マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/cnn-e173.html
<転載開始>

Paul Craig Roberts
2015年3月14日

ジョージ・W・ブッシュ大統領の国家安全保障顧問コンディ・ライスは、アメリカ国民に、サダム・フセインの(ありもしない)大量破壊兵器は、アメリカの都市上にキノコ雲が立ち上がる結果をもたらしかねないと警告した。そのような脅威は皆無だった。だが現在、実に本物の脅威が全てのアメリカの都市に存在しているのに、国家安全保障顧問は気がつかずにいる。

脅威は、ワシントン発で、ロシアとその指導部を悪魔化することに起因している。

ウルフ・ブリッツァー(CNN、3月13日)は、ニュース番組を装って、「第三帝国」あるいは、おそらくジョージ・オーウェルの『1984年』からそっくり頂いたプロパガンダ番組を報じた。入念に練り上げた番組は、ロシアを、巨大で攻撃的な軍事的脅威として表現した。画面は、ミサイル発射やら、ロシアの脅威に対し挑発的手段を配備すべきだとあおるアメリカ人のストレンジラブ大将の類に満ちていた。ブリッツァーの番組は、アメリカ国民をロシアとの紛争に備えさせることが目的の入念に練り上げられたプロパガンダ作戦の一環なのだ。

マスコミ組織が、これほど無責任なプロパガンダや、実に多くの見え透いたうそを後援していることからして、CNNやウルフ・ブリッツァーが、戦争熱をひろめたかどで、叱責されることなど全く恐れていないことは明らかだ。いわゆる“主流マスコミ”は、プロパガンダ省へと変化を遂げたのだ。

同様なプロパガンダは、ロシアはヨーロッパにとって“現実の、いまそこにある危機”だとマイケル・ファロン国防相が宣言したイギリスでも広められている。ロシアが攻撃をしようとしているという口実で、アメリカ軍兵士や戦車がバルト海諸国に急送されつつある。

ほんのわずかの証拠も無しに、また恥じることもなく政府幹部連中が言い放つ見え透いたウソが、国民を死ぬほど怖がらせる。政府幹部や売女マスコミによる、真実と人命の徹底的な軽視を我々は目にしている。

プロパガンダは世界を戦争へと押しやっている。プロパガンダは、核大国間の信頼を破壊し、核アルマゲドンの脅威を復活させた。ロシア政府は、ワシントンと、そのNATO属国が、ありもしないロシアの脅威を呼び起こしていると考えている。明らかに、この呼び起こされた脅威には、ロシアに害をなそうという狙いがある。

売女マスコミが広めるワシントンのプロパガンダは、人類史上、最も無責任な行為だ。レーガンとゴルバチョフは、核戦争の脅威をなくすことに成功したが、狂ったネオコンと、マスコミで売れる為なら何でもする手先共が、それを復活させてしまったのだ。

ロシアとウラジーミル プーチンに対する、ワシントンのプロパガンダ攻撃は、アフガニスタンとオサマ・ビン・ラディン、イラクとサダム・フセイン、リビアとカダフィに対するワシントンの攻撃と良く似ている。これはワシントンが、先制核攻撃で、ロシアを攻めるつもりでいることを意味しているのだろうか?

もしそうであれば、それは世界の終わりを意味する。明らかに、アメリカ合州国と全世界に対する脅威は、ワシントンの中にこそあり、モスクワにあるのではない。脅威は、世界の資源を支配しようと言うアメリカ大企業のとどまるところを知らぬ強欲が支持しているアメリカの世界覇権という、狂ったネオコン・イデオロギーだ。

プーチンは状況の深刻さを理解し、緊張緩和に懸命だが、ワシントンが緊張緩和を不可能にしている。ワシントンが要求する対価は、プーチンが、クリミアとロシアの黒海海軍基地を引き渡し、南部と東部ウクライナのロシア人を見捨て、ウクライナ国内のNATO軍事基地を受け入れることだ。ワシントンの要求は、ロシアの先制的降伏を求めているのだ。

