ボンネビルレコードといえば、
大井競馬所属、帝王賞、かしわ記念を制し、
競走馬として10歳まで現役を務めた名馬である。
私にとって、
ボンネビルレコードはボンネビルレコードであり、
その由来も何も考えたことすらなかったが、
この映画でその意味を知った。
アメリカユタ州にある、
ボンネビル・ソルトフラットで行われるボンネビル・スピードウィーク。
標高1200m以上の塩湖の跡地は、
見渡す限りの塩の大平原。
そのフラットで堅い路面を舞台に、
地上世界最高速を競うのだ。
主人公のバート・マンローは、
ニュージーランドのスピード王。
いつかボンネビルで世界最速に挑むことを夢みていた。
そして1962年、遂に遥かアメリカを目指すことになるのだが、
時に齢63歳だった。これは実話である。
皆のカンパで資金を集め、
アメリカボンネビルまでの貧乏旅行。
宿泊したモーテルの受付のニューハーフとの交流、
超破格値での車の調達、
バイクを乗せたキャリアが壊れて、
修理の世話になった未亡人とのロマンス、
ボンネビルまでついたものの、
出走の申請をしていなかったことから、
始まるなんやかや。。。
など、見どころ満載の珍道中。
この辺はフィクションが入っているだろうが、
63歳が故の年輪が迸る堂々たる振る舞い、
そして胸に秘めたる熱い「夢」。
「夢を追わない人間は野菜と一緒だ」
これは格好良くて当たり前だな、と思う。
映画はバートのこのアメリカ珍道中を中心に置きながら、
出発前の経緯にも十分な時間を割き、
勿論、最後のレースのクライマックスもキッチリ盛り上げる。
正に、テンよし、ナカよし、シマイよし。
強い競走馬を彷彿させるレース映画だった。
「リスクを恐れてはいかん。 それが人生のスパイスになる。
それが“生きる”ということだ。」
折角の人生だ。
「夢」を抱いて、リスクというピリッと辛いスパイスを振りかけて、
おいしいと思える人生を送ろうじゃないか。
それはいくつになっても、
始めようと思いさえすれば、
いつからでも始められることをバートは教えてくれている。
因みにバートはこの年を皮切りに、
以後8回ボンネビルに行き、
5年後の68歳の時に世界最速記録を更新している。
これは実話である。
最近は日本人も参加しているという、
ボンネビル・スピードウィークは、
今年も8月13日~19日に行われるそうだ。
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