今日のストリート中、ちょっと困ったチャンに出遭った。
釧路から出てきたというその女性は、あたしより少し年下くらいの、そこそこイイトシに見えた。
もう手持ちがあまりなく、昨日は宿に泊まり損ねて死ぬ目に遭ったそうだ。
釧路から今の時期に出てきた割に、履いている靴はクロックス。で、言葉は関西訛り。どっかのスーパーからくすねてきたとしか思えないショッピングカートにビニール袋に包んだ荷物を積んでいる。
ギターも持っていて、釧路で弾き語りで投げ銭もらったりしてた、って。
でも弦が何本か切れてて札幌ではストリートはまだやってないんだそうだ。
「でもギターは下手なんです。もともとピアノを弾く人だから、わたし」
で、あたしのバイオリンに合わせて歌いたいと言う。ギターは下手だけど歌はうまい。だからわたし、あなたの伴奏で歌ったらかなりイケると思う、って言う。
や。
別にあたし、一人でもイケるし。
とは言わなかったけども(笑)
出遭って何分もたっていないのに、結婚してるのかだの一回も結婚したことはないのかだの根掘り葉掘り聞いてくる。で、友だちになろうだの、話がしたいだの言う。
あたし、勘はかなりいい方だ。最近富に勘に磨きがかかってるところがある。そして、相手の真意を読む訓練も受けている。
大体、ストリートで投げ銭もらってた経験があるなら札幌でも躊躇しないでストリートやるはずだし、商売道具の弦が切れたままにしておくはずはない。
そうじゃない?
―うちにはあなたを泊める部屋はないし、あなたに暖かいものを食べさせてあげる余裕もないのよ―
「あたし、病気がけっこう酷くて、人と話しているの、辛いの」
とあたしは言った。
「ウソでしょう?」
「悪いけど、本当に辛いの。ダメなの」
「…精神的な病気?」
「そう」
彼女が怯んだのが分かった。
じゃ、頑張ってください、ってショッピングカートを押して歩み去る彼女の後姿を、あたしは見送ったりしなかった。
友だちになろうだの組んだらかなりイケるだの。
さよなら。
人のふんどしで相撲を取ろうとする人間は、大っ嫌いなの。
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大体さ。今の時期にクロックスて。
全般的に舐めてるわぁ(´_ゝ`)