不真正不作為犯 | 弁護士吉成安友のブログ

弁護士吉成安友のブログ

荒川区西日暮里に事務所を構える弁護士。
大分県豊後高田市の若宮八幡神社の宮司を900年務める家に生まれ,神職資格を持つ。
Rockな魂と仕事への情熱であらゆる分野で最強を目指し日々研鑽しています!

 神職の研修を終え,月曜から復帰しました。

 実は,来週も神職関係の研修があり,弁護士としての業務は木金だけなんで,ちょっと今週は気合いを入れなければです。

 さて,セウォル号事件で,乗客の救助をしなかった船長が殺人罪で死刑求刑されたという報道がありました。

 これは外国の事件ですが,我が国の刑法上も,積極的に人を殺した場合だけが殺人罪に当たるわけではありません。

 することじゃなくて,しないことが犯罪になることがありうるわけです。

 こういうのを不作為犯といいます。

 そして,刑法上,何かをしないことが犯罪と明記されていることについて,しないケースは真正不作為犯と言われます。

 例えば,刑法218条は,

老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する

としていて,保護責任者が必要な保護をしないという不作為が犯罪になります。

 一方で,殺人罪は,

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する

と作為を予定した条文になっていますが,不作為で人を殺した場合も殺人罪になりえるのです。

 例えば,母親が,乳幼児に食事を与えず,それで子供が死んでしまったような場合は,殺人罪になりえます。

 こういうものを不真正不作為犯といいます。

 さて,作為が予定されたものを不作為で行うことが犯罪になるのは,殺人罪だけの話でありません。

 例えば,コンビニで買い物をした際,店員が勘違いをしてお釣りを多く渡したときに,気がついたけれど,黙って受け取ったという場合,不作為による詐欺罪にあたります。

 お釣り多くくれたぜ,ラッキー!などと思って,そのまま受け取ってはいけません。

 詐欺罪といえば10年以下の懲役の可能性もあるわけです。


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
↑↑↑ブログランキングでの「弁護士吉成のブログ」の順位のチェックはこちら!!

人気ブログランキングへ
↑↑↑こちらも!!


法律問題、企業顧問なら、MYパートナーズ法律事務所にお任せ下さい!!
↓↓↓

MYパートナーズ法律事務所HP




弁護士吉成安友の企業法務ブログ
弁護士吉成安友の離婚ブログ