伊坂幸太郎の『あるキング』です。



僕、こういうの大好きです(笑)。


あるキング
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伊坂 幸太郎
徳間書店
売り上げランキング: 34186



内容(「BOOK」データベースより)
弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。“王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。すべては「王」になるために―。人気作家の新たなるファンタジーワールド。
























伊坂幸太郎のノンシリーズ物です。

作者が「誰も読んだことのない伝記を書いてみました」と言ってる通り、伝記モノ(そんなジャンルあるのか?伝記は伝記だろー)でして、ミステリではなさそうです。





内容は、圧倒的に実力がある野球選手の生涯を描いたものです。

本文で触れられていますが、イチローやダルビッシュがすごいのはあくまで、常識で考えられるレベルで、ものすごく実力があるからなんですよね。

今作の主人公は常軌を逸して実力があるんです。とにかくどんな球でもホームランにしてしまう。

そして本人はそれをすごいことだと思わずに、ひたすらに練習を繰り返す。

そんな王になるべくして王になったもの、に対して野球関係者や野球ファンは、まるで自分たちが今まで好きだった野球が汚されてしまったように思ってしまうんですね。で、色々と妨害されます。


なので内容としては、飛び抜けすぎるほどの才能を持った天才が、凡人たちから妨害を受けつつ、大好きな野球を続けていく物語、という感じですかね。




この説明だと何かとても良い話のようですね(笑)。

実際は話全体が暗くて、雰囲気が悪い作品です。そして謎の人物が出てきたりしてなんだかアンニュイ(笑)な展開です。こういう展開にしないでもっと素直に設定を活かして話を展開させていけばもっと幅広い読者に受ける作品になったと思うんですが、そこをあえてそうしないのが伊坂幸太郎なんですかね。結構、読者を選ぶ内容だと思います。


僕はこういうの好きですねぇ。














あるキング
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