(プロ用の資料)には、比較的簡単な言葉で明瞭に記載されていましたので、抜粋してご紹介しておきましょう。
一日2回更新されますから、おもしろそうだな?と感じた方は、最新の資料をチェックしてみてください。
短期予報解説資料掲載HP: http://n-kishou.com/ee/
では、いつものように、今日の空模様を専門の天気図(気象庁GSMモデル)を使って詳しくチェック。
この図の見方は、冒頭で紹介した図と同じですから、図中の書き込みをお読みいただければわかりますよね?
一言で言ってしまえば・・・
上空の太平洋高気圧が台風12号の東進をブロックするので・・・台風12号はノロノロと北上し・・・
似た気圧配置が続くので・・・九州や四国方面で大雨が続き、東日本中心に雷雨が発生しやすい
・・・ということになります。
続けて、天気予報番組では天気図上に赤い矢印で表現されることが多い「暖かく湿った空気」(暖湿気=雨の原料)の流れ込みの様子。
この図も一言でまとめてしまうと・・・
九州や四国方面に強い暖湿気が流れ込み続け・・・東日本にもその一部が流れ込んでくるので・・・
九州や四国で大雨が続き、東日本では雷雨が発生しやすい
・・・ということになります。
ということで、最後は解像度の高いMSMモデル(シミュレーション)で、今日~明朝の空模様を具体的にイメージ。
(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
紫色は下層雲。
誰が見ても、九州や四国・・・そして今夜以降は、紀伊半島方面も含めて大雨に厳重警戒!!ということがわかると思います。
そして・・・台風12号でこれだけの雨が降った後・・・台風11号が追い打ちをかけるおそれもあるわけですから・・・
目先の気象情報に加えて台風11号の今後の情報も・・・こまめにチェックしていただきたいと思います。
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
<転載終了>