パーソナルギフトや、プライベートギフトの需要は一年中ある。
半期に一度の「感謝を形でお届けする」大きな節目には、「ギフトアドバイザー」や、「スィーツ・コンシェルジェ」他のエキスパートの腕の見せどき…。
思い起こせば、昔の商人(例・百貨店人)たちは、好奇心が旺盛で、ウォーキングディクショナリィ(生き字引)が多かった。 「衣料フィッター」の研修風景(西武百貨店)
商いに限らずいつの頃からか、多くの企業・他分野でも、分業での業務形式・形態に変化していった。
百貨店のフロアーを走り回っていた遠い昔、館内にあるすべてのショップやコーナー、設備のほとんどをスタッフが把握していた。
総菜からスィーツをはじめ、生活雑貨売場にいたるまでと…。
〈ささいで大切な…こと〉
担当商品の販売以外に、「ギフト」予算達成のノルマが重く課せられていた。
慶弔マナーをふまえた「のし紙」の由来や、水引きの知識を熟知していた。
「昨今は、どうだろう?」
近年は「接客・接遇・販売」についての基本教育を受けてから売場に立つ、恵まれた人材が増えている。
したがって、そつのないしぐさでの応対はできている。だが専門職スタッフに頼れることもあってか、想定以外の諸案件が持ちこまれると、もどかしい対応になってしまうシーンを目にする。
購入する側が、「快気祝のかけ紙(のし紙)をつけて…」と伝えるやいなや、「快気内祝」と「本復内祝」とがありますが…」と、習った知識どおりに二つの違いをとくとくと説明する。
理由あって「お中元の、のし紙にしてください」と申し出ても、「今の時期なら、残暑お見舞いとなりますが…」と、再確認のためだろうか、すぐに応酬してくる百貨店スタッフも少なくない。
自らの実体験の広がりが欲しい! (次回へつづく)
〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」
7月号より
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