京成ローザのイースト3番スクリーンということで、
流行っていないことは想像出来るわけだが、
いくらレイトショーだとは言え、
観客が私だけというのは、
これはしまったかなと思ったがその通りだった。
香取信吾はともかく、
綾瀬はるかや小栗旬、大竹しのぶまで起用して、
どうしたらここまで面白くないのか、
不思議でならないし、
三谷幸喜もやきが回ったとしか言いようがないな。
『ザ・マジックアワー』の佐藤浩市や妻夫木聡、
深津絵里、綾瀬はるか、
そしてあの西田敏行の演技すら嵌めた手腕はどこに行ってしまったのだろう。
自分にとって、
今までで一番辛かった時代の一時を、
泣き笑いの世界に引き込んでくれた、
思い出の映画だけに、
その監督がここまでの駄作を作って世に出した意味が、
どうにも理解できなかった。
はかり知れないけれど、
恐らく色んなことがあって、
今はもう一度新婚の幸せな環境にいるのだろうか。
もしそうだとすれば、
満たされた所から生まれる創造というものは、
こんなものなのかな、とも思ったりする。
単純な話ではないのだろうけど。
少なくとも今の僕の心を癒してくれるような、
元気づけてくれるような作品ではなかった。
劇場の客はついに僕一人だけのままであった。
途中、眠りに落ちそうな場面が何度かあったが、
「ここで俺が寝てしまったら、この映画はどうなるなんだ」
と、まるで雪山サバイバルのように、
眠るな、寝たら死ぬぞという声に叱咤されていた。
辛く厳しい戦いを終え、
劇場の電気が灯った時には、
本心からホッとした。
こういう映画もあるんだな。
もう、一人にはしないで欲しい。