蚊と犬のたたきかた | 4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

アメリカ暮らし漫画と昔の日本での愛犬物語です。

 

 ところで、夏といえば蚊。

夏の夕方は、蚊も忙しくなる時間です。


ピピはでも、まとわりついてくる蚊をうるさがりもしません。
たとえ自分の鼻のあたまに蚊がとまっていても、平気な顔をしているのです。

それは、蚊が大嫌いなわたしにはまったく信じられない光景でした。

 

というわけで、キキッと目をつりあげたわたしはピピの周りに張り付き、自分に来る蚊を避けるために頭をふりつつ両手を打ち、必死に蚊をとります。
わたしのその「狂乱・蚊たたき音頭」踊りを、ピピは
「へんなやつ・・・・」
 という顔できょとんと見ています。

 

 「ぷうん」

 

あっ今、ピピのからだに蚊がとまりました。

すかさずわたしはそこをたたきます。
でも、ピピをたたくわけにはいきません。
わたしの手がピピのからだに届く寸前でスピードをゆるめ、ふわっと押さえるように手を置くのです。
だけど、こんな思い切りのないやり方だと、すばやい蚊は余裕で逃げていってしまうのです。

 

しゅっ!! (これはわたしの手が蚊に接近する音)
ふわ     (これはピピのからだにさわる音)
 

しゅっ!! 

ふわ
しゅっ!! 

ぴた
しゅっ!!

ぴた

 

・・・・・

 

ピピは、わたしの手が自分の背中やわきばらにへんなふうに当たるのを
「判断、しかねる・・・」
 という、懐疑的な目で見ています。

 

しゅっ! びた
しゅぴた!


しゅびたっ!!

「くわっ!!」
 ピピはついに牙をむきだして怒りました!!


けんめいの努力を逆に叱られたわたしは、たまらず文句を言いました。
「ねえピピ? ピピは蚊を、お供につれているの? 蚊はピピの、家来なのかい?」 
 

ご主人ピピ様は、今日も優雅に家来たちを侍らせています・・・