CNNプロパガンダ番組で、ウルフ・ブリッツァーは、ドイツ諜報機関が、ロシアに関するワシントンの主張に異議を唱えたこと、フランスとドイツ政府が、とうとうワシントンは常軌を逸していることに気がつき、ワシントンの戦争衝動を止めようと必死になっていることは報じ損ねた。

ワシントンその傀儡イギリスは、21世紀になってからずっと死と破壊だけをもたらしてきた。“民主主義を広める”為、7ヶ国を侵略し、爆撃し、無人機攻撃をしてきた。アフガニスタンやリビアやソマリア同様、イラクは破壊された。シリアもほぼそうなっており、パキスタンとイエメンは、アメリカの絶えざる空爆で政治的、社会的に不安定化された。民主的な、選挙で選ばれたホンジュラスとウクライナの政権は、アメリカ・クーデターによって打倒された。次はベネズエラで、ボリビア、エクアドル、アルゼンチンやブラジルも順番待ちだ。

ワシントンは、14年間、世界に残酷で非人道的な戦争をもたらしてきた。これだけで十分な悪ではないだろうか? ワシントンは、我々にこれ以上の戦争をもたらす必要があるのだろうか?

ワシントンと売女マスコミは、人間性を喪失している。彼らは悪の代理人となったのだ。もしきのこ雲が出現するようなことがあれば、それは陣太鼓を鳴らし続けている、ウルフ・ブリッツァーや、CNNや、売女マスコミの責任だ。

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Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/03/14/cnn-beating-drums-war-paul-craig-roberts/
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宗主国で暮らす知人と話す機会があった。ロシアの暗澹とした未来を見ていると、ロシアではなく、宗主国研究専門家であることを、つくづく幸いと思うと言う。よかったね。

宗主国研究の専門家として、宗主国の体制は素晴らしく、それに劣る日本の様々な制度が、日本人の幸福への足をひっばっているのだという。おいおい、本当かよ?

中国は内発的に、いわゆる「民主化」をする可能性は皆無だと知人の知人が言ったという。

知人によれば、中国からは優秀な若者が多数宗主国に留学しているという。しかも大半の優秀な人々は、卒業後も宗主国に居残ることを好むのだという。

中国を民主化するには外部からの力は効果がなく、ゆっくり、宗主国に居残ることを好んでいた連中が、いつか中国に帰り、アメリカで学んだ民主主義?を、祖国で実現するよう努力する時代を待つ以外方法はない、と知人は言う。宗主国の大好きな民主化には、そうなのかも知れない。民主化の極致の宗主国、どれほど素晴らしい御国だろう。

知人、ある種のシカゴ・ボーイズだろうと思う。

小生が、ロシア、ウクライナについて現状を説明したところ、「ロシア・シンパの君は、ロシア・プロパガンダに騙されていて気の毒だ」と説教された。

騙されている状態から目覚める為に、宗主国の有名プロパガンダ番組を見るよう諭された。更に「プロパガンダ番組を見た感想を述べよ」と要求された。どのような番組を見るかは、小生の自由だろう。感想を述べるか否かも、小生の勝手だろう。

彼は、それを認めない。宗主国を人間にしたような理想的人間。

宗主国研究の専門家に、ロシア事情を教えてもらう意味があるだろうか?

残念だが、知人と再度話をする可能性は低そうだ。

安冨歩教授の『生きる技法』にもある。「疲れる知人と、無理に付き合うな」と。

頑固な小生、ひたすら孤独な生活に向かって退化し続けている。死んでも直らない。

ところで、安冨歩教授も書いている新刊『香港バリケード―若者はなぜ立ち上がったのか』、知人の説教を聞いているような気分になって、読む気力が全く起きない。

教授、「疲れる本は、無理に読むな」と言ってくださるだろうか。