マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-52dd.html
<転載開始>

2014年11月21日
William Engdahl

ハンガリーと国民全体の利益を目指す民族主義者、オルバーン・ヴィクトル首相は、ワシントンの政治エリート連中から照準を定められている。彼の犯罪は、破滅的なことが多いブリュッセルの欧州委員会の命令に屈しないことだ。ハンガリーの国家意識を明確にしようとしたこと。だが彼の大罪は、ロシアとの関係を深めたこと、ロシアのサウス・ストリーム ガス・パイプラインを、ハンガリー経由で、EUにもたらすガスプロムとの協定に署名して、ワシントンに反逆したことなのだ。

オルバーンは、1998年に、ハンガリーで二番目に若い首相に選出されて以来、政治的遍歴を経験した。当時彼は、ロシアの抗議にもかかわらず、ハンガリーは、ポーランドやチェコ共和国と共に、NATOへの加盟し、更にEUへの加盟を監督していた。首相として、EUの中で経済的に遥かに繁栄していた時期に、オルバーンは税金を引き下げ、資格要件を満たす学生の大学学費を無償にし、出産手当を増額し、ドイツ産業を、低賃金ハンガリー人労働者で引きつけた。当時の彼のアメリカ人“顧問”の一人はカラー革命黒幕ワシントンのNGO、フリーダム・ハウスとつながるジェームズ・デントンだった。オルバーンは、ワシントン・ネオコンのお気に入りに見えた。2001年、ネオコンのアメリカン・エンタープライズ研究所から「自由賞」を授与された。

ところが、2010年、6年間の野党生活後、今度は彼の党、フィデス-ハンガリー市民同盟、略称フィデス圧倒的多数で、オルバーンは復活した。実際フィデスは、議会で、68%という圧倒的多数で勝利し、憲法を改訂し、新法を成立させるのに必要な議席を得、実際そうした。皮肉なことに、目くそ鼻くそを笑うの典型で、アメリカ合州国のオバマ政権と、欧州議会は、フィデスに権力を与え過ぎたと文句を言っている。欧州緑グループのダニエル・コーン=ベンディットは、オルバーンのハンガリーが、ベネズエラのウゴ・チャベスを手本にしているといって非難した。彼が、政治的に従順なEU政治家連中の為に承認された、ブリュッセル規則集に従っていないことは確実だ。フィデスは、EUマスコミによって、ハンガリー版統一ロシアとして、そしてオルバーンは、ハンガリー版プーチンとして、悪魔化され始めた。それは、2012年のことだった。

今や彼等はアメリカの大西洋主義者連中やEUの家臣どもにとって憂慮すべきものとなっている。オルバーンは、ロシアの重要なサウス・ストリーム・ガス・パイプライン建設停止というEUの要求に逆らったのだ。

ロシアのサウス・ストリーム ガス・パイプラインは、ドイツ-ロシアのノルド・ストリームと共に、EUへのガスが、ウクライナでの戦争を迂回できることを保障するが、これはワシントンが、明らかな理由で、激しく反対している代物だ。

1月 オルバーン政権は、元々ソ連時代に、ロシアの技術で建設された、ハンガリー唯一のパクシュ原子力発電所の改装で、ロシア国営原子力発電企業と、100億ドルの契約をしたと発表した。

これは、ワシントンの注意をひいた。この夏オルバーンが、アメリカ合州国を、アメリカの銀行と、アメリカの緩い規制が引き起こした世界的な金融危機を、究極的に解決しそこねていることで批判し、より良いモデルとして、中国、トルコとロシアを称賛した時も同様だ。彼は私が良く使う表現とさほど変わらない言葉でこう宣言した。欧米民主主義“は、おそらく、今後数十年、彼等のグローバルな競争力を維持することは不可能で、自らを大きく変えることができなければ、規模を縮小することになろう。”更に、オルバーン政権は、ハンガリーを、何十年もの略奪的なIMFの束縛から解放することに成功した。2013年8月、ハンガリー経済省は“規律ある財政政策のおかげで”IMFの借金残額22億ドルを返済したと発表した。もはや、IMFに強いられる国営企業民営化や、厄介な諸条件とはおさらばだ。ハンガリー中央銀行の総裁がIMFに、ブダペスト事務所の閉鎖を要求した。更に、アイスランドを思わせる調子で、この国に負わせた犯罪的金額の国家債務のかどで、検事総長が、三人の元ハンガリー首相を起訴した。これは、EUの一部の首都やワシントンやウオール街の連中に、確実に冷や汗をかかせる前例になるだろう。

