この度昇進し、研修委員長になったことで、病院の診療会議に出ることになりました


月一回、第4火曜日の朝です


各科部長、委員会代表、看護師長、各部署代表が集まり、病院の経営、運営に関わる会議を開きます


本日僕は初参加!!



会議の中心はお金の話でした


お金というと汚いイメージが付きまといますが、そうも言ってられません

命を金で買うと言うと敬遠される表現になりますが、みなさま実際に命を金で買っております

それが個人負担にならずに済む社会体制を敷いているにすぎません



お金は大事なのです

命も大事ですが

命を救うシステムを維持するためにもお金は必要です




日々診療しておりますが、機器は新しくしなくてはならないし、患者のために何かしようと新しいことを始めるにはお金がいります


一生懸命働けばお金は入るかというとそうではなく

国の運営方針に従って効率のいい運営をしなくては収入は増えません



突然お金の世界を見せつけられて困惑しましたが、これまでは誰かが陰でこの問題に向き合ってくれていたので、僕はただただ自分の成長と患者のことを考えていればいい存在でした

これからはそうもいかないなと、目の前に出された数字と向き合いました



医療に関するお金の流れに関しては、本当に難しいものがあります

個人的に言えば、自分や周囲の人が幸せを感じられる程度の収入をもらっていれば特にいうことはありません

病院が潤えばそれに越したことはありません


しかし、医者や病院は社会の公器であり、税金はじめとしてみんなのお金で医療を賄っているので、ただただ収益に走ればそれは反社会的な行為となります


どこにバランスを求めて、どのように今後医療と向き合うか

新しい世界に足を踏み込んだ気持ちです



さて

会議にでて今後自分が向き合うべき問題も明らかになってきました




会議であれこれの数字が出されましたが、その中に救急応需率もありました


6月のお断りは5件だそうです


これは恥ずべき数字として心に刻んでおきます

5/700ですから1%にも満たないのですが、ダメです

なぜ断らねばならなかったのか



あまりにも軽症なのに遠方から要請されたとか

あまりにも忙しかったとか


諸事情があったのかもしれませんが、断らなくて済む体制作りを地道にしていきたいと思います



それから入院率の低さ


当院の救急入院率がだいたい30%弱です


当院は病床数が少ないことも相まって、入院の閾値が高くなりがちです

世の中の平均は40%以上ですから、救命センターの数字としては異常だと思います


軽症救急車も快く対応している結果といえば聞こえがいいかもしれませんが、本来入院適応の人も帰してしまっているかもしれません


より安全で、患者と社会と医療と科学のバランスのとれた救急を提供できるようにしていかねばなりません