しかし、オルバーンと彼のフィデス党が、EUの規則に違反するというEUの主張を無視して、隣国オーストリアと共に、サウス・ストリーム・ロシア・パイプラインを許可した際、本当の警鐘が鳴った。11月6日ミュンヘンでのドイツホルスト・ゼーホーファーとの会談で、オルバーンはこう宣言した。“Es lebe die osterreichisch-ungarische Energiemonarchie”(オーストリア-ハンガリー・エネルギー君主体制は生きている。)

アメリカ・エリートはすぐさま警鐘を鳴らした。超体制派のニューヨーク・タイムズは、“ハンガリーの危険な滑落”という論説を掲載した。連中はこう書いた。“ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相の政権は独裁主義へと滑落しつつあり、欧州連合の基本的価値観に逆らい、そこから抜け出そうとしている。”

ニューヨーク・タイムズ紙は、ワシントンとウオール街による警鐘の本当の理由を明らかにした。“ハンガリーによる、つい最近の欧州連合に対する軽蔑の表現は、ロシアのサウス・ストリーム天然ガス・パイプラインが、ハンガリーを横断することを可能にする月曜日の法律制定だ。新法は、9月の欧州議会による、加盟国に対する、サウス・ストリームを取りやめるようにという呼び掛けと、ウクライナにおけるでロシアの行動後に、欧州連合とアメリカ合州国が課した対ロシア経済制裁に対する、明らかな違反である。反民主的政策を巡るなまぬるい懸念を表明するのではなく、欧州連合は、ハンガリー制裁に動くべきだ。欧州委員会委員長ジャン=クロード・ユンケルは、ナブラチチ氏の辞任を強いるよう権力を行使すべきだ。”ナブラチチ・ティボルは、新たな文化・教育・青年・スポーツ担当欧州委員会委員に任命されたばかりだが、このブリュッセルの地位が、ガス・パイプラインとは、ほとんど関係がないことはほぼ確実だ。

全米民主主義基金や、アメリカ政府が支援するいつものNGO連中が、ウクライナで、アメリカが生み出したとんでもない状況の影響を、ハンガリーのエネルギーが受けないようにしようとした、彼の許されざる犯罪のかどで、フィデスやオルバーンに対する大衆抗議行動を立ち上げる口実を、やがて見つけ出すことになろう。

F. William Engdahl(ウィリアム・イングドール)は、戦略的危機コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学の世界的ベ ストセラー本の著者。本記事は、オンライン雑誌“New Eastern Outlook”独占。

記事原文のurl: http://journal-neo.org/2014/11/21/hungary-s-viktor-orban-washington-s-new-enemy-image/
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「死亡記事欄」で國弘正雄氏の逝去を知った。NHK英語会話、毎回楽しく拝見したものだ。

才能の乏しさゆえ、発音も文法も全く進歩しなかったが、英語やアメリカに対する考え方を教えて頂けたような気がしている。高校英語の先生方も皆様素晴らしかったが、國弘正雄氏のテレビ講義が一番楽しく、有り難かった。聞き取りの勉強をしながら、興味深いイディオムを教えて頂いた。著書も多数拝読している。何度も繰り返して読ませて頂いているものも多い。

ユンカーマン氏の映画「日本国憲法」を見に行った際、当時既にご高齢の國弘正雄氏横に立っておられた。一言お礼をいっておくべきだったかと反省している。

この島国の有象無象与党・偽装野党政治家諸氏、果敢に国益になるはずの政策を推進するオルバーン・ヴィクトル首相の爪の垢を煎じて飲んでいただきたいもの。

所詮たまが違うのだろうか。国の文化が違うのだろうか。国民の質が違うのだろうか?

欧州緑グループのダニエル・コーン=ベンディット、確か68年頃のスチューデント・パワーの先駆者だったような。あれは、現在のカラー革命の旧版ではあるまいかと思っている。全共闘運動経験者あるいはシンパ、有名人が多い様な気がする。当時の言い分とは裏腹に、事実上の体制派が多い。例えば、猪瀬直樹、仙石由人といった方々。

オルバーン・ヴィクトル首相と彼の政党フィデスは、

議会で、68%という圧倒的多数で勝利し、憲法を改訂し、新法を成立させるのに必要な議席を得、実際そうした。

某国傀儡首相と彼の翼賛与党・偽装野党は、

議会で、68%という圧倒的多数で勝利し、憲法解釈を改悪し、永久植民地化するための新法を成立させるのに必要な議席を得、実際そうした。

第三極なる目くらまし与党は崩壊。やつらは解散、異神もよれよれ。残るは自滅党と、そうかがっかりのみ。

クオ・フィデス フィデスはいずこ。

下記の内田樹氏講演、情けない島国の選挙を前に、大本営広報部の紙や、電気洗脳箱を、一週間読んだり見たりするより、遥かに役に立つだろう。

資本主義末期の国民国家のかたち